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23/31

今は内側から君を見つめている

火曜日


【ハル】


「ハル、最近前より元気になったわね」――母


(……)


そうかも。


(……)


このグループの温かさ。


(……)


今まで経験したことがない。


「だって、今は元気だから」――ハル


「お姉ちゃん、


それって石神のおかげでしょ」――兄


(……)


石神。


「グループのみんなのおかげだよ」――ハル


(……)


否定はしない。


(……)


でも。


(……)


新太くんも、


その一人だ。


「あ、何か言い忘れてた」


(……)


何だったかな。


(……)


今日は火曜日。


「どうしたの、ハル?」――母


「あ、今日は2回戦なんだ」


「頑張れ、妹よ……恋で」――兄


(……)


何言ってるの。


このバカ。


「試合で、だよ」――兄


「ふざけないで」


「それで?」


「石神のこと、もう考えた?」


(……)


石神くん。


(……)


なんでそこで、


新太くんの名前が出てくるの。


バスの中


「ねえ、あの曲何だったの?」――アカリ


思い出かな。


(……)


それとも。


もっと何か。


「私、ダメだった?

それとも私のこと好きじゃなかった?」――ユナ


「そんなことないよ、ハル。

すごく綺麗で切なかった」――ユナ


「それに、まるで石神との話みたいだったわ」――アカリ


(……)


いつも核心を突くのね。


(……)


もう否定しない。


「ありがとう、みんな」


「どういたしまして」――ユナ


「そういえば、

次の試合はマンチェスター校よ」――アカリ


マンチェスター校。


(……)


私の前の学校。


「大丈夫?」――ユナ


(……)


大丈夫。


あの頃とは違う。


(……)


あの学校では、


みんな私を知っていた。


(……)


でも。


(……)


本当の私を知っている人はいなかった。


「もし勝ったらごめんね」――アカリ


(……)


違う。


(……)


謝る必要なんてない。


(……)


これは区切りだから。


「ううん。

全力で戦おう」――ハル


「それでこそハルね」――ユナ


「今日は混合卓球の試合もあるわよ」――ユナ


(……)


彼のそばにいたい。


(……)


どうしてだろう。


(……)


気になるから。


(……)


ずっと。


(……)


気になっていたから。


アラタ。


(……)


好きだよ。


「じゃあ、みんなで応援に行こう!」――アカリ



学校の門


セイジ


「やあ、みんな」


「おはよう、セイジ」――ユナ、アカリ、ハル


「もしかして、サキを待ってるの?」――アカリ


この女……


(……)


いつも要点を突いてくる


「ああ、あっちから歩いてくるよ」――セイジ


「おはよう」――アラタ


「おはよう、石神」セイジ


「じゃあ、卓球の練習で会おう」サイト



卓球の試合


セイリュウ対サイトマ


アラタ


相手チームのサーブ


(......)


行け、行け


行ったり来たり


(.....)


ルナがスマッシュ


ポイント


1対0



「イシガミ、レシーブ」——ルナ


「はい」


(......)


サーブを返す


(.....)


なんてポイント


第1セット


21対18


「イシガミ、カウント」 — ルナ


「うん、21対18」


「イシガミ、調子いいね」 — ルナ


「うん、すごく激しかったね」


僕のサーブ


(.....)


なんてサーブだ


.......


「ルナ、また長いラリーになりそうだ」


「そうね、18対17だわ」ルナ


勝つために強打を打ってみよう


(......)


「もう少し強気にいこう」


「よし、それならできると思う」—ルナ


相手のサーブ


(.....)


ルナがサーブを返す


さあ、次は


スマッシュ


(......)


入った


(....)


ポイント


また


相手サーブ


ボールが


ネットにかかった


ポイント


20 -18


「ルナ、大きく開いたクロスを出せ」


「了解」 ルナ


サーブ


ボールがこっちに来る


ミス


20 -19


「石神トラヌイロ」 ルナ


相手がサーブ


(.....)


