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テスト?知らない子ですね  作者: 型破 優位
第一章  常識と非常識
21/25

嵐の前?静かですね

今回は少なめ。

次話から一章のクライマックスとなります。



 教室棟は、空いていた。

 皆体育館前から動かなかったり、商業施設に行ったりとしているために、教室へ行こうとする者がいないのだ。

 四階までしっかりと階段で上がっていき、D組の教室の前へ。扉を開けて中へと入る。




「やっぱり来たか」



「八乙女に石田か。お前らもここに来たんだな」




 最早付き合っているのか、とでも言いたくなるレベルで一緒に行動している八乙女と石田が、教室の隅の机に並んで座っていた。

 そして、手にはペンがあった。




「八乙女、石田。またか?」



「うん。これ落ち着く」



「教室内で集中力高めるとしたら、やっぱりペンだな」



「そ、そうなんだ……俺には分からんな」




 八乙女と石田は何故だか分からないが、ペンを握ると集中できるから、という理由で常時ペンを持ち歩いている。

 とりあえず教室の中へと入り、八乙女と石田の近くへ各々座っていく。




「それで坂田。次のゲームについて何か知ってるか?」




 八乙女も、やはり情報は欲しいらしい。

 開口一番に坂田を指名したということは、一番情報を持っていそうだから、という安易なものだろう。




「ごめん。第四ラボで行われるのは恐らくVR関連のゲームということしか分からない」



「VRか……結構厄介かもな」



「ああ」




 だが、世論達も情報を求めてここに来たのだ。

 情報共有ができただけマシではあるのだが、そこからの進展が何一つない。本当に天沢の軽い運動をしただけだ。

 階段でここまで来てしまったがために、ここでのんびりと過ごす時間もあまり残ってはいない。

 だが、せっかくここまで階段できたのだから、帰り道も階段の方が良いだろうということで、天沢のみ階段で一階まで降りることを要求された。



 情報を求めて教室へ行ったのに、結局部活みたいに階段を上がったり下ったりしただけという、よく分からない結果になってしまった。



 そして、時刻は十七時。

 体育館前前には四台のバスが横にずらっと並んでいた。




「皆様、大変ながららくお待たせしました。さっそくですが、各クラスそれぞれバスに乗り込んでください」




 司会は相変わらず相枝が務めることとなっているらしい。

 相枝の言葉で各クラスがゾロゾロとバスに乗り込んでいく。どのクラスも乗る順番は決めていないのだが、その場の雰囲気だけでそれとなく並べる辺りはさすがと言ってもいいのかもしれない。

 相枝が全ての一年生がバスに乗ったことを確認したため、バスの扉を閉めるように指示をいれ、扉が閉じる。



 バスに全員が乗り込み終えると、いきなりブチッという音と共に全体放送へと切り替わった。

 どうやらバス四台に専用のスピーカーがあるようだ。




「では、私とは一旦お別れです。第三競技についての指示はあちらで行われますので、バスがついてからは現地の指示に従ってください。次に私と会うのは第三競技終了後の閉会式のときですので、そこで見たときに成長したと思える部分が一つでもあるかどうか。私は期待しています」




 再びブチッという音が鳴った後、辺りはしんっと静かになる。




『それでは、第四ラボに向かいます』




 そして、運転手の宣言によりバスは走行を開始。

 校内から校内の移動のためスピードはそこまででないが、自転車でいくよりは断然早い。

 今度バイクの免許を取りに行くことを決めて、世論は外を眺める。



 未だによくわからない施設もあれば、最近覚えてきた施設もちらほらと見られる。

 バスだとあっという間なもので、体育館にから約十分ほどで第四ラボへと辿り着いた。

 D組のバスの隣にはC組のバスも止められ、一度バスの前で全員が集合し最終的な人数確認。

 四十九人全員がいることを確認して、待機する。



 どうやら、研究区の施設に入るためにな特殊なIDカードが必要ならしく、入るためには関係者と共に入るのが必要となる。

 時刻は十七時二十分。

 それから間も無く、第四ラボ内から二人の研究員らしき人物が現れた。




「お待たせー! さっそくだけど全員僕についてきてね!」




 一人は初めて天沢と会ったときと全く同じ印象を受けた。

 違うとすれば、一人称だけだろうか。

 一応いきなりの指示にも対応したC組とD組は、その女性へとついていく。

 隣にいる女性は、その女性の後ろをついていってるだけだ。

 入り口の前に差し掛かると、後ろについていた女性がパネルへと移動し、先頭を歩いていた女性が身体の無期を変えて、説明を始めた。




「まず、研究区の各ラボに入るためには特殊なIDを持っている人か、または研究員の中に知り合いが一人は必要となるよ! そして、今回のような人数が多い場合は、IDカードをパネルにつけっぱなしにして、IDカードを持っている人が最後に建物内へ、という順番になっています!」




 競技ではなく、ラボの仕組みについて話し始めた女性。

 そして、実演という形でパネルについていた女性がIDを(かざ)しっぱなしにした。

 すると、扉が開いたまま止まる。

 というよりも、うるさい。




「では、僕についてきてください! ここからは私語厳禁でお願いしますね!」




 話終えると、先頭の女性はどんどんと先に進んでいく。

 見失ったら冗談にもならないため、両クラスは女性と感覚を空けずに詰めて歩いていく。

 それから、数分は歩いただろうか。

 何十という廊下を歩き、何百という階段を降りている。



 階層を見てみると、現在地下十一階。

 目当てのものが何処の階層にあるのか知るわけがない両クラスの生徒には、結構堪えるものがある。

 だが、その気持ちが芽生えた途端、すぐ摘まれることとなった。




「おまたせ! ここが第三競技を行う場所だよ!」




 止まったのは、『実験室』と書かれた部屋。

 ラボに入るときと同じように、入るときと同じ人がパネルにIDカードをタッチする。

 ゆっくりと扉が開いていき、彼らの目にもその中の光景が見えてくる。




「……すっげぇ」




 それは、誰の言葉か。

 思わず漏れてしまったものだ。

 その室内の一つ下の階には、カプセルの中にマッサージチェアのようなものが設置してある機械が無数に置かれている。




「ここはこのラボの中でも一番広い場所なんだ! いつもは実験に使ってるけど、今日は競技場として解放しているんだ! そして、ここにある約五十の機械は全て――VR機だよ!」




 カプセル型のVR機。

 それも、二クラス分のだ。

 機械が並んでいるだけだというのに、視覚的にも印象的にも、効果はかなり強い。

 女性が部屋の中に入っていくのを見て、反応が遅れながらも後ろからついていく。



 これでゲームの種類は確定した。

 つまり、『両クラス参加型のVRゲーム』と。

 少し開けている場所に案内され、その場に座らせられる。




「それじゃあ、今回行うゲームのルール説明を行うね!」


『拝啓、この手紙。読んでしまった僕は異世界で魔王を倒しにいきます』


https://ncode.syosetu.com/n8204eh/


新作ハイファンタジーです。

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