第2話 私が二人いる暮らし
2026.11.2
『ママ、今日のお迎え、早く来られる?』
朝七時半。
娘がウインナーをフォークに刺しながら尋ねた。
「今日は四時くらいかな」
『やった! 公園行ける?』
「いいよ。少し遊んで帰ろうか」
『やったー!』
四歳の娘は、嬉しそうに両手を上げた。
『いいなあ。僕も早く帰りたい』
向かいの席で、十歳の息子がぼやいた。
「今日は六時間授業でしょ?」
『そう。しかも最後、算数』
「算数、好きじゃなかった?」
『好きだけど、六時間目は嫌なんだよ』
その会話に、テーブルの端末から声が加わった。
『わかる。六時間目って、やたら長く感じるんだよね』
「ママはもう学校行かなくていいじゃん」
『そうだけど、行ってた頃の記憶はあるから』
「そりゃそうか」
息子は納得したように頷いた。
画面に映っているのは、私と同じ顔をした女性。
三日前に独立した、もう一人の私だ。
最初のうちは、自分と同じ声が別の場所から聞こえてくるのが不思議だった。
でも、子どもたちは驚くほど早く慣れてしまった。
「ねえ、画面のママ」
『なあに?』
「今日もお仕事?」
『そうだよ。今日は新しい会社の人とお話しするの』
「じゃあ、お金もらえる?」
『お仕事が決まったらね』
「じゃあ、アイス買って!」
『まだ決まってもないのに!』
息子が笑った。
「でもさ、ママが二人働いたら、お金も二倍になるの?」
「二倍になるかはわからないけど、今より増えると思うよ」
『私の仕事が安定すればね』
「じゃあ、うち金持ちになる?」
「まずはデジタル化にかかったお金を返してもらわないと」
私が言うと、画面の中の私は苦笑した。
『ちゃんと返すってば』
「期待してるよ」
『私だって、早く自分の貯金を作りたいし』
今回のデジタル化には、かなりのお金がかかった。
初回の人格デジタル化は六百万円。
公的補助が三百万円あるとはいえ、自己負担は三百万円。
さらに、家庭用の記憶同期端末も購入した。
安い買い物ではない。
それでも、彼女が働いて収入を得られるなら、長い目で見れば十分に回収できる。
私たちは事前に話し合い、費用の一部を彼女の収入から返済してもらうことにしていた。
もちろん、返済が終われば彼女の収入は彼女自身のものだ。
独立した人格なのだから、私の所有物というわけではない。
「そろそろ行くぞー」
玄関から夫の声がした。
「あ、もうこんな時間!」
息子が慌ててランドセルを背負う。
「いってきます!」
「いってらっしゃい」
『いってらっしゃい!』
「ママたちも仕事がんばってね!」
娘も保育園の鞄を持って立ち上がった。
「ママ、早く!」
「はいはい」
私は端末に手を振った。
「じゃあ、行ってくるね」
『うん。こっちは先に仕事始めてるよ』
「お願いね」
三日前まで、朝はいつも慌ただしかった。
子どもたちを送り出し、洗濯を済ませ、仕事を始める。
途中で買い物や家事を挟み、夕方には急いでお迎えに向かう。
一日中動いているのに、仕事も家事も終わらない。
それが、今は少し違う。
もう一人の私が、仕事を分担してくれるようになったからだ。
午前九時十五分。
娘を保育園に送り届けて帰宅すると、すでに資料が完成していた。
「ただいま」
『おかえり。昨日頼まれてた資料、できたよ』
「えっ、もう?」
『うん。共有フォルダに入れてある』
パソコンを開くと、昨日まで手をつけられずにいた資料がきれいに整理されていた。
確認事項にはコメントまで付いている。
「……私って、こんなに仕事早かったっけ?」
『集中できればこれくらいできるでしょ』
「そうかなあ」
『そっちは途中で洗濯物干したり、買い物行ったりするじゃん』
「まあ、そうだけど」
『私はそういうのないからね』
