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色とりどりの秋がやってくる

10月 第2月曜日


アラタ


体育祭が近づいている。


(……)


毎年恒例のお祭りだ。


「おはようございます、石神さん」――生徒会長


「おはようございます、会長」――アラタ


「石神さんは赤組です」


「種目は二人三脚、障害物競走、そして水泳になります」



(……)


最高だ。


(……)


さらに。


チェス盤を手に入れた。


十五人いる。


「メンバーたちに挑戦するために、さらにチェス盤を手に入れたんです」――生徒会長


「そうですか」――アラタ


「ほとんど揃いましたけど、あと一つ足りないんです」――生徒会長


(……)


公平を期すために。


(……)


僕は参加しないほうがいい。


「まあ、それでいいですね。僕は参加しません」――アラタ


「そうですか」


「それなら、地域チャンピオンを倒すのは誰になるんでしょうね」――生徒会長



【生徒会長】


面白いわね。


(……)


「見て、副会長」


「石神君と花田さんよ」


「本当に仲のいいカップルね」――生徒会長


「二人三脚のペアは決まったの?」――副会長


「もちろん」


「次はあの二人よ」――生徒会長


「5!」


「4!」


「3!」


「2!」


「1!」


「スタート!」


【ハル】


ドキドキする。


(……)


勝ち負けなんてどうでもいい。


(……)


ただ。


あなたの隣にいたい。


「アラタ、順調だね」



【アラタ】


胸がドキドキする。


(……)


ハルの顔が近い。


(……)


顔が真っ赤だ。


その時。


バランスを崩した。


「わっ!」――ハル


「危ない!」――アラタ


ドサッ。


(……)


えっ。


(……)


柔らかい。


チュッ。


(……)


僕の唇と。


(……)


僕の最愛の人の唇が重なっていた。


【ハル】


(……)


頭が真っ白になる。


(……)


アラタ。


(……)


大好き。


チュッ。


もう一度。


彼の唇に触れた。


「アラタ……なんて甘いんだろう」――ハル


【生徒会長】


「えっ?」


「石神君が花田さんにキスした!」


――生



「最下位だった!」


「でも、愛の勝利だね」――副会長


「次は障害物競走よ」――会長


「副会長、この競技では出場者に最後の課題が与えられるんでしたよね?」――実況


「そうよ」


「参加者ごとに極秘の追加課題があるわ」


「今年のテーマは『秋』よ」――副会長


「それでは、準備はいい?」


「スタート!」――会長


【斎藤】


(……)


先頭だ。


「斎藤がトップを走っている!」――実況


「おっと!」


「『秋の想い』と書かれた紙を引いたわ!」――副会長


「副会長、その課題は?」――実況


「うふふ」


「マイクで好きな人の名前を言うことよ」――副会長


【斎藤】


(……)


何だこれ。


(……)


まあ。


いいか。


マイクを手に取る。


「まさか」


「告白するつもり?」――会長


「愛してる!」


「志原葵!」――斎藤


一瞬。


静まり返る。


「きゃあああ!」――女子たち


「面白いわ!」


「見て、志原さんが走ってる!」――会長


【葵】


(……)


もう我慢できない。


「サイト!」


勢いよく彼に抱きつく。


「志原さんが斎藤君に抱きついた!」――会長


「青春ねぇ」――副会長



会長


「さて、昼休みの後は、チェス部の連中が彼を待ち構えて勝負を挑むわよ」


(……)


「会長、ナディじゃ石神に勝てるわけないよ」――みんな


「がっかりしないで。石神は参加しないから」――会長


(……)


あまり盛り上がっていない。


(……)


どうすればいい?


「みんな、田弥良誠二に勝った人には、私とのデートをプレゼントするわ」


「それって不公平じゃない?


女の子たちにも悪いわよ」――アカリ


アラタ


観覧席へ上がる。


「もし女の子が田弥良誠二に勝ったら、塩田俵とデートできるわ」


「まあ、難しいと思うけど」――会長


(……)


誠二は三位だった。


シオタ


「キャプテン、なんで僕なんだよ」


「落ち着け。


誠二に勝てる奴なんていないさ」――アラタ


(……)


確かに。


「キャプテン、アカリを見て」――シオタ


(……)


まさか。


「追い詰めてるぞ」――アラタ


「よし、そのままだ。


誠二を仕留めろ」


セイジ


「アカリ、君は本当に強いのか?


