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9-148 この場所自体は
この場所自体は、ドーム球場的な建物の中っぽいのは分かるけど、見上げても天井は見えず。塔の上の方も、暗くて見えない。
ただ。
「明るく感じます。光っているものが何もないように見えるのに」
「さっきのところを抜けると、この中が見えるようになるんだよ。図書院の中心部にいる間だけ有効な、呪文が働いている、と思ってもらえたらいいかな」
なるほど。
「あの塔が、王立図書院の中枢。研究所、と呼ばれてるところだね」
研究所。
「そんなところに、私が行ってもいいんでしょうか?」
恐れ多い。
「大丈夫なんじゃない? シーちゃんが行けって言ったんだし、私もいるし」
ゆっくり、私の歩く速さに合わせて、シルバーソーンさんは歩いてくれている。
「この橋の床も、動く床だけど、平気そう?」
「はい、それは、あの、なんともないです。はい」
普通に歩いている感じしかしない。
「橋の中心に、線があるのが分かる? 溝みたいな、細いの」
むーん?
溝?
「あ、ありますね」
床は黒くて、溝も黒い。溝の方が、少し濃い黒、という雰囲気。
「結線すると、一気に向こうまで行けるんだけど、さすがに、どうかな。やってみる?」
結線か。
女は度胸。
「はい。では。あ、あのー、離れたまま結線しますので」
先にお伝えしておこう。
「え?」
結線。うん、できた……。
た?