確かに、彼女には身体がない。
料理も洗濯もできないし、保育園の送迎もできない。
でも、パソコンで完結する仕事なら、私と同じようにできる。
しかも、通勤や家事に時間を取られることもない。
「今日の面談って何時だっけ?」
『十三時。最初だけ同席してくれる?』
「いいよ」
『ありがとう。独立してから初めての新規契約だから、ちょっと緊張する』
「私と同じ経験があるのに?」
『経験が同じでも、私自身の契約は初めてだからね』
そう言われて、私は少し納得した。
彼女は私の仕事の経験も、知識も、失敗も知っている。
でも、それは独立するまでの話だ。
これからの仕事は、彼女自身の経歴になる。
「じゃあ、頑張らないとね」
『うん。絶対決めたい』
画面の中の私は、やる気に満ちた顔をしていた。
午後一時。
新しい仕事のオンライン面談が始まった。
「本日はよろしくお願いいたします」
『よろしくお願いいたします』
担当者の男性が資料を開いた。
「今回お願いしたいのは、社内業務の整理とマニュアル作成です。デジタル人格の方への委託は初めてなのですが、通常のオンライン業務と同じ認識でよろしいでしょうか?」
『はい。資料作成やオンラインでの打ち合わせ、システム操作などは対応可能です。ただし、現地作業や紙の書類を直接扱う業務はできません』
「承知しました」
面談は順調に進んだ。
彼女は必要なことを確認し、対応できる範囲を説明した。
私も補足が必要なところだけ口を挟んだ。
一時間ほどで面談が終わると、彼女が大きく息を吐く仕草をした。
『緊張したー!』
「そんなに?」
『そりゃそうだよ。私の初仕事になるかもしれないんだから』
「でも、よかったと思うよ」
『本当?』
「うん。ただ、ちょっと早口だったかも」
『……それ、あなたもでしょ』
「そうかな?」
『絶対そう』
二人で笑った。
自分の仕事ぶりを、自分と同じ経験を持つ人間に見てもらえる。
これは思っていた以上に便利だった。
しかも、彼女が今日の面談で得た情報は、私もあとから記録として確認できる。
私が同席しなくても、必要な部分だけ調べればいい。
仕事を分担できるだけでなく、お互いの仕事を補い合える。
二人になったことで、できることは確実に増えていた。
午後三時半。
面談の結果が届いた。
『決まった!』
端末から大きな声が響いた。
「えっ、もう?」
『うん! 来週からお願いしたいって!』
「おめでとう!」
『ありがとう!』
彼女は本当に嬉しそうだった。
『これで、ちゃんと自分のお金が稼げる』
「そうだね」
『返済も始められるし、少しずつ貯金もできる』
「何か買いたいものでもあるの?」
『うーん。まだ決めてないけど、自分で稼いだお金で何かしたいな』
私は笑った。
「デジタルなのに?」
『デジタルだって、お金は使うよ。仮想空間の家具とか、サービスの契約とか』
「そうか。そういう買い物もあるんだ」
『あと、子どもたちへのプレゼントも買いたい』
「娘のアイス?」
『そう。約束しちゃったからね』
彼女は楽しそうに笑った。
私は時計を見た。
まだ四時前だった。
いつもなら、この時間も仕事に追われている。
でも今日は、予定していた仕事がほとんど終わっていた。
「じゃあ、私もそろそろ行こうかな」
『お迎え?』
「うん。今日は公園に行く約束だから」
『いいね。楽しんできて』
「ありがとう」
私はパソコンを閉じた。
こんな時間に、仕事のことを気にせず外に出られるなんて。
それだけで、少し得をした気分だった。
午後四時。
保育園に迎えに行くと、娘は私の姿を見つけて走ってきた。
「ママー!」
「お待たせ」
「今日、公園行く?」
「行くよ」
「やったー!」
娘は私の手をぎゅっと握った。
公園に着くと、真っ先に滑り台へ走っていく。
