表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

171/176

あとから使えるかも


死人は記憶を共有する。卯月が夢という形で、みんなに教えてる。(ケトがいう)

葉脈(ようみゃく)】で寝てた際おキク『楽』、ケトは二段階アップで『喜』に。(進化のちょっとしたきっかけになった)

捨て子の子どもへオワリが青いたまごと能力を植え付けて産んだのが産月。もと人間の体(人間ベース)なので、単純な死人よりも痛みに耐性がない

人間の心臓でもいいかも


由香特製ハンバーグ

帰ってから補習、どんなことする?何日に分ける?

結衣、斎にラブレターわたす

ねつがんれいてい

司令官今の立場になるまで詳しく

同じ好意をもつ隆の視点と同調して卯月未来を見てた

死人化したことで夢を見せられるようになる(影響受けやすくなった)

呪い、か。そう。ぼくに与えられたあの力は、君たちの中ではそう呼ばれてるんだね

↪︎卯月がもってる。未来を不幸にする原因。それがあっても近くにいてくれる人たちは真の友達。オワリが未来の体を乗っ取り現世に君臨した時、そばにいさせる人たちを決めたかった。体を分けた時に卯月にくっついていった。

死人の名前──人間がつけた名前と思ってる。実際そう言ったのはオワリ。マリオネットでみんなの頭にそう認識させた。理由は「俺たちは死んだ人間だ。生きるべき人間だった」と言うため。本当は死人が着けている

人が死んだことからつけた。捨て子の死人。捨てられ、死んだ自分を意味する

公務員だから遺体を届けない、本部戦闘態勢そろう、遺体回収しっかり大人がするようになる


○昼間に死人が出る話


「思ったことはない? どうして死人は夜中の零時以降に生まれ、どうして明け方になると出てこなくなるのか」

「見せてあげる。この国の、本来のシステムを」

ゴミ箱から螺旋状の透明の筒が伸びる

空高く、そこに氷の床のように薄いものが敷かれていて、そこに高校生以上のマダーがいる

「朝から昼に生まれる死人は、一般人に危害が及ばないようこうして空へ送られる」

「ここは隔離された区域で、航空機関の●からも排除された、まさに死人を討伐するだけの広場」

「日中にも夜と同じように当番があって、主に高校生マダーが討伐に当たっている。子どもたちの進路に影響しないように、ね」

「本部がやけに上の方に位置しているのは、飛行機関係でいうと幹線道の役割をしているからなんだよ」

「素早く対応。マダーの異常や死人の生まれ……データだけじゃなくて、実際に目で見てわかるように」

「年上の者が頑張ればいい。幼い子の自由を奪いたくない。……これは、僕の勝手で、高校生マダーだけに絞っているんだ」

「未来も同じだったでしょ?」

「子どものころの自由って大事なんだよ」

凪さんの小中は……自由じゃなかった。凪さんの思いが詰まったシステム


「たまに取り逃して地上へ降りてしまう死人がいる。こちらに攻撃されて逃げた死人だから弱ってる、だから『日中に生まれる死人は弱い』っていう概念が発生する」

昼、たまに死人が一般人と対峙して死ぬ。死者がマダー以外にもいるのはそういう経緯


「これは、本部と高校生マダーだけが知っている秘密」

「昼も死人が生まれるなんて知ったら、混乱を招く。いったいいつなら国民の安全は確保できるのか。みんな、怖くなる」



「みんなの日常は、こうして守られている」


「この後は中学生マダーの役目」


「ただ今日は……最後の最後に大物が来たね」

技名被ることある



『ほぁああああっ!!』

「加藤?」

『そう、ダイスを使って』

「大丈夫なのか」

『センスがいいよ。柔道の経験も活きてるみたいで、助かってる』


↓結衣が与を使う?

 加藤へあてがわれたその文字の中。

 知っている一つがあった。


「……谷川。これって」

「おう」


 長谷川の問いかけに、斎は優しい顔で頷いた。


「あたえる、くみする、あずかる。……その『与』は、天にいるお前の友人、エイコのものだ」


 斎が玄関を開けて、夕暮れの赤を背中に受ける。


「誰の命も無駄にしない。みんなの思いがあって、魂があって形になる。それが、ダイス」


「もしキューブだけじゃなくダイスを使っても文字を貰えないなら、その人はホントに戦闘向きじゃない人だ。戦いに出ない方がいい」





「おい、弥重」


「会えなくなるかもしれねぇぞ!!」


胸ぐら流星つかむ


「おい!」

「五分で終わらせる」


「……だから、力を貸して」

「一秒でも早くあの子たちのところに行けるように。どうか、力を貸して」

「……三分」

「三分で行くぞ」


「湊。敵の数は?」

「んー、約三千、ってところかなー。一分につき千体討伐だねぇ」

「はん、上等。やるぞ」

「おー。楽しそうだねぇ」

「流星、湊」

「ありがとう」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


3分で終わったが、瞬間倍量で現れる


(これじゃ……向かえない)


