第34話 獅子宮第二階層 力を失った獅子
黒鉄の騎士人形が、一歩を踏み出した。
ズン――。
重い足音が、石造りの広間を震わせる。
俺は台座へ向かって走っていた。
いや。
走っているつもりだった。
脚が思うように前へ出ない。
筋力を極端に制限された身体では、普段なら意識する必要すらない動作にも時間がかかる。
膝を持ち上げる。
足を前へ運ぶ。
床を踏み、次の一歩へ繋げる。
それだけの動作で、太腿が細かく震えていた。
背後から、金属の擦れる音が聞こえる。
振り返らなくても分かる。
騎士人形が、大剣を振り上げている。
『右へ!』
セレスの声が響く。
俺は意識して、右脚を中心に魔力を巡らせた。
筋肉へ魔力を浸透させる。
身体機能を補助し、低下させられた脚力を一時的に引き上げる。
魔力身体強化。
これまで幾度となく使ってきた技術だ。
「――っ!」
石床を蹴る。
その瞬間。
足元の空気が渦を巻いた。
身体強化だけでは説明できない勢いで、俺の身体が右へ弾き出される。
直後。
轟音が広間を揺らした。
黒い大剣が、俺のいた場所へ叩きつけられる。
石床が陥没した。
砕けた石片が弾丸のように飛び散り、その一つが頬を掠める。
俺は受け身を取ろうとした。
だが、腕に力が入らない。
床へ手をついた瞬間、肘が折れた。
「ぐっ……!」
肩から石床へ落ち、そのまま何度も転がる。
どうにか止まり、すぐに立ち上がろうとする。
しかし、身体を起こすだけで両腕が震えた。
『レグルス、来ます!』
「分かってる!」
騎士人形は、すでに大剣を引き抜いていた。
遅い。
一つ一つの動きは、はっきり見える。
それでも、隙がない。
大剣を引き抜く動作が、そのまま次の構えへ繋がっている。
腰が落ちる。
左脚が前へ出る。
大剣が低く構えられた。
横薙ぎ。
そう理解した瞬間、俺は再び魔力身体強化を発動する。
魔力を全身へ巡らせる。
特に脚部の機能を引き上げ、回避へ備える。
騎士人形の大剣が動いた。
黒い鉄塊が迫る直前。
足元に風が集まり、俺の身体が後方へ跳んだ。
大剣が、鼻先を通り過ぎる。
遅れて生じた風圧が、前髪を激しく揺らした。
まともに受ければ、身体がどうなるか。
考えるまでもない。
骨ごと砕かれる。
だが。
当たらない。
攻撃は見える。
身体強化を使えば、避けることもできる。
「これなら……!」
『いいえ』
セレスの声が、俺の考えを否定した。
『避けられているだけです』
「分かってる!」
言い返しながら、台座へ向かう。
騎士人形の振り下ろし。
右へ避ける。
大剣を引き戻す動きに合わせた横薙ぎ。
魔力身体強化を重ね、その間合いから離れる。
上段。
突き。
薙ぎ払い。
騎士人形は、攻撃を途切れさせない。
重い大剣を振るっているはずなのに、その動きには一切の淀みがなかった。
対して俺は、意識して魔力を身体へ流し続けている。
筋肉。
関節。
神経。
身体を動かすために必要な機能を、魔力で補助する。
それなのに。
騎士人形の攻撃を避けることはできても、失われた筋力が戻った感覚はなかった。
台座へ辿り着く。
俺は錆びた刀の柄を両手で握った。
足を開く。
腰を落とす。
全身へ魔力を巡らせる。
腕だけではない。
脚、腰、背中、肩。
動作に必要な全ての筋肉を、意識して強化する。
「ぐっ……!」
柄を引く。
動かない。
刀身は、台座へ深く刺さったままだ。
身体強化は発動している。
魔力も流れている。
それでも、刀を抜くだけの力が生まれない。
背後から足音が近づく。
振り返る。