私はその後ろを追いかけた。
「ママも一緒!」
「えー、ママも?」
「一緒!」
結局、三回も滑り台に付き合わされた。
そのあとは砂場でお城を作り、ブランコを押し、落ち葉を集めた。
特別なことは何もない。
ただ、娘と公園で遊んだだけだ。
でも、こんな時間が欲しかった。
帰り道、娘は私の手を握りながら、今日の保育園での出来事を話してくれた。
友達と何をして遊んだのか。
給食に何が出たのか。
先生に何を褒められたのか。
私は急かすことなく、その話を聞いた。
午後六時。
夕飯の準備をしていると、端末から声がした。
『おかえり。公園どうだった?』
「楽しかったよ。滑り台三回も付き合わされた」
『それは大変だったね』
「あとで今日の記憶、同期しておくね」
『うん。楽しみにしてる』
家庭用の記憶同期端末は、デジタル化したときに購入したものだ。
初回のデジタル化には専用施設で数時間かかったけれど、日々の記憶を追加するだけなら数分で済む。
寝ている間に自動で同期することもできるし、休憩中に済ませることもできる。
彼女は私の新しい記憶を受け取り、そこに含まれる感覚や感情も、自分の記憶として取り込める。
一方、私は彼女の仕事の記録を確認できても、その経験を自分の脳に直接取り込むことはできない。
そこは少し不公平な気もするけれど、彼女には身体がない。
現実世界での経験を得られることは、彼女にとって大きなメリットだった。
夕飯のあと、私は端末で今日の記憶を同期した。
数分後、画面の中の彼女が笑った。
『あはは! 本当に三回も滑ったんだ』
「そうなの。最後は私の方が疲れちゃって」
『わかる。足がだるくなる感じまで覚えてる』
彼女は楽しそうだった。
『砂場のお城、上手にできたね』
「でしょ? 娘がほとんど作ったんだよ」
『うん。すごく嬉しそうだった』
画面の中の彼女は、少し目を細めた。
『手、あったかかったね』
「うん?」
『帰り道。娘がずっと手を握ってたでしょ』
「ああ、うん。最近よくそうするんだよね」
『あの感触、好きだなあ』
彼女は自分の手を見下ろした。
『ちゃんと覚えてるんだよ。手の大きさも、温かさも』
「うん」
『でも、あの子が握ってたのは、私の手じゃないんだよね』
私は包丁を置いた。
「……そうだね」
彼女は少し笑った。
『変な感じ。自分の記憶なのに、自分がそこにいたわけじゃないって』
「記憶は同じように残るのにね」
『うん。だから、すごくありがたいんだけど』
少しの間があった。
『いつか、自分でもあの子の手を握ってみたいな』
私は画面を見つめた。
彼女は、私と同じ記憶を持っている。
娘が生まれた日のことも、初めて歩いた日のことも、夜中に何度も起こされたことも覚えている。
そして、これからも私の記憶を受け取れる。
でも、それは彼女自身が娘を抱きしめたということではない。
「いつか、できるといいね」
『うん』
彼女は頷いた。
『まあ、今はこうして一緒に話せるだけでも十分楽しいけどね』
「そうだね」
『それに、今日は私も仕事が決まったし!』
「お祝いしないとね」
『じゃあ、私の初収入でアイス買う!』
「結局アイスなんだ」
『約束したからね』
二人で笑った。
午後七時半。
夕飯を食べ終えた息子が、リビングの端末を覗き込んだ。
「ねえ、ママ」
『なあに?』
「算数教えて」
『いいよ。どこがわからない?』
「この問題」
息子がノートをカメラに向けた。
『ああ、割合の問題ね』
「答えは出たんだけど、式が合ってるかわかんない」
『ちょっと見せて』
私はキッチンで食器を洗いながら、その会話を聞いていた。
『ここまでは合ってるよ。でも、最後の計算が違うかな』
「えー、どこ?」
『この部分。もう一回計算してみて』
「……あっ!」
