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(僕の世界は論理(ロジック)だけど、彼女だけは計算できない変数だった。)  作者: Abel Aristides Ferrer


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35/36

齋藤さん、ありがとう。そして、あおいの想いも。

石神家


【父】


「やあ、息子。


生徒会長になったそうだな。」


(……)


よかった。


(……)


新しい挑戦だな。


「うん、父さん。


先生たちに推薦されて、生徒会長を務めることになったんだ。」――アラタ


「そうなると、部活動のことも考えないといけないわね。」――母


「うん。


もう決めたよ。


チェス部の部長はセイジに引き継ぐ。


僕は部員として残るつもりなんだ。」――アラタ


(……)


本当に。


(……)


大人になったな。


(……)


落ち着いた表情だ。


「水泳部や数学オリンピックはどうするんだ?」――父


「生徒会長として、


みんなが過ごしやすい学校にしたいんだ。


部活動も大会も、


もっと活動しやすい環境を作れるように頑張るよ。」――アラタ


「お兄ちゃんらしい考えだね。」――サキ



玄関前


【アラタ】


(……)


みんな。


(……)


僕を見ている。


(……)


いや。


(……)


違う。


「ほら、石神会長だ。」――生徒


「やっぱり石神先輩が生徒会長なんだね。」――一年生


「おはようございます、生徒会長!」――生徒たち


「おはよう。


今日もいい一日にしよう。」――アラタ


【ハル】


「おはよう、アラチン。」――ハル


「おはよう、ハル。」――アラタ


「ねえ。


みんながあなたを見てるの、気づいた?」――ハル


【アラタ】


(……)


前は。


(……)


変わり者として見られていた。


(……)


でも今は。


(……)


違う。


「みんなが。


僕を信頼してくれているんだ。」――アラタ


「それは。


あなた自身が積み重ねてきた結果よ。


私はあなたを本当に誇りに思う。」――ハル




2週間後


【アラタ】


「石神会長。


数学オリンピックの結果が届きました。」――副会長


(……)


もう?


(……)


こんなに早いのか。


(……)


まだ先だと思っていた。


「結果は?」――アラタ


「満点で優勝です。」――副会長


「すごい……。」――会計


「おめでとうございます、会長。」――生徒会役員


(……)


まさか。


(……)


満点なんて。


(……)


思っていなかった。


「みんな、大げさだよ。」――アラタ


「やっぱり会長は謙虚ですね。」――副会長


「石神会長なら納得です。」――役員


「その結果を受けて、


大会本部が決勝大会の開催校をこの学校に決定しました。」――副会長


(……)


この学校で。


(……)


決勝大会が。


「本当に?


そんなことになるなんて……。」――アラタ



【アラタ】


「皆さんにお知らせします。


今年の四月、本校で数学オリンピック決勝大会が開催されます。」――副会長


「この開催が決まったのは、


生徒会長・石神アラタさんの活躍のおかげです。」――副会長


「副会長。


そこまで言わなくてもいいよ。」――アラタ


「いいえ。


みんなには知ってもらうべきです。


石神会長が、この学校に誇りをもたらしてくれたことを。」――副会長


「その通りです。」――生徒会役員一同



「それでは、生徒会長の石神会長から皆さんへお知らせがあります。」――副会長


【アラタ】


「皆さん、おはようございます。


四月二十一日に、本校で国際数学オリンピックの決勝大会が開催されます。


当日は通常授業を行わず、学校全体で大会を盛り上げたいと考えています。


そのため、各クラスには来場者や選手、ご家族の皆さんを歓迎する企画を準備していただきます。


飲食の出店やオリジナルグッズの販売など、それぞれのクラスらしい企画を考えてください。


皆さんの力で、この大会を最高の思い出にしましょう。


ご協力をよろしくお願いします。」



4月21日


国際数学オリンピック決勝大会


【副会長】


(……)


今日は私の役目だ。


(……)


石神会長は選手だから。


「選手の皆さん、ご家族の皆様、


そして大会関係者の皆様、


本校へようこそお越しくださいました。」


「本日は、どうぞよろしくお願いいたします。」


競技会場


【アラタ】


(……)


この景色。


(……)


あの時を思い出す。


(……)


145人中。


(……)


1位だった日。


(……)


そして。


(……)


花田ハル。


(……)


すべては。


(……)


あの日から始まった。


封筒を受け取る。


(……)


席に着く。


(……)


問題は10問。


「試験時間は90分です。」――主催者


(……)


もう1時間。


(……)


あと1問。


(……)


よし。


(……)


終わった。


「提出します。」――アラタ


中庭


【ハル】


「ねえ、どうだった?」――ハル


「うまくできたと思う。」――アラタ


(……)


落ち着いている。


(……)


それが。


(……)


彼の自信。


「それに、


今日の生徒会も本当に素晴らしかったよ。」――ハル


「みんな楽しそうだった。」――アラタ


「そうだね。」――サキ


「本当に最高だったよ、相棒。」


「でも……。」


「こういう時間も、あと少しなんだよな。」――サイト


「サイト君……。


そんなこと言わないで。」――アオイ




【アオイ】


(……)


今年なんだ。


(……)


