恋を彩る雪
12月23日(金)
【先生】
(……)
今日から。
(……)
冬休みだ。
(……)
本当に。
(……)
いいクラスになった。
「みんな、冬休みを楽しんでね」
「起立。礼。」
みんなが頭を下げる。
(……)
礼儀正しい。
(……)
本当に。
(……)
いい生徒たちだ。
(……)
石神くんは。
(……)
来年。
(……)
韓国へ行く。
(……)
数学オリンピック。
(……)
きっと。
(……)
素晴らしい結果を残してくれるはず。
【アラタ】
(……)
一日一日が。
(……)
去年とは。
(……)
違う。
「どうしたの、アラタ?」――ハル
「いや。」
「今年はいろんなことがあったなって思ってさ」
(……)
こんな一年。
(……)
初めてだった。
「うん。」
「私にとっても、特別な一年だったよ」――ハル
【ハル】
(……)
人気者だった頃。
(……)
あの頃とは。
(……)
違う。
(……)
今は。
(……)
本当の友達がいる。
「全部、あなたのおかげだよ、ダーリン」
「僕を変えてくれたのは、君だよ」――アラタ
(……)
気づいてないんだね。
(……)
自分が。
(……)
どれだけ変わったか。
(……)
本当に。
(……)
謙虚な人。
「そんなところに、私は恋をしたんだよ」
学校の校庭
【サイト】
「みんな、24日の夜、カラオケに行かない?」
「いいね!」――シンタ
「ところで、シンタは誰と行くの?」――アカリ
「えっ? もちろん君と……」
「えっ? 私、シンタを誘った覚えないけど?」――アカリ
「ひどいな、それ!」――シンタ
「ふふっ、冗談だよ。」
「ちゃんと一緒に行こうね」――アカリ
「びっくりした……」――シンタ
「じゃあ、24日の夜に集合ね」――ハル
【アラタ】
「ハル。」
「僕たちの特別な場所へ行こう」
「うん、今行こう」――ハル
(……)
二人きりで。
(……)
一緒にいたい。
「僕も。」
「君と一緒にいたい」
「じゃあ、行こう」――ハル
「お兄ちゃん、待って!」――サキ
(……)
「どうしたの、サキ?」
「今日、セイジの家で夕飯を食べるって、ママに伝えておいてくれる?」――サキ
「うん、わかった」
「ありがとう」――サキ
【ハル】
(……)
そうだ。
(……)
先に。
(……)
アラタの家に寄らなきゃ。
「一度、アラタの家に寄ろう」
「ハル、本当に気にならない?」――アラタ
「うん、全然平気だよ」
【アラタの家】
「こんにちは、お母さん」
「こんにちは、ハルちゃん」
「元気だった?」――アラタの母
「はい、元気です」
「サキは今日、セイジさんの家で夕飯を食べるそうです」
「教えてくれてありがとう」――アラタの母
(……)
本当に。
(……)
優しい家族だ。
「僕たちはケーキ屋さんに行ってくるね」――アラタ
「もし遅くなったら、ハルちゃんはサキの部屋に泊まってもいいからね」――アラタの母
(……)
泊まる。
(……)
お父さんとお母さん。
(……)
何て言うかな。
「じゃあ、あとで両親に連絡してみるね」
12月24日
午後11時30分
【アラタ】
(……)
バレる。
(……)
絶対に。
「やあ、お兄ちゃん」
「ハル、お兄ちゃんの家に泊まってたんでしょ?」――サキ
「余計なこと言うなよ、サキ」
「やあ、みんな!」
「元気?」
「ねえ、ハル。ユナと一緒に家まで行ったんだけど、いなかったよ」――アカリ
(……)
やっぱり。
(……)
バレた。
「昨日はアラタの家に泊まってたの」――ハル
「もう遅かったから、ご両親が泊まっていきなさいって言ってくれたの」
「へえ。」
「そういうことだったのか」――セイジ
「な、何だよ」
「ははっ。」
「冗談だよ、相棒」――セイジ
(……)
みんな揃った。
(……)
あと少し。
5。
4。
3。
2。
1。
「メリークリスマス!」――みんな
【ハル】
「ねえ、ダーリン」
「これ、君へのクリスマスプレゼントだよ」
(……)
気に入って。
(……)
くれるといいな。
「ありがとう、ハル」――アラタ
(……)
開けてる。
(……)
ドキドキする。
「電子手帳だ」
「ありがとう、ハル」――アラタ
(……)
よかった。