騎士人形が、大剣を振り上げていた。
「くそっ!」
柄から手を離す。
脚へ身体強化を集中させ、床を蹴った。
また、足元に風が巻き起こる。
俺の身体が台座から離れた直後、大剣が石床へ叩き込まれた。
衝撃が床を走る。
台座そのものは傷一つ負っていない。
だが、その周囲の石床は大きく陥没していた。
俺は離れた場所へ降りる。
着地した瞬間、力の入らない脚が折れた。
片膝をつき、荒い息を吐く。
「避けられる。でも……」
騎士人形を見上げる。
「それだけだ」
俺には武器がない。
錆びた刀を抜けない。
仮に素手で殴りかかったとしても、今の筋力では黒鉄の鎧を揺らすことすらできない。
『身体強化は正常に発動しています』
「ああ。俺も分かる」
魔力は、意識した場所へ正しく流れている。
第一階層で習得してから、何度も使ってきた。
魔力の流れを間違えているわけではない。
「それなのに、どうして力が戻らない」
『身体強化によって、低下した機能そのものは補助されています。ただ――』
「ただ?」
『あなたの魔力が、別の方向へ偏っています』
「偏ってる?」
セレスの言葉の意味を考える。
身体強化は意識して発動している。
筋肉へ魔力を流し、身体機能を向上させる。
そこに間違いはない。
だが、身体強化を発動するたびに、俺の動きは必要以上に速くなっている。
床を蹴れば、足元に風が生まれる。
身体が軽くなり、思っていたより遠くまで移動する。
今までは、それを身体強化によって得られた速度だと思っていた。
『おそらくあなたは、身体強化へ無意識に風属性を重ねています』
「風属性を?」
『ええ』
俺は自分の右手を見る。
『より速く踏み込むために。より鋭く刀を振るために。相手の攻撃へ反応するために。あなたは身体強化を繰り返すうち、無意識に風の性質を混ぜるようになったのでしょう』
思い返す。
地下水路での戦い。
姉さんとの模擬戦。
蠍との戦い。
俺は魔力身体強化を意識して使っていた。
だが、そのたびに身体は風を纏っていた。それは「纏風舞踏」を使っていたものだと思っていたが、今は使ってはいない。
踏み込む瞬間。
刀を振る瞬間。
攻撃を避ける瞬間。
魔力の中へ風を混ぜようと考えたことはない。
身体強化を発動すれば、自然と風が生じていた。
刀を速く振りたい。
相手より先へ踏み込みたい。
もっと鋭く動きたい。
その思いに、俺自身の風属性が反応していた。
「俺は、身体強化と風を同じものだと思っていた」
『完全に同じではありません』
「身体強化は、意識して使っていた。でも、その中に風を混ぜていることには気づいてなかった」
『そういうことです』
身体強化によって筋肉を補助する。
そのうえで、風属性によって動きを加速させる。
これまでは元の筋力が残っていた。
身体強化で肉体を補助し、風で速度を加える。
それで十分に戦えた。
だが、この階層では違う。
元となる筋力そのものが、極端に抑えられている。
身体強化で僅かに補っても、無意識に混ざった風は、その魔力を速度へ変えてしまう。
速く動ける。
攻撃を避けられる。
それでも、錆びた刀を引き抜く力は生まれない。
「速さと力は、同じじゃない」
『ええ』
騎士人形が踏み込んだ。
大剣が振り下ろされる。
俺は身体強化を発動し、左へ回り込む。
やはり足元に風が生じた。
騎士人形の側面。
一瞬だけ、完全な死角へ入る。
俺は拳を握り、騎士人形の脇腹へ叩き込んだ。
「はっ!」
拳が黒鉄の鎧へ触れる。
鈍い音。
騎士人形は揺れもしなかった。
反対に、拳へ激痛が走る。