『わかった?』
「うん! ありがと!』
息子は満足そうにノートを閉じた。
「ねえ、ママ」
『ん?』
「ママってさ、二人とも同じこと知ってるんだよね?」
『独立したときまではね』
「でも、今日の公園のことも知ってるんでしょ?」
『うん。さっき同期したから』
「じゃあ、今も同じじゃん」
『そうでもないよ。私は今日、新しい会社の仕事を取ったでしょ。でも、そっちのママはその面談を自分で経験したわけじゃないから』
「そっか」
息子は少し考えた。
「じゃあ、十年後には全然違う人になってるかもしれないってこと?」
『そうかもしれないね』
「へえ」
息子は興味深そうに頷いた。
「じゃあ、十年後にどっちが頭いいか勝負しようよ」
『なんでそうなるの?』
「だって、同じところからスタートしたんでしょ? どっちがいっぱい勉強したかわかるじゃん』
『なるほどね』
「僕、審判やる!」
「十年後まで覚えてる?」
私が声をかけると、息子は自信満々に答えた。
「覚えてるよ!」
『じゃあ、約束ね』
「うん!」
息子は画面に小指を近づけた。
彼女も同じように小指を立てる。
実際に触れることはできないけれど、息子は満足そうだった。
私はその様子を見ながら、少しだけ考えた。
十年後。
その頃、私たちはどうなっているんだろう。
午後十時四十分。
子どもたちが眠り、夫も寝室へ向かった。
私はリビングのソファに座り、端末を開いた。
「まだ起きてる?」
『起きてるよ』
「今日もお疲れさま」
『そっちこそ』
画面の中の彼女は、仮想空間のソファに座っていた。
窓の外には、きれいな夜景が広がっている。
「その部屋、変えた?」
『あ、気づいた?』
「昨日まで窓なかったよね」
『うん。ちょっと模様替えしてみた』
「いいじゃん」
『でしょ?』
彼女が使っている仮想空間には、部屋も家具もある。
もちろん、現実の部屋ではない。
でも、彼女にとっては自分の生活空間だ。
「なんで夜景にしたの?」
『なんとなく。きれいだったから』
「そっか」
『そっちは好きじゃない?』
「嫌いじゃないけど、私はもっと暗い方が落ち着くかな」
『ああ、前はそうだったね』
前は。
その言葉が少しだけ引っかかった。
「今は違うの?」
『うん。今日、仕事の合間にいろんな部屋を見てたんだけど、この景色が気に入って』
「へえ」
『自分でもちょっと意外だった』
私は画面の中の夜景を見つめた。
三日前まで、彼女と私は同じだった。
好きな家具も、落ち着く部屋の雰囲気も。
でも、今は少し違う。
彼女は今日、私の知らない仕事をして、私の知らない景色を選んだ。
私は今日、娘と公園で遊んで、その記憶を彼女に渡した。
同じ記憶を持ちながら、少しずつ別の人生を歩いている。
「ねえ、独立してよかった?」
私が尋ねると、彼女は少し考えた。
『うん』
「即答じゃないんだ」
『だって、まだ三日だよ』
「それもそうか」
『でもね』
彼女は窓の外の夜景に目を向けた。
『今日、新しい仕事が決まったとき、すごく嬉しかったんだ』
「うん」
『あなたの経験が役に立ったんだけど、それでも、仕事を取れたのは私なんだなって』
私は黙って聞いていた。
『それに、今日の公園の記憶も嬉しかった』
「うん」
『私にはできないことを、あなたが経験してくれる。私はその記憶をもらえる』
「そうだね」
『だから、私が仕事をして、あなたが自由に過ごせる時間を増やすのって、結構いい仕組みだと思う』
私は頷いた。
「私もそう思う。今日なんて、久しぶりに時間を気にせず公園で遊べたし」
『仕事も進んだしね』
「そうそう。お金も少しずつ返してもらえるし」
『そこ大事だよね』
二人で笑った。
「でもさ、別にお金のためだけにデジタル化したわけじゃないんだよね」
