9-151 複数の呪文
「複数の呪文の同時詠唱を求められるようにはなっていくから、そこはちょっと難しいかも?」
・複数の呪文を
・同時詠唱
待て。
シルバーソーンさん、呪文、口に出してなかったよな。
複数の呪文の同時詠唱を無詠唱でしてたってこと。
か?
「あ、来た来た」
真ん中にある細長い筒……前世知識で言うところの、エレベータに近い何か、だろうけど。シルバーソーンさんも、ここから出ていらっしゃったし。
とりあえず。
背筋を伸ばして、いらっしゃる方々をお出迎えしよう。それしか私には、できることがない。
「ブロッサムさん!」
あ。
「トーチライトさん!」
良かった……知ってる人だ。
「お前は、馬鹿か」
「コールズさん!」
「コールズくん、それは言い過ぎだと思うよ」
「なんであんたがここに」
同じことを、私も思わないでもないですけど。
「本当にブロッサムなんだな」
「あ、シーカーさん!」
転生者組合の、第三支部支部長、第三支部副支部長、第一支部支部長が揃った。心強い。
「調停者さま。お久しぶりです」
トーチライトさんが、シルバーソーンさんにお辞儀。今日はドレス姿ではなく、第三支部の時によく見た、仕事着的な装いをされていらっしゃる。
調停者、という称号的なものについては、いったん、忘れよう。
「シーちゃんから連絡があったのかな?」
「はい。ブロッサムさんが、あの……」
私を困った様子でちら見してる。
多分、〈マインド・リンク〉で連絡がいったんだろうな。
「言って頂いても、大丈夫です」
はい。なんとなく、想像はつく。
「何かをするかも、と」
……予測してたんなら、直接、私に言ってくれ。叡智の魔女。




