165 サラは頼もしい
初めてこちらを見つけていただいた方へ。
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度朝6時更新という短いスパンです。 たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと除いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
懇親会の次の日から、ある状況が明らかに変わった。それはサラの学園での注目度が上がったことだ。
マティスの婚約者候補にサラが有力だという噂が学園中に広まったのだ。
「なんでこうなったの?」
何も知らないアイラは首を傾げる。するとライアンは苦笑しながらアイラを指差し突っ込む。
「お前のせいだろ」
「私?」
アイラは自分を指差して声を上げる。リュカもどういうことだと眉根を潜める。カミールはただクスクス笑い、サラは嘆息していた。
「どういうこと?」
「お前が親睦会をすっぽかっしたから、サラに変わりに出てもらっただろ?」
「うん。すごく助かったわ」
アイラは帰ってからすぐにサラにお礼を言った。
「その親睦会で、手違いでサラがマティスのお気に入りの女性だと勘違いされたんだよ」
「え!」
サラを見れば、困った顔をしている。
「サラ、本当なの? そんなこと一言も言ってなかったよね?」
サラにお礼を言った時、一言もそのようなことは言ってなかったのだ。
「後から殿下に聞いたんだが、陛下がセイラを妃にどうだと言ったらしいんだ。そこで殿下は気に入った子がいると言ったらしい」
「え……」
アイラは固まり、リュカは目を見開く。言わなくても分かる。それはアイラのことだ。
「で、殿下はお前が来ることを陛下についしゃべっちまったんだとよ。だが来たのがサラだったため、サラが殿下の思い人になっちまったってわけだ」
「……」
するとサラが固まっているアイラを見て笑いながら言う。
「アイラ、気にしなくていいわよ。殿下も私もあなたが殿下に気がないことは知っているから」
「え?」
「でも陛下達が盛り上がっちゃって収拾が付かないため、収まるまで殿下の思い人としていてくれないかって頼まれたのよ」
「頼まれた?」
それにはアイラだけではなく、リュカも初耳だと驚く。
「そう。まだ結婚する年齢でもないから本格的になることもないから、陛下と皇后さまの気が収まるまでの間だけ演技をしてくれって」
「そうだったんだ」
「ただ、学園中に広まるのは、私も殿下も予想外だったけどね」
そう言ってサラは苦笑する。
「仕方ないね。貴族の者達は噂話が大好きだからね」
カミールが説明する。確かにその通りだと実感する。もう次の日には学園中の者達が知っていたからだ。
「言いたいやつは言わせておけばいい。どうせすぐに言わなくなるだろうからな」
ライアンは気にするなと笑う。
根も葉もない噂話は貴族の親達は一番嫌う。噂のことをマティスが不愉快に思えば護衛のケインやギルバート達が即座に動き、王家を通して噂をしていた学生の両親に忠告が行き、目を付けられる。そうなれば、王族に悪い印象を持たれたくない貴族の親は、子供にこれ以上マティスのことを詮索するなと口止めすることで収まるわけだ。
「まあ1週間もすれば何事もなかったようになるさ」
ましてやこの提案はマティスがサラに頼んでしたことだ。サラが注目され不愉快に思うことは一番良く思わないだろう。
――確かにマティスならその辺のことは抜かりなくするだろうな。
リュカは心の中で思う。前世でもそうだったからだ。
「サラ、このまま殿下の妃になったらどうだ?」
ライアンが揶揄を入れる。
「それはないわ。殿下にもはっきりタイプじゃないと言ったから」
それにはそこにいた者全員が驚く。
「殿下にそんなこと言うなんて凄いねサラは」
「お前すげえな。アイラ以上かもな」
カミールとライアンは苦笑する。
「殿下もその気もないし、そういうことは最初からはっきりさせておいたほうがいいでしょ」
「それは一般人に当てはまることであって、王族には当てはまらないと思うけどね」
カミールは苦笑しながら言う。
「最初に、特別視しなくていいと言ったのは殿下よ。だから私はアイラ達と同じように接したまでよ」
だから私は悪くないとあっけらかんに言うサラに、皆、頼もしいと思うのだった。
グレイが自室のソファーでワインを飲みながらくつろいでいると、ドアをノックする音がしレイが入ってきた。
「どうしたんだい? 今日は休みだよ」
今日はグレイの計らいで従者や仕事の部下など、最低限の人数以外は休暇を与え、レイも例外ではなく休暇を与えたはずだった。
「俺はいらないと言ったはずですが?」
「たまには自分がしたいことをしなさいと言ったはずだが?」
グレイはレイの言葉の真似をして返す。
「そう言われても、普段から俺は好きなことをさせてもらってますからねー。休暇をもらってもすることは変わらないんですよね」
確かにレイは与えた仕事以外は好き勝手に行動していたなとグレイは思う。
「マスター、めずらしく昼間から酒を飲んでるんですね」
グレイが昼間酒を飲むことはほとんどない。レイが見たのは初めてだった。
「今日は休みだからね。たまには昼から飲むのもいいかなと思っただけだよ。レイも一緒に飲むかい?」
「じゃあいただきます」
レイはグラスを棚から出し、グレイの前のソファーに座るとグラスを机に置く。そこにグレがワインを注ぐ。
「ありがとうございます」
レイはお礼を言うとグラスを持ち口に運んだ。そしてワインが入ったボトルが半分以上無くなっているのに気付く。グレイを見れば少し顔が赤い。かなり酔っているようだ。
「けっこう飲まれましたね。何かありました?」
見た感じ憂いを帯びた感じではなく、反対に嬉しそうに見えた。
「家族のことを思い出していたんだよ」
「家族ですか?」
「ああ」
そう言ってグレイは穏やかに笑う。
――マスターは家族とうまくいってなかったんじゃ?
それなのに嬉しそうに見えるのがレイにはわからない。
「何か良いことでもあったんですか?」
「いや。ただ弟のことを思い出していたんだ」
「弟さんがいるんですか?」
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