「っ……!」
指の骨が軋む。
身体強化は使っている。
速度も乗っていた。
それでも、衝突の瞬間に必要な力がない。
俺はすぐに距離を取った。
騎士人形が振り返る。
感情のない赤い光が、兜の奥から俺を捉えた。
「速いだけじゃ、何もできないな」
『ええ』
「はっきり言うな」
『あなた自身が、一番分かっているでしょう?』
「……そうだな」
騎士人形が大剣を構える。
俺も腰を落とす。
武器はない。
力もない。
今できるのは、避けることだけ。
けれど。
このまま逃げ続けても、試練は終わらない。
何かを変えなければならない。
騎士人形の大剣が動く。
上段からの振り下ろし。
俺は攻撃を避けながら、その動きを目で追った。
大剣が石床へ叩きつけられる。
騎士人形は、腕だけで振っていない。
踏み込んだ右脚が床を押す。
膝が伸びる。
腰が回る。
背中。肩。腕。
全ての動きが一つへ繋がり、最後に大剣へ伝わっている。
大きな力を持っているから、重い大剣を振れる。
そう思っていた。
だが、違う。
力を無駄なく繋いでいるから、あれほどの威力が生まれる。
「足から……」
『気づきましたか?』
「ああ。あいつは、腕だけで大剣を振ってない」
地面から得た力を、全身を通して剣へ伝えている。
一箇所でも流れが途切れれば、あの大剣の重さに身体が負ける。
騎士人形の動きには、それがない。
まるで、一つの巨大な歯車。
全身が噛み合い、一つの目的のために動いている。
「同じことができれば、刀を抜けるかもしれない」
『試す価値はあります』
俺は再び、台座へ向かう。
騎士人形の攻撃を避ける。
今度は、ただ逃げるのではない。
その動きを観察する。
踏み込み、腰の回転、肩の入り方、大剣を握る指。
騎士人形が一撃を放つたびに、力の流れが見えてくる。
台座へ辿り着き、錆びた刀の柄を握った。
魔力身体強化を発動する。
ただし、今度は足元に生じる風へ意識を向けた。
魔力の流れに混ざっている、軽く鋭い感覚。
これが風か。
「抑えろ……」
無意識に混ざろうとする風を、身体強化から切り離そうとする。
だが、簡単にはいかない。
何度も繰り返してきた身体強化。
そこへ風を混ぜることが、すでに癖になっている。
完全には切り離せない。
それでも、風へ流れる魔力を少しだけ抑える。
足裏で床を捉える。
膝を曲げ、腰を落とす。
腕で引くな。
足で床を押す。
その力を、腰へ。
背中へ、肩へ、腕へ。
「――ふっ!」
全身を伸ばす。
台座と刀の間で、微かな金属音が鳴った。
動いた。
ほんの僅か、だが、確かに動いた。
「いける……!」
さらに力を込める。
しかし。
両腕が震えた。
力の流れが肩で途切れる。
刀が台座へ戻った。
「まだ足りない」
『動きは正しいわ』
「でも、力そのものが足りない」
身体の使い方を整えても、失われた筋力を完全には補えない。
風へ流れていた魔力を抑えれば、先ほどより力は伝わった。
それでも、刀を抜くには届かない。
騎士人形の足音が近づく。
俺は柄から手を離し、再び魔力身体強化を発動した。
身体が加速する。
また風が混ざった。
完全に切り替えることができない。
避ける。
観察する。
台座へ戻る。
刀を引く。
失敗する。
何度も、何度も繰り返した。
騎士人形の大剣が頬を掠める。
黒鉄の肩が胸へ当たり、吹き飛ばされる。
床を転がり、それでも起き上がる。
身体強化を使う。
風が混ざる。
攻撃を避ける。
台座へ戻る。
風を抑える。
刀を握る。
抜けない。
時間の感覚が、薄れていく。