「ほうほう、いやはや、なにやら大変なことになっとるようじゃのう」

ざしゅっ

「じぃっ?」

ざしゅっ

「マスター。ご無事ですか」

「雫! 二人ともどうして? 連絡はできなかったはずじゃ……っ」

「ふっ、司令官じゃぞ? こちらから連絡せずともご自分で気づいてワシらに連絡をくれたわい」

「すぐに駆けつけられなくて申し訳ありません。この一帯、結界が張られていてすぐには突破できませんでした」

「こちらは私たちで引き受けます。お嬢様のところへ、お早く!」

「じゃがこの量だからな。ホシ坊とミナトんぼは置いてっとくれ。お前さんなら一人で大丈夫じゃろう?」

「おいコラじじい!! その呼び方やめろっつったろ!!」

「僕も言ったと思う! トンボみたいだって!!」

「ほっほっほ! 愉快、愉快!!」

「この〇〇! 精鋭部隊最高齢として、」

「弥重! 行ってこい!」

「まだきっと間に合うから!」

「──ありがとう」


(通信が途絶えてから既に30分……持ち堪えていてくれ)


凪は神を信じていなかった。

輪廻転生。天国、地獄。そんなもの一切信じていなかった。

だけど今この瞬間だけは心から願った。

神様どうか、彼らをお守りくださいと。


『早く戦え』


「お前は弥重以外とも喋れよ!?」


『弥重様のそばにいる●などとは口を聞きません』




ブック257フェニックス(生き返り)

死んだふりも板に着いたな

慣れたくありません

この国最強の方に選ばれたメンバーですもの。簡単に死んだりしませんよ。


凪さん、この人たち……

そう。精鋭部隊配属



ケトが嘘つく可能性あるって言って、あいかは知るで未来の中をまさぐる。

あいか、全てを知るがまじないで話せない

「……置き土産。なるほど、あの言葉はそういうことですか……」


「お願いします。未来を、休ませてやってください」

「休むならわたしの方ですよ。未来さんは麻酔で寝ていますから……」

「お願いします」

未来目覚める、しばらく隆のことがわからない、何があったか思い出した途端吐く

「気にすんな。全部出しちまえ」

凪にみんなを来させないように

「……吐け、なんて言われてもね。知らないものを口から出すことはできないんだよ」

「無理やり知ろうとして出せるのは、今朝何を食べたか、くらいなんだよ」


「未来さん」

「今回の非道なマネ、誠に申し訳ありませんでした。今後、このようなことは絶対にしませんので」

「謝ったからって……!」

「いいよ、隆」

「あいか先生。どうか顔を上げてください」

「……聞かせてください。私は、人間でしたか?」

「……ええ。どこからどう見ても、あなたは人間です」


新聞記事で未来の過去みんな知る

「この事件の被害者が……まさか、未来ちーだったなんて」


未来、幼い頃に助けた翔(意思から死人に)

未来が助けた、翔は未来を助けたくなった(碧眼でいじめられてる)

凪父に協力してくれないかと言われる

喜んで受ける

記憶や経緯から人工的に死人を作り出す▶︎凛世と名付けた

研究していたが、ある日突然凛世がいなくなった

やばいってなって凪が大阪向かう

未来と凛世、翔あう

凛世▶︎翔ころす(翔の心から生まれた死人を真似して作ったから、翔の心情が凛世にある。歪んだ愛情が未来に向けられる)

