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170 ユーゴの注意喚起


初めてこちらを見つけていただいた方へ。

ありがとうございます。

1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度、朝7時更新という短いスパンです。(土日の場合はお休みです)

 たまに遅れまる場合が(^0^;)

ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。

ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと覗いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw

よろしくお願いしますm(_ _)m

では、どうぞ!




 そしてユーゴはアイラへと視線を向ける。なんだと思っていると、ユーゴは苦笑しながら言う。


「君がなぜいるのかは分からないが、色々な意味で心配だね」

「え?」

「あまりにも顔に出すぎだね」

「!」

「そして……」


 そこでユーゴの笑顔が消え真顔になる。


「中途半端な覚悟では、2人の足手纏いだ」

「!」

「気をつけなさい。君は能力はあるかもしれないが戦闘向きではない」

「先輩!」


 ジンが制するように割って入ると、ユーゴはジンを見て言う。


「ジン、君もだ。なぜ本当のことをこの子に言わない。それは君の優しさかもしれないが、その選択がアイラ君の命を危うくすることをわかっているかい?」

「……」

「君やリュカ君がいるから大丈夫だろうという甘い考えは捨てることだ。今までそうだったかもしれないが、それは絶対ではない。ましてや竜柱すべてを相手にするのだろう? 君のとことだ。一番厄介な柱は最後にしているはずだ」

「……」


 ジンは何も言えず黙っているだけだ。


「リュカ君もそうだ。自分が守れば大丈夫だとどこかで思っていないかい?」

「!」


 リュカは目を見開く。


「君は今までの成功経験から、どうにかなる、大丈夫だと、頭の片隅で思っていないかい? 自分ならどうにか対処できると」

「それは……」

「その考えはとても危険なんだ。同じ状況だからと同じことが起きるとは限らないからね。もし想定外の状況が起きれば敵に隙を与えてしまい、取り返しのつかないことになってしまう。もしかしたらアイラ君が命を落とすかもしれない」

「……」


 そこで前世でのマティスが刺された映像が蘇えり、応えることができない。


「強すぎる力は、良くも悪くも作用する諸刃の剣だ。特に君みたいに強すぎる力の持ち主は、経験から気が緩み隙が生まれるものだ」

「……」


 視線を下に向け、拳を握り苦渋な表情のリュカにユーゴは言う。


「君を責めているわけじゃない。これは僕にも当てはまることだしね。ただ誰しも人間は失敗するものだから気をつけてと言いたかっただけだ」


 そしてユーゴはアイラへと視線を戻す。


「君もだよアイラ君、強い者がいるからと言って必ずしも守ってもらえるという保証はない」


 ユーゴの言葉はそれぞれ思い当たることがある3人の表情を曇らせる。


「結局最後は自分自身で身を守らなくてはならないんだ。そこをキモに命じておいてくれ。これは魔術師団団長としての意見だ」


 そこまで言うとユーゴはいつもの笑顔になった。


「ということで、何かあったら僕にいつでも言ってくれ。力になるよ」


 踵を返し出口へと向かおうとするユーゴをジンが止める。


「先輩!」

「ん?」

「この件は……上にはどう報告を?」


 大きな魔力を感知したとなれば、その場限りの原因では国には通用しないだろう。国の安全を管理している者は元魔術師団長まで上り詰めた者が多い。そうなれば、少しの誤差でも通用しない。それをどうやってユーゴは報告するのか?


「それは大丈夫だ。だって大きな魔力を感知したのは僕だけだから」

「え?」

「報告を受けたのは、大きな地震があったということだけだ。だからそこは心配しなくていいよ」

「なっ!」


 そこですべてユーゴの嘘で、ジン達はそれに騙されたということに気付く。


「先輩! 騙しましたね!」

「ジン、僕は騙してはないよ。最南端で大きな魔力の動きがあり、その地域の街からも多く地震の報告を受けたため調査に行ったと僕は言ったはずだ。間違っていないだろ?」

「くっ!」


 確かに大きな魔力の動きを誰が感知したとは説明されていない。


 ――相変わらずだな。


 リュカは目を細め嘆息する。前世の時からよくユーゴが使ったやり方だ。日頃からつかみ所がわからないからか、どれが本当か嘘かなのかの区別が付きにくいのがユーゴの所作だ。


「ほんと、たちが悪い」


 ジンは思ったことを吐き捨てるように呟く。


「酷いなー。僕がいたから君達のしたことはばれずに済んでいるんだよ。反対に感謝してほしいなー」

「くっ!」


 悔しそうにするジンにユーゴは満足そうに笑い、


「じゃあまたね」


 そう言って体育館を出て行った。


「やられましたね」


 リュカは苦笑しながら言うと、


「あのくそ先輩めー!」


 と叫ぶ。だがすぐにテンションを落とし真顔になり、


「相変わらず先輩は一番嫌な所を突いてくる。そして俺の上を行く……」


 と悔しそうに言う。それにはリュカも一緒の気持ちだ。


 ――ほんとあの人には頭が上がらない。


 前世でもリュカはユーゴに同じことを言われていた。だが年月を重ねた結果、すっかり忘れていたのだ。そこを指摘された形だ。


 ――今世ではまだそんなに団長とは接点がないのに見破られた。


 それはユーゴの観察力、洞察力、すべてが並外れて高いということだ。

 するとまだ怒りが収まらないジンが叫ぶ。


「――ったく! ほんとムカつく!」


 ジンの悪態にリュカは苦笑する。


「本当に」


 2人の会話を聞きながらアイラも同感だと思う。


 ――前世でも同じことをユーゴ団長に言われたなー。


 それは、前世でアイラが王宮で働くようになって1年過ぎた頃のことだ。



       ☆



【前世】


 その日は、集中豪雨で川は氾濫し、山では大規模な土砂崩れも起り、広範囲に渡り大災害が起きていた。

 魔術師団はもちろん、負傷者も多いことから精霊魔法士も災害現場に駆り出されてた。アイラは先輩精霊魔法士のミーラと2人でユーゴがいる災害現場で負傷者の治療と浄化の仕事をしていた。

 そして夕方、治療も終わり、後片付けをしていた時だ。ミーラが言ってきた。


「アイラ、ここお願いできる?」


 ミーラは既婚者で3歳の子供がいた。いつも仕事の時は旦那の親に預けていたため、時間になったら帰らなくてはならなかった。


「あ、お迎えですね。後はやっておきます」


 ほとんど片付けも終わり、後は1人で出来るほどだった。


「ごめんねアイラ。じゃあお願いね」

「はい」


 ミーラはそう言って帰って行った。その後1人で片付けをしていた時だ。地響きがし始めた。片付けの手を止めアイラは立ち上がる。


「なに? 地震?」


 すると叫び声が聞こえて来た。


「魔獣だ!」

「え?」


 一瞬耳を疑う。この場所は魔獣が出る場所ではないからだ。


「魔獣って言った?」


 聞き間違いかと思った瞬間、50メートル先に巨大な魔獣が2体降り立った。







最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでも良かったと思っていただけましたら、ブックマーク、いいねボタンの方よろしくお願いします。

とても励みになります。

これからもよろしくお願いします(_ _)


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