162 サラとライアン
初めてこちらを見つけていただいた方へ。
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度朝6時更新という短いスパンです。 たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと除いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
ライアンが大広間に戻ると、サラが1人でいるのに気付き、サラの元へと行く。
「もう終わったのか?」
「ええ……」
元気のないサラに気付きライアンが訊ねる。
「何かあったのか?」
「まあね……」
サラはセイラとのことをライアンに話した。
「なるほどねー」
「セイラに言うつもりがなかったんだけど、つい言っちゃったわ」
サラは弱々しく笑う。そんなサラをライアンは一瞥し、また視線は遠くにいるセイラを見ながら言う。
「でもそれって本心じゃないんだろ?」
「?」
思っていたことを口に出したのだ。本心に決まっているではないかと思いサラは、
「本心よ!」
と少し強い口調で応える。だがライアンは鼻で笑う。
「それにしては辛そうだけどな」
「え……」
意外な言葉を言われ反射的にライアンの顔を見る。
「だってそうだろ。そう望んでいたならば、そんな辛そうな顔なんてしないだろ。もっとせいせいしたとか、晴れやかな顔をしているもんだ。違うか?」
サラは思いがけないことを言われ、大きく目を見開きライアンの顔を見上げると目があった。だがすぐに視線を外し前を見て否定する。
「違うわ。そんなんじゃ……」
認めないサラにライアンは小さく嘆息すると、更に踏み込む。
「そう思いたいと言ったほうがいいかもな。その方が楽だからな」
「……」
「サラは罪悪感からと言うが、それが一番の原因じゃねえだろ? 逃げたのにセイラと仲良くなりたいと思っているが、それを言うとまたセイラから恨まれるんじゃねえかと思うからだろ。ただお前はセイラに嫌われるのが嫌なんだよ」
「!」
サラの目線が泳ぐ。図星だったようだ。
「別にそれが悪いとは言ってないぞ。ただ、小さい頃逃げて大人になっても逃げたとセイラに正直に話し、自分が悪かったと謝ったわりには、今も逃げ続けているよなと思っただけだ」
「――」
サラはいつの間にか下を向いてしまった。
「なんでちゃんとセイラに本当に思っていることを言わねえんだ?」
「それは……」
「もしかしたらお前の勘違いかもしれないじゃねえか。あっちだってお前と仲良くしたいと思っているかもしれないだろ?」
「そんなことは……」
「ないってか? 本人の口から聞いたのか? 違うだろ?」
「……」
「ならまずちゃんとお前の本当の気持ちをセイラに話してみろよ。落ち込むのはそれからでもいいだろ」
「落ち込んでいないわ」
「嘘つけ。いつもの覇気がねえんだよ。覇気のないサラなんて、サラじゃねえ」
そう言ってライアンは鼻で笑う。
「なんか褒められてる気がしないんだけど」
ムッとするサラにライアンは腕組みしフッと笑顔を見せる。
「その調子だ。やっぱりいつものとげとげしいサラの方がいいぜ」
サラもライアンをマネするように腕組みし片眉をあげ両端の口角を上げて訊く。
「それって告白なのかしら?」
「いや。悪いが俺は、か弱くて助けてやらないとって思える女が好きなんだよ。サラみたいに気が強くてしっかり者の女はお断りだ」
「あら、奇遇だわ。私も同じよ。何を言われても動じず我が道を行く男より、少し頼りない、助けてあげたいなと思える男が私は好みなの」
「おう、そうか。よかったぜ。もし俺のことが好きだったら泣かせることになったからな」
「あら、それは私の台詞よ」
2人はこめかみに欠陥を浮き出させながら笑顔で言い合う。だが次の瞬間、同時に噴き出し笑った。
「まあ似た者同士、友達でよかったぜ」
「ほんとに」
そしてお互い視線を外し前を見る。少し間を置きサラが静かに言った。
「ありがと。確かに私らしくなかったわ」
「そうか」
「でもよく気付いたわね」
正直ライアンにここまで的確に言われるとは思っていなかった。するとライアンはどこか遠くを見るように言う。
「俺と同じだったからだよ」
「え?」
「俺も父親とちゃんと話してこなかった。父親の学校の方針も気に入らなかったし、いつも反抗ばかりしていた俺のことを父親は嫌っていると思っていたからな。だがカミールの祖父に一度ちゃんと父親と話せと言われて勇気を出して話したら、俺の勘違いだということがわかったんだ。だからサラもそうじゃないのかと思っただけだ」
「そっか」
「ああ。今になって、ちゃんと話してよかったとつくづく思うわ。だからサラもちゃんとセイラと本心で話し合ってみろ」
「出来るかしら?」
一瞬で笑顔を消したサラにライアンは「出来るさ」とあっさり肯定し微笑む。その笑顔が腹立たしいとサラはムッとする。
「簡単に言ってくれるわね。出来ていたらこんなに思い込むことはなかったわ」
「簡単さ。ただ少し勇気を出すだけだと言ってるだろ。こんな簡単なことできないのか?」
そう言って肩眉を上げて挑発するように言うライアンに、サラの闘争心が湧き上がった。
「確かにそうね。ライアンに出来て、私に出来ないことはないわね」
調子が戻ってきたサラにライアンは更に笑みを深める。
「ああ。サラは俺とよく似てるからな。できるさ」
「努力してみるわ」
「ああ」
「だからライアンも勇気を出してお兄さんと話しなさいよ」
「え?」
ライアンは目を見開きサラを見る。すると今度はサラが悪戯な顔をライアンに見せた。
「どうせお兄さんともそんな感じなんでしょ?」
「!」
一瞬驚いた顔を見せたライアンは、その後頭をかき嘆息する。
「はー、意趣返しかよ」
「当たり前でしょ」
「ほんとお前、俺とよく似てるぜ」
そこで2人は笑うのだった。
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