じゃあ、相沢ちゃんも殺しちゃえばいっか。▶︎右腕

凪見つけて助ける



知識鳥で最後みんなに伝える


恋愛の感じはない。関係が『友だち』以外の何かになることが未来は嫌だった

「隆、いいよ。私といたら、ほんとに死人になっちゃうかもしれないから」


周りから言われた言葉を、未来は本当の事として受け止めるようになってきた。

死人菌が移る。あいつといたら死人になる。

そんな、死人というものに謎が多すぎるだけに、ありえないとも言えず。


「すごいなこれは……体は人間なのに、瞳だけは奴らと全く同じ作りをしている」


色だけではなく、性質やーーも、彼ら死人と変わらないと研究者は言った。

けれど、どれだけ調べてもやはり未来は人間で、碧眼だけが異質だった。


目の謎を解き明かすために、体をまさぐられ、何が違うのかと隅々まで研究される。

目の前にいるのは、幼い顔をしているが成長期に入りだした女の子だ。

大人になっていく段階の、一時しか見られない身体の発育具合というものは、ある一定の男たちにとってはーーだろう。

少女は抵抗していなかった。

それがどんな意味を持っているのかすら、おそらく理解していなかった。

ただいつものように、人でないモノのように、研究対象として調べられているのだと思っていたのだろう。

カーテンの隙間から見えたその光景に、凪が咄嗟にその扉を開けなければ、その後彼女がどうなっていたかはわからない。

男たちを凪はーーな顔で睨みつけ、少女に自らの上着を着せた。

その行為──なぜ今服を着せられたのだろうと、それすらも疑問に思っている光のない青い目を、凪は今でも忘れられない。

もう少し歳を重ねれば、この子もきっと気付くだろう。

こんなところに居させてはならない。

凪は司令官へ相談に行った。

自分の親には頼れない理由があって、まず頼みに行くとしたら彼のもとと決まっていたからだ。


「……条件付きで、一番をあの施設から出してもいいことになった」

「条件……ですか?」


政府というものはどこまでも非情で、人間らしくなかった。

未来の体からDNAを採取して、コピーを作ろうとしていたのだ。

そうすれば、()()がいなくても研究を続行できる。

隠そうともせずに、彼らはそう告げた。



「……結局、そんなことはどんな化学を使ってもできなくてね。上手く捕まえたその辺の死人のデータと、今までに調べた未来のデータを照らし合わせて、新たな研究段階に入ったらしい」


未来が男たちにどんな目にあっていたかという部分は省き、凪は一旦締めくくった。


「その……あと、未来ちゃんは?」

「ん。とりあえず解放されて、一度土屋家でお世話になることになった。あんまり覚えてないけど、」


「未来には申し訳ないけど、マダーが国と対立にはそういう背景もあるんだ」

「死人のことがわかるかもしれないのに、全く協力しようとしない哀れな◼️ってね」




予定の時間を過ぎて十五分。

「話し合い……長引いてんのかな」

「ん。お金のこととかも色々話し合わなきゃいけないって言ってたから」

「司令官?」

「司令官と、凪さん両方かな」


「お金かあ……どこも大変だよね」

「凛ちゃんのところも経営とか考えなきゃなんだよね」

「そ。薬の材料費もバカにならないんだよね」


長谷川は指を折り曲げながら、薬を作る際に必要になる経費、その他諸々上げ始めた


「薬の元になる材料費、機械を使って作るからその機械の分の●とか」

「そもそも、薬の材料もね、つくるのに丸一年かかるのよ。農家さんで言えばお米作るみたいな感じ、一年に一回収穫の時期があって、その際に採集できたものを次に採集できる一年後まで乾燥させて使う、もしくは、完治薬とかならもう最初っから全部液体にしちゃうのね」

「それ、使い切ったらもうなくなるってことか?」

「そう。これまでよくなくならなかったなって思う。それだけマダーが頑張って怪我しないように戦ってくれてる証拠だけど……知ってるっけ。完治薬も克服軟膏も、首都以外だと特に死傷者が多い県にしか配れてないの。あれも同じ理由」