応援団がこっちに来る


シュート


ゴール


「勝った、もう限界だ 」



「よくやった、みんな」 チーム


拍手と歓声が響き渡る。


「いいプレーだった、ルナ」 観客


「愛してるよ」 観客


彼女の彼氏が駆け寄ってくる。


そして彼女を抱きしめる。


【ハル】


(……)


仲がいいんだな。


アラタが降りてくる。


少し疲れているみたい。


(……)


本当に頑張ったんだ。


私は駆け寄った。


そして。


抱きしめた。


「約束を守ってくれてありがとう、ハル」――アラタ


「ううん。


アラタくんが頑張ったからだよ」――ハル



火曜日 午後7時


試合


セイル対マンチェスター学院


【ハル】


いよいよだ。


(……)


この時が来た。


(……)


大切な試合。


(……)


一つの区切りをつける時だ。


「みんな、勝とう」


「コートで全力を出し切ろう」――シオ


「行こう、行こう、セイル!」――みんな


観覧席から声が聞こえる。


「ハル、君ならできるよ」――アラタ


(……)


見てくれている。


心臓が高鳴った。


「ハル、今日はいつもより元気だね」――ユナ


「うん、ありがとう」


試合開始。


マンチェスターのサーブ。


サキがレシーブ。


トス。


スパイク。


ポイント。


(……)


試合は続く。


第1セット。


25-19。


セイルの勝利。


「みんな、その調子で続けよう」――監督


「次も取るよ!」――アカリ


その時。


相手コートから声が聞こえた。


「花田、前より上手くなったわね」――元チームメイト


(……)


そうかな。


「ハル、気になる?」――ユナ


(……)


違う。


彼女たちは知らない。


(……)


あの頃の私を。


(……)


いつも誰かの期待に応えようとしていた私を。


(……)


プレッシャーに押し潰されそうだった私を。


でも。


(……)


今は違う。


「全然気にしてないよ」――ハル


「頑張れ、ハル! 君ならできる!」――アラタ


(……)


聞こえた。


アラタくんの声。


(……)


大丈夫。


(……)


今は一人じゃない。


それに。


(……)


あなたもいる。


(……)


いつも励ましてくれる。


この試合は。


(……)


私自身のために戦う。


そして。


(……)


少しだけ。


あなたのためにも。


第2セット


【サキ】


試合は続く。


サーブ。


ラリー。


どちらも譲らない。


15-14。


相手のサーブ。


(……)


難しい。


前へ飛び出す。


床に飛び込んだ。


ボールが上がる。


「ナイスレシーブ!」――チームメイト


(……)


間に合った。


スタンドから声が聞こえる。


「頑張れ、サキ!


今の最高だった!」――セイジ


(……)


聞こえた。


セイジくんの声。


(……)


ずっと。


(……)


見ていてくれたんだ。


胸が少し熱くなる。


(……)


負けられない。


もう一度構える。



中央へ鋭いボールが飛んでくる。


【サキ】


(……)


私だ。


胸元へ来る。


一歩下がる。


ボールを受ける。


そして。


パスを上げた。


(……)


繋がった。


アカリとユナが跳ぶ。


ブロック。


ポイント。


「ナイス!」――チームメイト


(……)


よかった。


私は床に座り込んだ。


「大丈夫、サキ?」――ハル


ハルが手を差し伸べる。


私はその手を取った。


「うん、大丈夫」


立ち上がる。


「リベロ交代!」――監督


コートの外から拍手が起こる。


(……)


嬉しい。


(……)


少しだけ。




【ハル】


スコアは16対14。


ユナのサーブ。


(……)


ネットを越える。


アカリがレシーブ。


シオがトスを上げる。


スパイク。


ポイント。


17対14。


「その勢いでいこう!」


「このまま行こう、みんな!」――シオ


「さあ、2セットで勝てるよ!」――ユナ


試合は続く。


20対18。


「あと数ポイントだ」――ハル


「あと少しだ」――ユナ


23対22。


(……)


勝負が近づいている。


(……)


もう限界。


24対23。


(……)


なんて試合だ。


ラリーが続く。


相手のロングボール。


ユナとシオが跳ぶ。


ボールが高く上がる。


(……)


あと1点。


(……)


あと1セット耐えればいい。


「セイル、マッチポイント!」――審判


会場が沸く。


相手のサーブ。


ボールが飛んでくる。


アカリがレシーブ。


シオがトスを上げる。


最後の攻撃。


スパイク。


ボールがコートに落ちる。


ポイント。


「試合終了!」


「セイルの勝利です!」


(……)


勝った。


(……)


本当に。


(……)


勝ったんだ。


歓声が響く。


みんなが喜んでいる。


ユナが笑っている。


アカリも飛び跳ねている。


(……)


終わった。


(……)


やっと。


一つの区切りがついた。


マンチェスター。


(……)


昔の私。


(……)


さようなら。


視界が滲む。


心臓が高鳴る。


(……)


行く。


私は走った。


その時。


突然。


誰かの腕の中にいることに気づいた。


(……)


温かい。


ゆっくり目を開く。


(……)


アラタ。


「僕も君のためにいるよ」――アラタ


(……)


どうしてだろう。


涙が溢れる。


止まらない。


(……)


嬉しい。


(……)


ただ。


嬉しかった。



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