(……)
気に入ってくれた。
「今度は僕から」
「ハル、これが君へのクリスマスプレゼントだよ」――アラタ
【アラタ】
(……)
気に入って。
(……)
くれるかな。
「きれい……」
「青い紫陽花のチャームがついたネックレス」
「ありがとう、アラタ」――ハル
「気に入ってくれた?」――アラタ
(……)
言葉が。
(……)
出ない。
「すごく気に入ったわ」
「つけてくれる?」――ハル
(……)
少し。
(……)
緊張する。
「ありがとう、ダーリン」
「とても素敵よ」――ハル
チュッ。
(……)
彼女の唇が。
(……)
僕の唇に重なった。
【サイト】
「アオイ。」
「これ、君へのクリスマスプレゼントだよ」
「白い手袋……。」
「ありがとう、ダーリン」――アオイ
(……)
その笑顔。
(……)
それだけで。
(……)
十分だった。
「今度は私から」
「何を贈ろうか、すごく迷ったんだけど……」
「気に入ってくれたら嬉しいな」――アオイ
(……)
マフラーだ。
「アオイ。」
「これ、自分で編んでくれたの?」――サイト
「うん。」
「愛情を込めて編んだの」――アオイ
(……)
世界に一つだけ。
(……)
僕だけの。
(……)
宝物だ。
「ありがとう、アオイ」
「すごく気に入ったよ」
「とても似合ってるわ」――アオイ
「うん。」
「本当に似合ってるよ」
【アカリ】
「ねえ、シンタ。」
「ごめんね。」
「プレゼント、用意できなかったの」
(……)
私のせいだ。
「僕もプレゼントはないけど」
「君に伝えたいことがあるんだ」――シンタ
(……)
何だろう。
(……)
すごく。
(……)
緊張してる。
「アカリ。」
「僕は君のことが大好きなんだ」――シンタ
(……)
沈黙。
(……)
えっ。
「私も。」
「シンタのこと、大好きだよ」
「アカリ。」
「僕と付き合ってくれませんか?」――シンタ
(……)
まさか。
(……)
こんな日になるなんて。
「もちろん。」
【セイジ】
(……)
今日は。
(……)
特別な日だ。
「サキ。」
「これ、君へのクリスマスプレゼントだ」
「それと。」
「君に伝えたいことがある」――セイジ
(……)
頑張れ。
「ありがとう、セイジ」――サキ
「何を話したいの?」――サキ
【サキ】
(……)
少し。
(……)
緊張してる。
「サキ。」
「ここでもう一度約束する。」
「これからも、ずっと君のそばにいる。」――セイジ
(……)
涙が。
(……)
止まらない。
「セイジ。」
「今度は私から。」
「これ、君へのプレゼント」――サキ
【セイジ】
(……)
何だろう。
(……)
帽子だ。
「ありがとう、サキ」――セイジ
「セイジ。」
「私も約束する。」
「これからも、ずっとあなたを支えていくわ。」――サキ
(……)
胸が。
(……)
熱くなる。
「サキ。」
「僕に優しくしてくれて、本当にありがとう。」――セイジ
【アラタ】
(……)
時間が過ぎた。
(……)
しばらく。
(……)
みんな。
(……)
どうしてるかな。
(……)
ハルは大阪へ帰った。
(……)
みんなも。
(……)
それぞれの家で過ごしている。
「お兄ちゃん、なんだか寂しそうだね」――サキ
「うん。」
「今年の冬休みは。」
「今までと違う気がする」
(……)
どう説明したら。
(……)
いいんだろう。
(……)
こんな気持ち。
(……)
初めてだから。
「だって。」
「今のお兄ちゃんにとって。」
「その絆は、本物なんだもん」――サキ
(……)
もっと。
(……)
深い。
(……)
みんなは。
(……)
もう。
(……)
僕の一部なんだ。
「みんなは、もう僕の一部なんだ」
(……)
この空っぽな感じ。
「お兄ちゃん。」
「みんなの心は、いつもお兄ちゃんのそばにあるよ」――サキ
LINEの通知。
『あけましておめでとう、ダーリン。
お正月は楽しく過ごせた?
早く会いたいな。
いつもそばにいてくれて、ありがとう。』――ハル
(……)
なんて。
(……)
温かいんだろう。
『あけましておめでとう、ハル。
ご家族のみなさんにも、よろしく伝えてね。
僕もすごく会いたい。
愛してる。』――アラタ