「今でこそだいぶいろんなところで売られてるけど」と、長谷川は申し訳なさげにため息をついた。


「……ヘンメイ。もう、いいよ」


視線を下へ向けた。


「演技はやめてくれ。見てられねぇ」


『なに、言ってるの?』


震えるヘンメイの声。

剣から動揺が伝わってくる。

やっぱり。そう思って、俺は槍を◼️持ったまま顔を上げる。ヘンメイの目を見つめた。


「俺さ。相手の言葉と表情が、本気なのかどうかを見分けるの得意なんだよ」


あまり好きではない記憶に少し触れる。

罵倒されて、気味悪がられて。バケモノだの死神だの、耳を塞ぎたくなるような言葉と暴力の数々。

耐え難い悪意の視線を、年端もいかない頃から受けていた未来のことを。


今でこそ未来は平和に学校生活を送れているし、友だちにも囲まれてる。でもそれは、周りから蔑まれても、どんなに苦しくてもあいつが我慢して乗り越えてきたからだ。


「大丈夫やよ」

「平気、平気」


何度も聞いた。違うとすぐにわかるような、俺を安心させるための偽りの言葉。

聞くたびに俺は言った。そんなわけないと。こんな目に合わされて、大丈夫なわけがないと。

俺は泣いて謝った。

未来が泣かないから。笑うから。

代わりに泣いたって、謝ったって、あいつの苦しさや痛みを受け取ることはできないのに。ぬぐい去ることもできないのに。


でも、小四のある日を境にして、未来も泣くようになった。

嫌なことや、つらいことがあった時。

痛い思いをしたとか、苦しいと感じた日にも。


多分、実際に現場に居合わせた俺が、大の大人に向かって刃物を突き付けたせいだと思う。

ただ下校をしていただけなのに、青い瞳で未来を死人と決めつけたそのひとは、そばにいた子どもを守るために、手近にあった工具で未来を殴った。

何が起きたのか、すぐにはわからなかった。

ただ、「逃げろ、早く」と。立派な大人のように、勇敢な大人のように言ったその人は、俺に背中を向けていた。

俺を守ろうとして、未来の前に立ちはだかった。


「……私も、泣いていい?」


コトが終わってから、未来は俺に許可を取るようにそう聞いてきた。

レンチで殴られた頭は何針も縫わなければならない重傷で、当時貴重だったノーマでの治療中に。

俺から奪い取った彫刻刀を左手で握り締め、ボロボロと泣きじゃくる俺の手を、右手で繋いでくれていた未来。その時初めて、あいつは涙を見せた。


──演技を、俺がさせてしまったんだ。


いつもみたいに「大丈夫だよ」と言ったら、そんなわけないと俺が否定するから。「平気だよ」と伝えたら、自分のせいなのにと俺が自己嫌悪に陥るから。

ああ、今この場でだけはいつも通りでいてはいけないんだと。これ以上俺を苦しめないためにはどうしたらいいんだろうと考えて。

そうして出てきたのが、求められるはずの感情を見せるという手段。

つらくて悲しい。それを表現しなくてはいけないのだと、あいつは理解した。

弱音を口にせず、大丈夫だと暗示をかけ続けることが、自分の心を守る唯一の方法だったのに。


「弱音を口に出さないことで、その場を乗り切る。その時だけは強くあれる。……そんな、自己暗示にも似た言葉で、あいつは自分の身に降りかかる厄災を跳ね除けようとしていた」

心の声を漏らしてしまえば、耐えられなくなる。幼いながらにそうわかっていた未来は、誰にも「助けて」とは言わなかった。

一番近くにいた俺にも、頼れる凪さんにも。

絶対に、本当はつらいんだよと伝えてはくれなかった。

演技で作り出した涙の中に、口から出せない思いを全て含ませて、混ぜ込んで、流して消し去った。


「なぁヘンメイ。お前、本当は正気なんだろ」


あの時の未来と、ヘンメイの今の行動や言葉が、重なって見える。

何かを守るために、求められる演技をしてる。




「そいつは調べた。死人のデータと未来のDNAを使って、自分の意思を意図的に死人化させたんだ」



卯月の刀、未来以外使えない。

死人の力使える未来みんなみた?


「大丈夫ですか、土屋に任せておいて」

「うん、大丈夫。むしろね」

「この場であの子の気持ちを受け止めれれるのは、多分、隆一郎しかいないから」


なんとなくはわかっていた。

自分が、原因なんだろうということは。

だけど、認めたくなかった。自分が存在することで、人を守るべきところを自分が存在するために周りの被害が増えるなんて。


「きつい……な」


以前の自分なら、なんとも思わなかったかもしれない。

やっぱり。そう思うだけだったかもしれない。だけど今は、一緒にいてくれる人たちがいて、一緒に笑ってくれる人たちがいる。

みんなの笑顔を見るのが好きだった。大好きだった。宝物だった。

みんなの笑顔を守れるなら、なんでもできるような気さえしていた。

だけど──自分のせいで。

自分のせいで、みんなの笑顔どころか、命まで脅かされるというのは、未来の心を抉るにはあまりのも十分すぎた。


「だめ……早く、戻らなきゃ」


こんなところにいてはだめだと、自分に言い聞かせる。

もし自分が考えている呪いの相手が正しいのであれば、今ここに長くいるべきではない。

早く戻らなけばいけない。自分が傷ついていると悟られないように。

自分を傷つけた相手を許すまいと、その相手を殺してしまうような呪いをかけさせないように。

だけど、しんどい。つらい。くるしい。

呼吸が乱れてくる。泣きたくなるのを必死で耐えた。


(だめ。泣いちゃだめ。我慢しろ未来。私は、私が、私だけは。泣いちゃだめだ)


何度も自分に言い聞かせるが、乱れた呼吸は止まらない。空気を吸いすぎて苦しくなってきた時、ふわりと、頭に柔らかな何かがかけられた。

少し驚いて、潤んだ瞳のまま見上げた。


「隆……」


隆一郎が、隆一郎までもが、傷ついた顔をして、泣きそうな顔をして、未来を見ていた。


「ゆっくりでいい。なにも心配しなくていい」


タオルをかけられた頭に一度、ポンと大きな手を置かれる。

未来の目が隠れるようにタオルを少し前にずらされた。


「俺は、これ以上何もしない。何もしないで、ここにいる」


そう優しく未来に告げ、背中をあわせて腰を下ろした彼は


「だから……思う存分、泣いていい」


(ああ、あなたは優しいね)


その『何もしない』というのは、あなたにとって一番難しいことであるだろうに。


「ありがとう。……ごめんね」


何に対してのごめん、なんだろう。

自分は何に対して謝っているんだろう。

隆一郎に? 自分に? それとも、呪いの根源に?

はたまた、この国、この世界に?