それとも、あいつとデートしたいのか?」


「小さい頃から、お父さんと指してたの」――アカリ


なるほど。


(……)


強い。


「シオタ、ごめん。


アカリが強すぎて、手加減してくれなかったみたいだ」――アラタ


「ああ、見てたよ」――シオタ


「優しい子だね」


「それじゃ、アカリ。


一緒にミツリ祭に行こう」――シオタ


「いいよ。

別に構わないわ」――アカリ


「私は好きな人と行くから」――ユナ


「じゃあ、向こうで会おう」――アラタ



10月22日


アラタ


相変わらず、この香りだ。


(……)


「おはよう、息子。よく眠れたかい?」――母


「うん、母さん。母さんは元気?」――アラタ


(……)


「おはよう、父さん」――アラタ


「やあ、チャンピオン」――父


(……)


「相変わらず落ち着いてるね、弟」――サキ


「おはよう、姉ちゃん。そう見えるならね」――アラタ


10月22日

【アラタ】


相変わらず、この香りだ。


(……)


「おはよう、息子。よく眠れたかい?」――母


「うん、母さん。母さんは元気?」


(……)


「おはよう、父さん」


「やあ、チャンピオン」――父


(……)


「相変わらず落ち着いてるね、弟」――サキ


(……)


そう見えるのか。


「おはよう、姉ちゃん。そう言えるならね」


「ねえ、兄ちゃん。私たち、お姉ちゃんの家に集まるんだ」――サキ


(……)


なんでだ?


(……)


彼女を困らせるためか。


「彼女を困らせるためだろ?」


「違うよ。

お祭りのこと忘れたの?」――サキ


(……)


時代祭り。


「もちろんパレードを見に行くに決まってるじゃない」――サキ



午後7時


【ハル】


「アカリ、芸者姿が似合ってるね」――ハル


(……)


「みんな、本当に素敵だよ」――ユナ


(……)


男子たちがやって来る。


(……)


アラタだ。


(……)


やっぱり。


(……)


かっこいい。


「やあ、みんな」――アラタ


「やあ、ハル。すごく綺麗だね」――アラタ


(……)


顔が熱くなる。


「アラタもね」


「その侍姿、すごく似合ってるよ」――ハル



【アラタ】


「パレードに参加しようよ」――斎藤


(……)


もうすぐだ。


(……)


人が多い。


(……)


いつもより騒がしい。


「ねえ、私がいるよ」


「みんなもいるから」――ハル


(……)


安心する。


(……)


ハルの声だ。


「こういうのは初めてなんだ」――アラタ


(……)


少し緊張する。


「大丈夫だよ、アラタ」――ハル


「君ならできる」――斎藤


「みんなで一緒に行こう」――みんな



(……)


大丈夫だ。


(……)


みんながいる。


「みんな、終わったらたこ焼きを奢るよ」――アラタ


「じゃあ、私たちは飲み物とデザートを用意するね」――ハル


10月22日

午後10時15分


【セイジ】


「今、この瞬間が本当に幸せだ」


「ほら、セイジ。涙を拭いてあげる」――サキ


「相変わらず優しいね」――セイジ


【アオイ】


素敵だな。


(……)


こんな日が来るなんて。


「ねえ、私のサムライ」


「すごく素敵だよ」――アオイ


「アオイ」


「君は相変わらず綺麗だね」――サイトウ



【ユナ】


「来てくれてありがとう、ユイシ」


「君のためなら、このくらい当然だよ」――ユイシ


(……)


大丈夫。


【ハル】


(……)


私の侍。


(……)


やっぱり。


(……)


優しい人だ。


「愛してるよ、アラタ」――ハル


「僕も愛してるよ」


「大切な人」――アラタ


【アカリ】


「このたこ焼き、すごく美味しいね」――アカリ


「それに、君もすごく綺麗だよ」――シワラ


(……)


えっ?


(……)


私が?


(……)


綺麗?


「何言ってるのよ」――アカリ





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