呼吸が熱い。
汗が額から流れ、顎を伝って石床へ落ちる。
心臓が激しく脈打っていた。
身体の内側が、焼けるように熱い。
『一度、休みなさい』
「まだ動ける」
『魔力の消費が激しすぎます。身体強化を繰り返せば――』
「分かってる」
分かっている。
魔力を使いすぎている。
さらに無意識に風を混ぜ続けたことで、魔力の循環も速くなっていた。
風は便利だ。
速く動ける。
騎士人形の攻撃から逃れられる。
だが、今の俺に必要なのは速さではない。
「……熱?」
俺は自分の胸へ手を当てる。
鼓動。
汗、荒い呼吸。
体温が上がっている。
身体を動かせば、熱が生まれる。
それ自体は当たり前のことだ。
けれど、今感じている熱はそれだけではない。
胸の奥。
魔力が通り過ぎるたびに、微かな熱が残っている。
無意識に混ざった風が魔力の循環を速め、その負荷が魔力経路の内側へ熱を生んでいる。
「セレス」
『何かしら』
「魔力にも、熱はあるのか?」
僅かな沈黙。
『あります』
「風属性の魔力にも?」
『風そのものが熱いわけではありません。けれど、魔力を急速に循環させれば、肉体と魔力経路の双方に負荷がかかります。その結果として、熱が生じることはあるわ』
「なら、この熱を……使えないか」
『使う?』
「風は、魔力の流れを速める」
俺は右手を握った。
「身体強化へ無意識に混ざって、俺の動きを加速させていた。でも、今必要なのは速さじゃない」
『ええ』
「必要なのは、力だ」
騎士人形を見る。
大剣を振るう瞬間。
あいつは全身の力を、一つへ集めている。
長く力を出し続けているわけではない。
踏み込みから、衝突まで。
ほんの一瞬だけ。
全ての力を、大剣へ叩き込んでいる。
風のように、魔力を速く流し続ける必要はない。
必要な瞬間。
必要な場所に。
爆発するような力を生み出せればいい。
「身体強化を、別の属性で変化させる」
『別の属性……』
「風が速度を生むなら」
胸の奥に残る熱へ、意識を向ける。
「火は、力を生み出せるんじゃないか」
『火属性の性質は、単純な筋力ではありません』
「分かってる」
火は燃える。
熱を生む。
蓄えたものを、一気に解放する。
外へ炎を放つのではない。
身体の内側。
意識して発動した魔力身体強化へ、今度は自分の意思で火属性を重ねる。
筋肉へ流し込んだ魔力を、一瞬だけ燃焼させる。
その熱を。
筋肉が収縮する瞬間へ重ねる。
『危険よ』
「できないとは言わないんだな」
『まだ火属性への適性すら確認できていません。体内で魔力を暴走させれば、筋肉だけではなく魔力経路まで焼き切れる可能性があります』
「でも、この階層が力を求めてるなら」
台座に刺さった錆びた刀を見る。
第一階層で、俺は風を掴んだ。
斬れない刀を振り続け、魔力を感じた。
なら、第二階層にも。
俺が得るべきものがある。
「ここに、答えがある」
騎士人形が踏み込んだ。
俺は魔力身体強化を発動する。
無意識に風が混ざる。
今だけは、それでいい。
大剣を避けるために、風の速度を利用する。
だが、今までのように大きく距離は取らない。
騎士人形のすぐ横を抜け、台座へ向かう。
錆びた刀の柄を握った。
背後で、騎士人形が振り返る。
時間はない。
目を閉じる。
足の裏で床を捉える。
魔力身体強化を発動。
筋肉へ、意識して魔力を浸透させる。
その魔力へ混ざろうとする風を抑える。
速く流すのではない。
胸の奥。
呼吸によって生まれた熱。
鼓動とともに全身へ広がる体温。
その中心へ、魔力を集める。