生まれてきてしまった相沢未来という命そのものを、未来は酷く恨んだ。

私がいなければ。私がこの世に生など受けなければ。それだけが、頭を渦巻いた。

そのたびに涙が溢れ出た。

止まらなかった。

声がでる。我慢なんてできなかった。

大声を上げた。小さな子どものように。


隆一郎は宣言した通り、未来がどれだけ泣いても、どれだけ自分を虐げる言葉を吐いても、何一つ言わず、そして何もしなかった。

ただずっと背中を合わせて黙って聞いていた。

ただずっと寄り添っていた。

孤独に耐えられなくなった未来が震える手で彼の指に触れた時も。

その指を少し握った時も。

彼は握り返すこともなく、だけど離したりはせずに。

ただ未来が、少しだけ彼の温かみを感じるその行為だけに集中させてくれた。



誕生日ケーキ


「相変わらず未来は不器用さんだねー」


涙出して笑う


「!?弥重たちは……!」

「あー、弥重君?暫くは動かれへんのちゃうかなあ」

「だーいぶと……痛めつけてきたからな」

おでこ切れた凪くる

「あ……!」

「大丈夫。大丈夫だから、泣くな」

口から血出てる

「へぇ、復活早いなあ」

「五百メートル程度は吹き飛んでたはずやけど、さすがキューブの恩恵ってやつ?」

戦う


千歳緑(千歳の木)

時を早める能力で寿命で死なせようとする産月

未来が年齢をのばして相殺


前髪


目が覚めたら、全部終わっていた。


「先生が、鼓動がしないってすごく尽くしてくれて」


あの斬撃があった日から、既に三日が経っていた。


「凪さん、おでこ見せてください」

「……おでこ?」

「はい」


「ん」

左の髪を捲りあげた

「そっちじゃないです。右です」

「右?」

「はい」

「左じゃダメなの?」

「だめです」

「せっかくセットしてもらって帰ってきたのに?」

「はい」


しばし沈黙

するりと、凪さんは右目に少しかかっていた髪をさらりとかきあげた。


言葉が出なかった。

髪の下に隠された、ざっくり深い切り傷に。腫れ上がった傷口の周りの痛々しさに。


「……っ、あ……っ!」

「泣くな。大丈夫だから」


嗚咽を漏らし始める俺に、凪さんの手が伸ばされた。


「むしろこれぐらいで済んで奇跡だよ。もっと大きな怪我する可能性だってあったんだから」

「これぐらい、なんてそんな怪我じゃないです!うぁ、なんはり、何針縫ったんですか。ひっ……ぅ、薬、ないし!ノーマは俺たちが、占領してっ!」

「隆一郎」

「縫ってるってことはっ【ヒール】を使えないくらい、追い込まれたってことでしょう?なのに……っ!なにいつも通りみたいにしてるんですか!?なんで俺の心配なんかしてるんですか!?」


