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マシロの頭痛

 マシロはここの所頭痛に悩まされていた。

 頻度が日に日に上がっており、日常生活にも支障をきたす程だった。


(何なんだろ……この頭痛。 どうにか出来ないかな?)


  この頭痛を何とかしようとしたが打つ手は無いに等しかった。 ラスクやライズに相談しても心配され余計に酷くなる事は目に見えて明らかだった。


(クロエちゃんなら何か知ってるかな? でも会えないしどうしようもないから。それに、あの夢で、もうすぐ会えるって言ってたからその時にでも聞こうかな)


  自室のベッドに腰掛けてる状態からおもむろに立つとクローゼットを開ける。中にはフリルのついた白いワンピースや赤と黒が入り混じったスカートなどが並んでいた。

  マシロはそれらを手に取ると今着てる服の上に重ねてみる。視線を落として似合うかどうかを確認する。満足気に頷くと手に取った衣装に着替える。マシロが手に取ったのは白のロングTシャツと赤と黒が入り混じったスカートだった。


「……うん、良いね。つっ……!!」


  不意に頭痛に襲われ、堪らず片膝をつく。

 頭を押さえるが気休めにもならなかった。が、それしかマシロには出来なかった。


「ぐっ……、うぅ……、うぁ」


  痛みに耐えるかのように歯を食い縛り声を圧し殺す。 しばらく痛みに耐えた後、ようやく痛みが収まり出した。


「はぁ……はぁ……っっ、一体いつまで続くの」


  頻度が上がるに比例して痛みも上がる頭痛に途方もない苦痛を感じていた。おもむろに片膝を立て、手に持ってる衣服に着替え始める。ゆらりとした動作だがスラスラと着替えていく。ワンピースを脱いでマシロの白い肌が露わになる。 身体つきは年相応と言った所だ。着替え終わって、ぐるりと一回転してみる。スカートがフワリと浮いて下着がチラッと見える。


「……とりあえずこれで良いかな。

 ちょっとゆっくりしてようかな」


  一息ついてベッドに寝そべる。

 ベッドがマシロの身体の形にくぼむ。

 それと同時にマシロの頭の中で様々な思いが駆け巡った。


  自分は何者なのか、自分の力は何なのか、クロエは何者なのか、何故自然と惹かれ合うのか、考え出したら歯止めが効かなかった。


(考えたって仕方ないけど、やっぱ考えちゃうな。まだ私は自分の事ですら満足に理解してないんだ。最近は夢で過去の記憶?が少し垣間見れてるから少しずつ分かってきてる)


「私、クロエちゃんと一緒に遊んでたんだなぁ……」


  夢の記憶の中でも特に印象に残ってる場面を思い浮かべる。周りは草原で、そこで二人が追いかけっこをしてるほのぼのとした場面だった。不意にマシロの表情が曇る。

 一層クロエに会いたい気持ちが強くなってそれに焦がれたからだ。


「会いたいなぁクロエちゃん……でもどこに居るんだろう……」


  会いたいが場所が分からないためこれもどうする事も出来なかった。胸が締め付けられるような感じがする。胸に引っかかる思いもある。


「クロエちゃんは私の大切な人のような気がする。 でも、何だったかな? そこが思い出せない」


  もやもやする感情に苛まれ、イライラも募っていく。が、それを振り払い、考えるのもやめる。


「私は、何があっても自分の事は受け止めたい……自分の事だから」


  自分に言い聞かせるように呟いた。

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