表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
32/33

新たな感動を胸に、バレンタインデーがやってくる

石神家


チャイムが鳴る。


【アラタ】


(……)


きっと。


(……)


サイトだ。


「母さん、行ってくるね」――アラタ


「ええ、行ってらっしゃい」――母


「おはよう、アラタ」――サイト


「おはよう、みんな。」


「久しぶりだね」――アラタ


「相変わらず口が達者だな、相棒」――セイジ


【アラタ】


(……)


久しぶり。


(……)


みんなに会えて。


(……)


嬉しい。


「みんな、本当に会いたかったよ」――アラタ


「おはよう、みんな。」


「実は、お兄ちゃんが冬休みに新しい経験をしたの」――サキ



玄関の庭


【セイジ】


「サキ。」


「アラタの顔、見てみろよ。」


「ハルを見た瞬間から、ずっとあんな顔してる。」


(……)


あんなに。


(……)


幸せそうな。


(……)


アラタは。


(……)


初めて見た。


「うん。」


「二人とも、すごく嬉しそうだね」――サキ


「まるで、初めて会ったみたいだな」――セイジ


「何言ってるんだよ、セイジ」――アラタ


「ははっ。」


「確かにそう見えるな」――サイト



【アラタ】


「おはよう、ハル。」


「会いたかったよ」――アラタ


「私もだよ、アラチン」――ハル


(……)


アラチン。


(……)


それが。


(……)


彼女だけの。


(……)


呼び方なんだ。


「ふふっ。」


「アラチンって、面白い呼び方だね」――ユナ


【ハル】


(……)


私だけの。


(……)


アラチン。


(……)


ちょっと。


(……)


照れちゃう。


「ハル、落ち着いて。」


「あなたが誰かにこんなに甘える姿、初めて見たわ」――アカリ


「それに。」


「アラタを『アラチン』って呼ぶなんて、可愛いじゃない」――ユナ


【アラタ】


「じゃあ、アラタはハルにあだ名をつけないのか?」――セイジ


(……)


僕は。


(……)


考えたことも。


(……)


なかった。


「ハルは。」


「僕にとって特別な人だから。」


「そのまま『ハル』って呼ぶのが、一番しっくりくるんだ」――アラタ


「ありがとう、アラチン。」


「私にとっても、アラチンは特別な人だよ」――ハル



【アラタ】


「そういえば。」


「サキが『セイジくん』って呼んでるの、結構気に入ってるみたいだよね」――アラタ


(……)


やり返した。


【セイジ】


「お、おい……アラタ」――セイジ


【サキ】


「だって、『セイジくん』って呼ぶの、好きなんだもん」――サキ


【サイト】


「ははっ。」


「今度はアラタの勝ちだな」――サイト


【アオイ】


「みんな、授業始まるよ」――アオイ



先生


「おはよう、みんな。」


(……)


今日から。


(……)


試験期間だ。


「おはようございます。」――みんな


「みんな、しっかり頑張るように。」


(……)


うまくいくといいな。


「アラタ、ちょっと来てくれ。」


「はい、先生。」――アラタ




【アラタ】


(……)


何だろう。


「数学オリンピックの件なんだが。」


「はい。」


「韓国で行われる大会の日程が決まった。」――数学の先生


(……)


韓国?


(……)


てっきり。


(……)


日本でやるものだと。


(……)


思っていた。


「先生、日本で開催されるんじゃないんですか?」――アラタ


「国内選考は日本だ。」


「だが、お前たちが出場するのは国際大会だ。」


「開催地は韓国になる。」――数学の先生


(……)


そういうことだったのか。



「この学校から国際数学オリンピックに出場する生徒は、お前が初めてだ。」――先生


「はい、先生。」――アラタ


「大会期間中に試験が重なっても心配はいらない。」


「学校が特別に受験日を設けることになっている。」――先生


「分かりました。」――アラタ


【アラタ】


(……)


一人じゃない。


(……)


学校も。


(……)


みんなも。


(……)


応援してくれている。




2月14日


バレンタインデー


【ハル】


(……)


今日は。


(……)