「熱く……」
イメージする。
火花。
まだ炎ではない。
暗闇の中で生まれる、ほんの小さな赤い光。
集めた魔力が震える。
胸の奥が熱を持つ。
「もっと……!」
『一度に燃やしては駄目! ほんの僅かずつ、筋肉の動きへ重ねなさい!』
セレスの声に従う。
全身ではない。
まずは脚。
床を踏む瞬間。
意識して流した身体強化の魔力へ、熱を重ねる。
魔力の中で、何かが弾けた。
「――っ!」
右脚に熱が走る。
筋肉が、これまでとは違う強さで収縮した。
床を押す。
その力を腰へ。
背中へ、肩へ、腕へ。
火花を追いかけるように、力を繋いでいく。
騎士人形が大剣を振り上げた。
俺は両手で柄を握り締める。
「抜けろ……!」
全身へ力を通す。
胸の奥で生まれた火花が、もう一度弾けた。
熱が右肩へ流れ込む。
筋肉が強く縮む。
痛み。
構わない。
「抜けろ!」
金属が擦れる。
これまでとは違う、はっきりとした音。
錆びた刀が。
台座から僅かに浮かび上がった。
「――動いた」
ほんの数センチ。
それでも。
間違いなく、刀は抜け始めていた。
刀身から剝がれた赤黒い錆が、光を受けて宙を舞う。
その下から覗いた銀色の地肌に、一瞬だけ赤い光が走った。
だが、次の瞬間。
右肩に激痛が走る。
「ぐっ……!」
力の繋がりが崩れた。
刀が台座へ落ちる。
重い音が、広間へ響いた。
同時に、騎士人形の大剣が迫っていた。
『レグルス!』
身体強化を発動する。
だが、先ほど生まれた熱が魔力を乱している。
風へ変化させる余裕がない。
俺は台座から手を離し、力の入らない脚で横へ倒れ込んだ。
大剣が頭上を通過する。
風圧に煽られ、床を転がった。
肩が焼けるように痛い。
無理やり強く収縮させた筋肉が、悲鳴を上げている。
それでも。
俺は笑っていた。
『何を笑っているのです』
「いや」
痛む肩を押さえながら、身体を起こす。
「動いた」
『ほんの僅かです』
「でも、動いた」
これまで何度引いても、抜けなかった刀。
それが確かに、台座から浮いた。
魔力身体強化は、今までどおり意識して発動した。
だが、そこへ重ねたものが違う。
これまでは、無意識に風を混ぜていた。
風は俺を速くした。
そして今。
初めて自分の意思で、別の属性を重ねようとした。
まだ火と呼べるほどではない。
魔法にもなっていない。
制御もできない。
ただ、魔力の中に小さな熱が生まれただけ。
それでも。
風とは違う。
速く巡らせるのでもない。
流れに身を任せるのでもない。
体内で魔力を燃やし。
一瞬だけ。
力へ変える。
騎士人形が、再び大剣を構えた。
俺も立ち上がる。
右肩は痛む。
魔力も減っている。
錆びた刀は、まだ台座に刺さったまま。
試練は、何一つ終わっていない。
けれど。
進むべき方向は見えた。
「もう一度だ」
『その前に、肩の状態を確認します』
「時間をかけたら、あいつが待ってくれると思うか?」
『待たせなさい』
「無茶を言うな」
『無茶をしているのはあなたでしょう』
騎士人形が歩き始める。
一歩。
重い足音が、広間を震わせた。
俺は呼吸を整え、胸の奥へ意識を向ける。
そこにはまだ、先ほど生まれた熱が残っている。
小さな火花。
触れ方を誤れば、自分自身を焼く。
それでも。
俺に足りなかった力へ至るための、最初の一歩。
身体を強化する。
そこへ、属性を重ねる。
風ではない。
速く巡らせるのでもない。
もっと熱く。
もっと強く。
体内を巡る魔力を――燃やす。
俺は近づいてくる騎士人形を見据え、再び構えた。