ボロボロと、目から熱い何かが散る。

叫ぶ度に体に痛みが走る。だけど、口が止まらない。


「ごめんなさ、ごめんなさい凪さん……俺がもっと、もっと」

「落ち着きなさい」


「今お前が言ったこと、僕はそっくりそのままお前に返すよ。どうして生死をさまよったやつが僕の心配なんてしてるの?どうして自分の心配をしないの?」

「どれだけ僕が心配したと思ってるの?どんなに生きた心地がしなかったかわからないでしょ?」

「僕が前髪を作りに行ったのは、どれだけ冷やしても腫れが引かなかったから。お前に気付かれたくなかったからだ。心配をかけたくなかったからだ」

「いつも通りでいるのは、いつも通りでいられる程度の怪我だからだ。お前は違う。お前は本当に危なかった。何度も脈拍が途切れた」

「怖かったのは、僕の方だよ」


「だから謝るな。謝らないといけないのは僕なんだから」

「ごめんね隆一郎。助けに来るのが遅くなって……危なくなるぐらいの怪我までさせて」

「怖かったろう。死を目前にするのは」

「未来を守ってくれて、本当にありがとう」



【フリーメモ】


電車内、隆は夢で未来の過去カッターみる


あまり好きではない記憶に少し触れる。

罵倒されて、気味悪がられて。バケモノだの死神だの、耳を塞ぎたくなるような言葉と暴力の数々。

耐え難い悪意の視線を、年端もいかない頃から受けていた未来のことを。


今でこそ未来は平和に学校生活を送れているし、友だちにも囲まれてる。でもそれは、周りから蔑まれても、どんなに苦しくてもあいつが我慢して乗り越えてきたからだ。


「大丈夫やよ」

「平気、平気」


何度も聞いた。違うとすぐにわかるような、俺を安心させるための偽りの言葉。

聞くたびに俺は言った。そんなわけないと。こんな目に合わされて、大丈夫なわけがないと。

俺は泣いて謝った。

未来が泣かないから。笑うから。

代わりに泣いたって、謝ったって、あいつの苦しさや痛みを受け取ることはできないのに。ぬぐい去ることもできないのに。


でも、小四のある日を境にして、未来も泣くようになった。

嫌なことや、つらいことがあった時。

痛い思いをしたとか、苦しいと感じた日にも。


多分、実際に現場に居合わせた俺が、大の大人に向かって刃物を突き付けたせいだと思う。

ただ下校をしていただけなのに、青い瞳で未来を死人と決めつけたそのひとは、そばにいた子どもを守るために、手近にあった工具で未来を殴った。

何が起きたのか、すぐにはわからなかった。

ただ、「逃げろ、早く」と。立派な大人のように、勇敢な大人のように言ったその人は、俺に背中を向けていた。

俺を守ろうとして、未来の前に立ちはだかった。


「……私も、泣いていい?」


コトが終わってから、未来は俺に許可を取るようにそう聞いてきた。

レンチで殴られた頭は何針も縫わなければならない重傷で、当時貴重だったノーマでの治療中に。

俺から奪い取った彫刻刀を左手で握り締め、ボロボロと泣きじゃくる俺の手を、右手で繋いでくれていた未来。その時初めて、あいつは涙を見せた。


──演技を、俺がさせてしまったんだ。


いつもみたいに「大丈夫だよ」と言ったら、そんなわけないと俺が否定するから。「平気だよ」と伝えたら、自分のせいなのにと俺が自己嫌悪に陥るから。

ああ、今この場でだけはいつも通りでいてはいけないんだと。これ以上俺を苦しめないためにはどうしたらいいんだろうと考えて。

そうして出てきたのが、求められるはずの感情を見せるという手段。

つらくて悲しい。それを表現しなくてはいけないのだと、あいつは理解した。

弱音を口にせず、大丈夫だと暗示をかけ続けることが、自分の心を守る唯一の方法だったのに。


「弱音を口に出さないことで、その場を乗り切る。その時だけは強くあれる。……そんな、自己暗示にも似た言葉で、あいつは自分の身に降りかかる厄災を跳ね除けようとしていた」

心の声を漏らしてしまえば、耐えられなくなる。幼いながらにそうわかっていた未来は、誰にも「助けて」とは言わなかった。

一番近くにいた俺にも、頼れる凪さんにも。

絶対に、本当はつらいんだよと伝えてはくれなかった。

演技で作り出した涙の中に、口から出せない思いを全て含ませて、混ぜ込んで、流して消し去った。


(今のは……ちゃんと、夢だ)


「隆、いいよ。私といたら、ほんとに死人になっちゃうかもしれないから」


周りから言われた言葉を、未来は本当の事として受け止めるようになってきた。

死人菌が移る。あいつといたら死人になる。

そんな、死人というものに謎が多すぎるだけに、ありえないとも言えず。


「すごいなこれは……体は人間なのに、瞳だけは奴らと全く同じ作りをしている」


色だけではなく、性質やーーも、彼ら死人と変わらないと研究者は言った。

けれど、どれだけ調べてもやはり未来は人間で、碧眼だけが異質だった。


目の謎を解き明かすために、体をまさぐられ、何が違うのかと隅々まで研究される。

目の前にいるのは、幼い顔をしているが成長期に入りだした女の子だ。

大人になっていく段階の、一時しか見られない身体の発育具合というものは、ある一定の男たちにとってはーーだろう。

少女は抵抗していなかった。

それがどんな意味を持っているのかすら、おそらく理解していなかった。

ただいつものように、人でないモノのように、研究対象として調べられているのだと思っていたのだろう。

カーテンの隙間から見えたその光景に、凪が咄嗟にその扉を開けなければ、その後彼女がどうなっていたかはわからない。

男たちを凪はーーな顔で睨みつけ、少女に自らの上着を着せた。

その行為──なぜ今服を着せられたのだろうと、それすらも疑問に思っている光のない青い目を、凪は今でも忘れられない。

もう少し歳を重ねれば、この子もきっと気付くだろう。

こんなところに居させてはならない。

凪は司令官へ相談に行った。

自分の親には頼れない理由があって、まず頼みに行くとしたら彼のもとと決まっていたからだ。


「……条件付きで、一番をあの施設から出してもいいことになった」

「条件……ですか?」


政府というものはどこまでも非情で、人間らしくなかった。

未来の体からDNAを採取して、コピーを作ろうとしていたのだ。

そうすれば、()()がいなくても研究を続行できる。

隠そうともせずに、彼らはそう告げた。



「……結局、そんなことはどんな化学を使ってもできなくてね。上手く捕まえたその辺の死人のデータと、今までに調べた未来のデータを照らし合わせて、新たな研究段階に入ったらしい」


