169 ろくなことがない
初めてこちらを見つけていただいた方へ。
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度、朝7時更新という短いスパンです。(土日の場合はお休みです)
たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと覗いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
では、どうぞ!
「実は僕の先祖は元『国守玉の脚』だ」
「!」
皆驚きユーゴを見る。
――団長の家系が『国守玉の脚』だと!
「でもかなり昔の話みたいだけどね」
――だからこの強さか。
リュカとジンは疑うこともなく自然と納得する。
『国守玉の脚』の者は魔力の強い家系の者が選ばれる。そうでなければ国守玉の力に耐えられないからだ。
――先輩の家系が魔力が強いのも、そして並外れた先輩の能力は『国守玉の脚』だった時の名残りか。
「だから先輩は色々と詳しいのか」
「詳しいというわけじゃない。代々家に伝わる伝書を参考に自分なりに考察したものだよ」
ユーゴは謙虚さを見せる。
「先祖が書に書き留める癖があったみたいだが、それが『国守玉の脚』の規律に違反したみたいでね。『国守玉の脚』を外されたみたいなんだ」
「え?」
「君の家系もそうだろうが、『国守玉の脚』になる者への伝達は口頭が厳守だ」
それは外部の者に情報が渡らないためだ。
『国守玉の脚』を剥奪される大きな原因は『国守玉の脚』ではない他者に教えたり、何か国守玉の不利に働く場合だ。だがユーゴの祖先はただ書に書き留めただけで外には漏らしていない。
――規律違反だとしても他の者に漏らしていないのだ。ならば、当の本人が『国守玉の脚』を外されることがあったとしても、その家系が外される理由にはならないはずだが。
なぜだとジンが思っていると、ユーゴがその理由を言った。
「やはりどれだけ外部に教えることはしないと誓っても絶対ではない。そこを指摘されたみたいだね。でも本当の理由は強すぎた僕の家系への妬みもあったみたいだ」
「ああ……」
それはジンも祖父や父親から聞き知っていた。
昔は『国守玉の脚』の家系はそれなりにいたため、よく家系同士で妬みや権力争いなどがあった。だが、そのような利益や権力を求める家系は自然と命を落とし消えて行った。そして純粋に国守玉のためだけに力を使う家系だけが残ったのだ。それが今の五守家だ。
そこでジンは気付く。
――先輩の先祖が生きて残っていたのは、書に残したのが理由じゃない。他の『国守玉の家系』にはめられて外されたからか。
「だから先輩に特殊能力の名残りが色強く残っているのですね」
ユーゴの能力は他にはないとても珍しい特殊能力だ。それは国守玉の能力の名残なのだろう。もし『国守玉の脚』を剥奪されれば、国守玉の力は完全に消える。だが消えてないのは、人間側の理由から外されたからだ。
「そうだね。なぜかこの能力はずっと消えずに受け継がれている。それも家系にただ1人に受け継がれるようにね」
それは『国守玉の脚』と一緒だとジンは思う。
――普通なら外された後、産まれてくる子孫には力は受け継がれない。だが先輩の家系は無くならずに今に至る……。
それは国守玉がそれを望んでいるからだ。
――それはなぜだ?
考えこんでいるジンを見て、ユーゴは苦笑する。
「考えても答えはまだわからないよジン」
「……そうですね」
そこで気づく。
「まだ?」
「ああ。まだ」
「どういうことです?」
ジンは怪訝な顔を向ける。
「気づかないかい? もし国守玉のことに関して知ってはいけないことならば、僕はここまで知り得ることは出来なかった。まずあの場所にも行くことは出来ないだろう」
「!」
――確かにそうだ。先輩でも国守玉の力には抗えない。
それがこの世界の摂理だ。
「だけど僕は今回はここまで辿り着けた。それはこの件に関して僕は知る権利があるということだ」
ユーゴの言葉にひっかかりを覚えたジンとリュカは片方の眉を上げる。
「今回は?」
「うん」
「まさか……」
「そう。何回も調べてたんだけど何も情報は得られなかったんだ」
探究心の塊のユーゴなら絶対にしていたはずだとジンとリュカは納得する。
「どれだけ調べても分からなかった竜柱のことがここに来て少し進展があった。君達の痕跡があったことを突き止めたことだ。もし僕が知り得てはいけないことならば、リュカ君の魔力の残滓に気付くことはなかったはずだ」
それは国守玉がリュカの魔力の痕跡を消したはずだと言外に言う。
「と言うことは、何か僕は君達と関わらないといけないということなんだろうね」
ユーゴの説明は的を得ているとジンとリュカは異論はない。だが、
「確かにそう言えますけど、大丈夫です」
ジンは手の平をユーゴに向けきっぱりと断る。その横でリュカも同じく大きく頷いた。
「え?」
ユーゴは目を瞬かせる。
「先輩の助けはいりません」
――先輩が関わるとろくなことがねえ。
――団長が関わるとろくなことがない。
今までからの苦い経験からの2人の答えだ。
そんな2人の表情から読み取ったユーゴは、
「はあ、君達、僕をなんだと思っているのかなー」
と本気なのか、冗談なのか分からない表情で言う。
「言わなくても分かるでしょ」
ジンは冷たく言う。リュカも頷きそうになるが堪える。ユーゴのことは今世ではまだよく知らないことになっている。だが何かとユーゴには怪しまれているのだ。変な行動をしてこれ以上疑われるのは避けたい。
「まあ、今日は大人しく下がるよ。ただ」
「?」
「もし僕の力が必要になることがあったらいつでも言ってくれ」
「はい」
そしてユーゴはアイラへと視線を向ける。なんだと思っていると、ユーゴは苦笑しながら言う。
「君がなぜいるのかは分からないが、色々な意味で心配だね」
「え?」
「あまりにも顔に出すぎだね」
「!」
「そして……」
そこでユーゴの笑顔が消え真顔になる。
「中途半端な覚悟では、2人の足手纏いだ」
「!」
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