サイト君の最後の一年。


「ねえ、僕は地元の大学へ進学するつもりだから、


遠くへ行くことはないよ。」――サイト


(……)


よかった。


(……)


本当によかった。


「うん、安心した。」――アオイ


「ほら、大丈夫。


これからも会えるんだから。」――サキ


「そうだね。」――みんな


「ねえ、アラタ。


結果発表は何時なの?」――セイジ


「実は、まだ聞いてないんだ。」――アラタ




6月10日


サイトの誕生日


カラオケボックス


【サイト】


「みんな、来てくれてありがとう。」


「こんな日を欠席するわけないだろ。」――セイジ


「これ……私から。」――アオイ


(……)


何だろう。


「開けてみて。」――ユナ


(……)


写真入りのネックレス。


(……)


僕たち二人の写真だ。


「ありがとう、愛しい人。」


「大切にするよ。」――サイト


「わあ、すごくロマンチック!」――アカリ


(……)


顔が赤い。


「ははっ。


サイトが照れてるのなんて初めて見た。」――セイジ


「よく言うよ。


サキさんの前じゃ、君だって真っ赤になってただろ。」――サイト


「そ、それは言わない約束だろ!」――セイジ


「ハハハ!」――みんな



7月18日(土)


アオイの家


【アオイ】


「こんにちは。」


「いらっしゃい。


サキちゃん、アラタ君。


よく来てくれたね。


アオイはリビングにいるよ。」――ユキタ


「お誕生日おめでとう、アオイ。」――サキ


「ありがとう。」――アオイ


「サイト、もう来てたのか。」――アラタ


「手伝いに来たんだ。」――サイト


(……)


本当に真面目。


(……)


優しい人。


(……)


さすが。


(……)


私の彼氏。


「お誕生日おめでとう!」――ハルたち


「誕生日おめでとう、アオイ。」――セイジ


「みんな。


来てくれて本当にありがとう。」――アオイ


(……)


嬉しい。


(……)


みんなが。


(……)


私の誕生日を祝ってくれる。


「お誕生日おめでとう!」――みんな


「おい、サイト。


キスはしないのか?」――アラタ


「もう、アラチン。」――ハル


(……)


恥ずかしい。


サイトが優しく頬にキスをする。


(……)


温かい。


(……)


胸がいっぱいになる。


「お父さんとお母さんの前なのに……。」――アオイ


「ふふ。


サイト君は本当に紳士ね。」――アオイの母


「ハハハ!」――みんな




8月3日


【副会長】


「会長、決勝大会の結果が届きました。」


【アラタ】


(……)


今、開けるよ。


(……)


えっ……。


(……)


100点満点。


(……)


また満点だ。


「会長、結果はどうでしたか?」――副会長


(……)


どうしよう。


「みんな、聞いてください!」――副会長


「副会長、何をするつもり?」――アラタ


「もちろん、発表します!」


「石神会長が国際数学オリンピックで優勝しました!


つまり、世界一の高校生数学者です!」


「おめでとうございます!」――生徒会一同


「さすが会長!」


「世界一だなんて、すごい!」


「そんなに大げさにしなくてもいいよ。」――アラタ


(……)


ただ。


(……)


数学が好きなだけだから。




【アラタ】


(……)


どんな顔で。


(……)


外に出ればいいんだろう。


「これから大変ですね、会長。」――副会長


「副会長。


あまり会長を困らせないであげて。」――ハル


「ごめんなさい。


嬉しさのあまり、そこまで考えていませんでした。」――副会長


(……)


「大丈夫だよ。


僕は平気だから。」――アラタ


「でも、これからはみんなが会長をもっと頼りにするでしょうね。」――生徒会役員


(……)


大変になりそうだ。


中庭


「ほら、石神会長だ。」――一年生


「やっぱりすごい人なんだね。」


「世界一なのに、全然偉そうじゃない。」


(……)


もう始まった。


「みんな。


落ち着いて、一人ずつ話そう。」――アラタ




学年最後の月


【アラタ】


(……)


サイト。


(……)


もうすぐ旅立つんだ。


「なあ、サイト。


僕たちが同じクラスで過ごしたのは、


たった一か月だったね。」――アラタ


「そうだね。


でも、この二年間は本当にかけがえのない時間だったよ。」――サイト


【サイト】


(……)


セイジ。


(……)


昔の相棒。


「セイジ。


君が戻ってきてくれたおかげで、


昔の思い出を取り戻せたよ。」――サイト


「大げさだよ。


今の僕がいるのは君のおかげなんだから。」――セイジ


(……)


そして。


(……)


僕の大切な人。


「アオイ。


大学に進学しても、


ずっと君のそばにいるよ。


だから泣かないで。」――サイト


「そんなこと言わないで……。


愛しい人。」――アオイ


「みんなとも、


これからもよろしくね。」――サイト


試験結果発表の日


【サイト】


(……)


僕の受験番号。


(……)


XH20045。


「……あった。」


(……)


合格だ。


「受かったよ。」――サイト


「おめでとう!」――みんな


「みんな、どうしてここに?」――サイト


【アオイ】


「おめでとう。


あなたを誇りに思う。」


(……)


本当に。


(……)


誇らしい。


「愛してるよ。


私の大切な人。」――アオイ









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