本当に。


(……)


特別な日。


(……)


初めて。


(……)


こんな気持ちになった。


「ねえ、ハル、大丈夫?」


「どうして泣いてるの?」――アカリ


「今までだって、たくさんプレゼントはもらってきた。」


「でも、今年は違うの。」――ハル


(……)


本当の友達。


(……)


そして。


(……)


アラチン。


「そうだね。」


「気づいてた?」


「アラタが、知らないうちに私たちを一つにしてくれたんだよ。」――ユナ


「うん。」


「ハッピーバレンタイン。」


「みんな、これが私からのチョコレート。」――ハル


「ありがとう。」


「これは私から。」――アカリ



【アラタ】


(……)


初めて。


(……)


貯金を使って。


(……)


プレゼントを買った。


(……)


でも。


(……)


みんなには。


(……)


その価値がある。


(……)


いつも。


(……)


僕のそばにいてくれたから。


(……)


そして。


(……)


これは。


(……)


僕の女王様へのプレゼント。


「おはよう、みんな。」――アラタ


「おはよう!」――みんな


「ハッピーバレンタイン!」


「これ、みんなへのチョコレートだよ。」――アラタ


(……)


そして。


(……)


これは。


(……)


君へのプレゼント。


「ハル。」


「人生で一番つらかった時、ずっと僕のそばにいてくれた。」


「ありがとう。」


「これは君へのプレゼント。」――アラタ


「ありがとう、アラチン。」


「これは私から。」――ハル


【ハル】


(……)


気に入ってくれると。


(……)


いいな。


(……)


心を込めて。


(……)


作ったんだ。


「すごく気に入ったよ。」――アラタ


「ありがとう、アラタ。」


「ありのままの私を受け入れてくれて。」――ハル




【セイジ】


(……)


気に入って。


(……)


くれるといいな。


「サキ。」


「手作りだから、あまり上手じゃないけど。」――セイジ


「気に入ってくれると嬉しい。」


「セイジ。」


「これ、あなたが作ったの?」――サキ


【セイジ】


(……)


まずかったかな。


「う、うん。」――セイジ


「ごめん。」


「お店で買ったほうがよかったかな。」


「ううん。」


「セイジの家なら、買うことだってできたはず。」


「それでも、私のために作ってくれたんでしょう?」――サキ


(……)


食べてみよう。


パクッ。


(……)


おいしい。


「すごくおいしいよ。」


「ありがとう、ダーリン。」――サキ



【サキ】


「セイジ。」


「これ、君へのプレゼント。」――サキ


(……)


きっと。


(……)


気に入ってくれる。


(……)


そう信じてる。


「わあ。」


「僕たちのイニシャルが入ってる。」――セイジ


「気に入った?」――サキ


「もちろん。」


「すごく嬉しいよ。」


「こういうところ、本当にサキらしいね。」――セイジ


「ありがとう、愛しい人。」――セイジ




【ハル】


(……)


アラタ。


(……)


さっきから。


(……)


どこか。


(……)


上の空だ。


「ねえ、アラタ。」


「どうしたの?」――ハル


「お兄ちゃん、なんか変だよ。」――サキ


「実は。」


「三月に数学オリンピックで韓国へ行くことになったんだ。」――アラタ


【ハル】


(……)


そういうこと。


(……)


心配してたんだ。


「私も行くよ。」――ハル


「でも、ハル。」


「君の試験は?」――アラタ


「学校に延期をお願いする。」


「だから心配しないで。」――ハル


「アラタ。」


「これ、みんなから。」――サイト


【アラタ】


(……)


また。


(……)


プレゼント。


「ありがとう。」


「みんな。」――アラタ


(……)


涙が。


(……)


あふれる。


「どうして泣いてるの、アラチン?」――ハル


「嬉しいんだ。」


「こんな日が来るなんて、思ってもみなかった。」――アラタ


「アラタ。」


「君が私たちに心を開いてくれたから。」


「今の私たちがいるんだよ。」――アカリ


「みんな。」


「僕の大切な一部になってくれて、本当にありがとう。」――アラタ










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