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星すら斬るまで、俺は振り続ける  作者:
第一章 契約.....そして王都へ
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11/21

第11話 最初の依頼

翌朝。

レグルスは朝早くから冒険者ギルドへ向かっていた。


腰には愛刀。

ベルトにはセレス。

そして胸元には新しく手に入れた冒険者証。


Fランク。

まだ一番下だ、だが不思議と嫌な気はしなかった。


「緊張してるの?」

セレスが聞いてくる。


「少しだけな」


「地下遺跡でゴブリンシャーマンと戦った奴の台詞じゃないわね」


「それとこれとは別だ」

レグルスは肩を竦めた。


地下遺跡は生き残るための戦いだった、だが今日は違う。

初めて正式な依頼を受ける。

冒険者としての第一歩だ。


ギルドへ入ると、昨日の受付嬢が笑顔で迎えてくれた。


「おはようございます、レグルスさん」


「おはようございます」


「依頼は決まりましたか?」


レグルスは掲示板を見てみる。


薬草採取、荷物運搬、森の巡回。

様々な依頼が並んでいる。


だが視線は自然と一枚の依頼書へ向かった。


『森周辺のゴブリン討伐』


報酬三千ギル、討伐証明として右耳を提出。

推定二~三体。


「これで」


受付嬢は少し驚いた顔をした。


「ゴブリンですか?」


「問題ありますか?」


「いえ。ただ登録初日で選ぶ方は少ないので」


普通は薬草採取から始める、それが新人冒険者の常識だ。

だがレグルスには地下遺跡での経験がある。

戦ったことがない相手ではない。


「受けます」


受付嬢は少し考えた後、依頼書へ判を押した。


「お気を付けて」


「はい」

依頼受注完了、レグルスはそのまま街の北門を抜けた。

目的地はベルグラード近郊の森、徒歩で一時間ほどの場所だった。

春の風が吹く、木々が揺れる。

鳥の鳴き声が聞こえる、平和な景色だった。


「本当にこんなところにゴブリンなんているか?」


「いるから依頼になってるんでしょ」

セレスが呆れた声を出す。


その時だった。


ガサッ、茂みが揺れる。

レグルスは足を止め、音の方向を見る。

そして、現れた。


緑色の肌、黄色い瞳、醜い顔。

ゴブリンだ。


「一体か」

地下遺跡で見た個体と大差ない。

だが以前とは違う、恐怖がない。


レグルスは静かに刀を抜いた。


『敵性個体確認』


『基本行為補助開始』


視界の端に文字が浮かぶ。


ゴブリンが吠えて飛びかかってくる。


レグルスは一歩踏み込み、刀を振る。

ただそれだけ。


だが。

地下遺跡の時よりも剣筋が自然だった。


一閃。


ゴブリンが倒れる。


「終わりか」

思わず呟いた。


以前なら必死だったのに今は違う、少しだけ成長している。

そんな実感があった。


『基本行為:切る』


『熟練度上昇』


レグルスの視界に文字が流れる。


自然と笑みが浮かぶ。


「ちゃんと上がるんだな」


「当たり前でしょ」

セレスが言う。


「積み重ねた分だけな」

レグルスはゴブリンの討伐証明を回収した。


依頼はあと二体。

そう思った時だった。

森の奥から再び音が聞こえる。


ガサッ。

ガサガサッ。


一体ではない、二体でもない。

複数。


レグルスは眉をひそめて思い出したところ、依頼書には二~三体と書かれていた

だが

聞こえる足音はもっと多い

明らかに。


「……おかしいな」

刀を握り直す。


森の奥を見つめる。

木々の隙間、その暗闇の中で、無数の黄色い瞳が揺れていた。

まるでこちらを見ているかのように。


『警告』


『推定個体数修正』


『十一体』


レグルスの表情が引き締まる。

新人向け依頼のはずだった、だが。何かがおかしい。


森のゴブリンたちに、異変が起きている。

そんな予感がした。


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