未来が男たちにどんな目にあっていたかという部分は省き、凪は一旦締めくくった。


「その……あと、未来ちゃんは?」

「ん。とりあえず解放されて、一度土屋家でお世話になることになった。あんまり覚えてないけど、」


「未来には申し訳ないけど、マダーが国と対立にはそういう背景もあるんだ」

「死人のことがわかるかもしれないのに、全く協力しようとしない哀れな◼️ってね」



「……ヘンメイ。もう、いいよ」


視線を下へ向けた。


「演技はやめてくれ。見てられねぇ」


『なに、言ってるの?』


震えるヘンメイの声。

剣から動揺が伝わってくる。

やっぱり。そう思って、俺は槍を◼️持ったまま顔を上げる。ヘンメイの目を見つめた。


「俺さ。相手の言葉と表情が、本気なのかどうかを見分けるの得意なんだよ」


あまり好きではない記憶に少し触れる。

罵倒されて、気味悪がられて。バケモノだの死神だの、耳を塞ぎたくなるような言葉と暴力の数々。

耐え難い悪意の視線を、年端もいかない頃から受けていた未来のことを。


今でこそ未来は平和に学校生活を送れているし、友だちにも囲まれてる。でもそれは、周りから蔑まれても、どんなに苦しくてもあいつが我慢して乗り越えてきたからだ。


「大丈夫やよ」

「平気、平気」


何度も聞いた。違うとすぐにわかるような、俺を安心させるための偽りの言葉。

聞くたびに俺は言った。そんなわけないと。こんな目に合わされて、大丈夫なわけがないと。

俺は泣いて謝った。

未来が泣かないから。笑うから。

代わりに泣いたって、謝ったって、あいつの苦しさや痛みを受け取ることはできないのに。ぬぐい去ることもできないのに。


でも、小四のある日を境にして、未来も泣くようになった。

嫌なことや、つらいことがあった時。

痛い思いをしたとか、苦しいと感じた日にも。


多分、実際に現場に居合わせた俺が、大の大人に向かって刃物を突き付けたせいだと思う。

ただ下校をしていただけなのに、青い瞳で未来を死人と決めつけたそのひとは、そばにいた子どもを守るために、手近にあった工具で未来を殴った。

何が起きたのか、すぐにはわからなかった。

ただ、「逃げろ、早く」と。立派な大人のように、勇敢な大人のように言ったその人は、俺に背中を向けていた。

俺を守ろうとして、未来の前に立ちはだかった。


「……私も、泣いていい?」


コトが終わってから、未来は俺に許可を取るようにそう聞いてきた。

レンチで殴られた頭は何針も縫わなければならない重傷で、当時貴重だったノーマでの治療中に。

俺から奪い取った彫刻刀を左手で握り締め、ボロボロと泣きじゃくる俺の手を、右手で繋いでくれていた未来。その時初めて、あいつは涙を見せた。


──演技を、俺がさせてしまったんだ。


いつもみたいに「大丈夫だよ」と言ったら、そんなわけないと俺が否定するから。「平気だよ」と伝えたら、自分のせいなのにと俺が自己嫌悪に陥るから。

ああ、今この場でだけはいつも通りでいてはいけないんだと。これ以上俺を苦しめないためにはどうしたらいいんだろうと考えて。

そうして出てきたのが、求められるはずの感情を見せるという手段。

つらくて悲しい。それを表現しなくてはいけないのだと、あいつは理解した。

弱音を口にせず、大丈夫だと暗示をかけ続けることが、自分の心を守る唯一の方法だったのに。


「弱音を口に出さないことで、その場を乗り切る。その時だけは強くあれる。……そんな、自己暗示にも似た言葉で、あいつは自分の身に降りかかる厄災を跳ね除けようとしていた」