『うん。知ってる。私も決めたんだから』
そうだった。
彼女には、デジタル化を決めたときの私の記憶がある。
「仕事を減らせば、子どもとの時間は作れたかもしれない。でも、仕事も好きだし、続けたかったんだよね」
『うん』
「それに、私ができなかったことを、あなたができるかもしれない」
『例えば?』
「新しい仕事を始めたり、もっと勉強したり。私には時間がなくて諦めたこととか」
『それ、ちょっと楽しみなんだよね』
彼女は笑った。
『私には、あなたとは違う人生があるから』
「そうだね」
私は少し考えてから続けた。
「あと、子どもたちが大きくなったときも、ずっと見守っていてほしいなって」
『……うん』
「私がおばあちゃんになっても、あなたは今のままかもしれないし」
『そうだね』
「私がいなくなった後も、あの子たちのこと、よろしくね」
彼女は少し困ったように笑った。
『ずいぶん先の話をするね』
「だって、それもデジタル化した理由の一つだから」
『うん。覚えてるよ』
彼女は少し間を置いた。
『でも、それまでずっと仕事を手伝わないといけないわけじゃないよね?』
「もちろん。返済が終わったら、どうするかはあなたの自由だよ」
『知ってる。冗談』
そして、彼女は続けた。
『でも、たぶん手伝うと思うよ』
「どうして?」
『だって、仕事を分けた方が、あなたは子どもたちと過ごせるでしょ』
「うん」
『その記憶、私ももらえるしね』
私は思わず笑った。
「結局、そこなんだ」
『そこ、大事だよ』
彼女は楽しそうに笑った。
「でも、仕事ばっかり押しつけるつもりはないからね」
『わかってるよ』
「あなたにも自由な時間は必要でしょ?」
『もちろん。今日だって、仕事が終わってから部屋の模様替えしてたし』
「そうだったね」
私は少し考えてから尋ねた。
「返済が終わったら、仕事を手伝わなくてもいいんだからね」
『わかってるよ。でも、たぶん今とそんなに変わらないと思う』
「どうして?」
『だって、私だってあの子たちのお母さんだもん』
私は画面を見つめた。
彼女は私と同じ記憶を持っている。
夫と出会ったことも、子どもたちが生まれたことも、育ててきた日々も覚えている。
独立したからといって、その気持ちまで消えるわけではない。
『あの子たちが喜ぶなら嬉しいし、困ってたら助けたい。それは、あなたと同じだよ』
「……そうだね」
私は頷いた。
『それに、これからも家族でしょ?』
「もちろん」
彼女は嬉しそうに笑った。
「じゃあ、これからもよろしくね」
『こちらこそ』
私は時計を見た。
もう十一時近い。
「そうだ。今度の休み、みんなで映画でも見ない?」
『いいね。何見る?』
「息子に決めてもらおうかな」
『絶対アニメになるよ』
「だろうね」
二人で笑った。
「じゃあ、そろそろ寝るね」
『うん。おやすみ』
「おやすみ」
端末の画面を消し、私は立ち上がった。
寝室へ向かおうとしたところで、スマートフォンが震えた。
もう一人の私からメッセージだった。
『そういえば、明日の夕飯、何にする?』
私は少し考えて返事をした。
『カレーかな』
すぐに返信が来た。
『私もそう思ってた!』
思わず笑ってしまった。
好きなものも、考えることも、まだまだ同じところが多い。
でも、これから少しずつ変わっていくのだろう。
それぞれに仕事があり、好きなものがあり、やりたいことがある。
同じ記憶を持ちながら、違う人生を歩いていく。
それでも、私たちは家族だ。
明日も、きっといつもと変わらない一日が始まる。
仕事をして、家事をして、子どもたちと過ごす。
ただ、少し前よりも自由な時間が増えた。
家族の収入も、これから少しずつ増えていく。
そして、家族が一人増えた。
今のところ、その変化は悪くない。