心の声を漏らしてしまえば、耐えられなくなる。幼いながらにそうわかっていた未来は、誰にも「助けて」とは言わなかった。

一番近くにいた俺にも、頼れる凪さんにも。

絶対に、本当はつらいんだよと伝えてはくれなかった。

演技で作り出した涙の中に、口から出せない思いを全て含ませて、混ぜ込んで、流して消し去った。


「なぁヘンメイ。お前、本当は正気なんだろ」


あの時の未来と、ヘンメイの今の行動や言葉が、重なって見える。

何かを守るために、求められる演技をしてる。




「そいつは調べた。死人のデータと未来のDNAを使って、自分の意思を意図的に死人化させたんだ」



四天王襲来



『やぁ、こんにちは』

『はじめまして、ですね?土屋隆一郎君』

「お前……まさか」


右目につけた黒い眼帯。アッシュの髪色、ショートヘアーの下半分をフィッシュボーンにした、丁寧な喋り方をする男。


「十二月の産月……師走」

『おやおや、私のことを知っていますか?なぜでしょう。……ああ、「ケト」でしたっけ。彼が色々話してるんですねェ』


戦闘態勢に入ろうとすると、師走は両手を上げた。


『ふふふ。怖いですよォいきなりキューブを使っては。私はあなたたちに戦いを挑みに来たわけではないのです。どうか話をお聞きください?』

「話?」

『ええ。と言っても……話をしたいのではあなたではなく、あなたのお師匠様ですけれど』


ふふと口角を上げ、彼は続けた。


『ナギという青年を連れてきていただけませんか?私は彼と一度話をしてみたい。こちら側とそちら側、お互い何を思っているのか、どうしたいのかをね』

「……あんたが、凪さんに手を出さない証拠は?」

『おっと。それは難しい質問ですねェ。なんとお答えしましょうか?』


うーんと考えるような仕草を見せた師走は、空を仰ぐ。チリンと鈴の音が鳴った。


「隆一郎。下がりなさい」


後ろからかけられた聞き慣れた声の命令に、俺は思わず振り向いた。

そこには鋭い眼光を灯した先導者がいた。ゆっくりとこちらへ歩み、俺の横に立った凪さんは、一度クイと顎を上げて再度俺に下がれと命令する。


『おや……ナギ自ら来て下さるとは。嬉しいですねェ、ありがとうございます』

「こちらこそ、わざわざ出向いてくれてありがとう。でも昼間に来るのはちょっといただけないかな」

『なんと?私は気を使って昼間に来たのですが……裏目に出ましたか?』

『昼ならば仲間が沢山いるでしょう?』と師走は周りを見渡した。

周りには、この学校にいるマダー全員が集まってきていた。


「確かに仲間は沢山いる。けれど同じように、戦う力を持たない子たちも多くいるんだ。君は僕たちのためと言いつつ同時に大量の人質が取れる昼を敢えて選んだ。違う?」

『くくく。疑り深い人ですねェ。そんなふうに言われてしまうと、そうにしか思えなくなってくるではありませんか』


まるでそうは思っていなかったと言いたげに笑うが、演技であろうことは明らかだった。


『でも……キューブをまだ使っていないところを見るに、私のお話にお付き合いくださるという認識でよろしいですか?』

「内容によるけど、今は聞こうと思うよ。僕だって無駄な戦いはしたくないし、抵抗のない死人を襲うほど鬼でもないからね」


そう言い切った凪さんは、「だけど」と顎を上げる。


「もし僕の大事なこの学校、ここにいる人たちに危害を加えようとするのなら、僕は容赦なく武器を取る」


師走を睨むように見下ろした。


『ふふふ……いい顔をしますねェ。素敵ですよ、無傷の先導者』


嫌な予感がする。

あの凪さんが、信頼を寄せている流星さんや湊さんまで離れさせた。


『交渉決裂……ですねェ。残念です』

『ではナギ。殺り合いましょうか』

『あなたのその強さをもって、私を倒してみてください。そうすればもうあなたたち人間は怖いもの知らずです。なにせ……』

『死人と呼ばれる存在の中では、私が一番強いとされていますから』

「……どんなに強い相手でも関係ないよ」

「僕は、僕の守るべきもののために戦う。戦いに快楽を覚えるお前には負けない」


「隆」

「この学校の人、全員を体育館へ移動させて。マダーも全員」

「え……マダーも、って」

「もちろんお前もだ。避難が済んだら何重にも盾を張りなさい。誰もここに近付かせないで」

「……おそらく、この周辺は吹き飛ぶだろうから」




斎に直してもらうもキューブ使えない状態で師走に学校襲われる

「展開してくれ。なぁ、頼むよキューブ……!」

応えてくれない分身。

お前には幻滅した。

もう力は貸さない。

そう言われているようで、惨めだ。


『ダメですよォ。いくら体を回復できるからといって、大切な我が身を捨てたりしちゃァ』

「……っ、ぐ……!」

『ふふ。痛くて叫べませんか?それとも、肺が潰されているから叫べないだけですかァ?』


ボタボタと血が滴る。


『しかしまァ、よく避けたこと。心臓を狙ったはずだったんですけどねェ、ギリギリです左へ体をずらしましたね?』

『でも避けきれなかった。どうします?肺を片方失ってしまえば、酸素も十分には回りませんねェ』

『このまま私の拳が入りっぱなしなら出血はマシかもしれませんが……代わりにヒールは使えない。痛みもおさまらない。徐々に衰弱するしかないでしょうねェ』


ズバン!!


『……おや』


切り落とされた腕を見る師走。

隆一郎の【火炎の剣】で


「隆……お前、来るなと、あれほどっ……」

「無理ですよ……凪さんが、こんなになってるのに……安全なところで黙ってるなんてっ、俺には無理です!」


前のめりになる凪を支えた隆一郎は、地面に腰を下ろさせる。

凪は手を地について浅い呼吸を繰り返した。


『あなた……面白いですねェ。もし今の一撃で私の腕を切れなかったら、あなたのお師匠様の胸は裂けていましたよ?』

『切れる、切り落とせる自信があった……ヘェ。さすがはナギのお弟子さんといったところでしょうか』


「……隆」

「この腕、焼き切ってくれ。灰になった、瞬間に【ヒール】で修復する」

「っはい!」

『ふふっ、させませんよ?【コピー・アンド・ペースト】』

「【回禄】」


炎の盾を前にそれは


「凪さん。さんにいちで焼きます」

「うん……たの、む」



「さんにいち」

『【コピー・アンド・ペースト】』

『【】!!』

「【バックドラフト】!!」


『おお、これはびっくり。あなた、頭の中どうなってるんです?』

『今の。ナギの体の中にある私の腕だけを正確に瞬時に焼いて、盾で周りからの攻撃を守りながら私の強行には別の盾を。そしてその間にその炎の中を一酸化炭素にして攻撃が入ったと同時に反撃』

『しかもナギに吸わせないですむよう本当に一瞬でやってのけましたねェ……よくそれだけのことを一つの脳でできること』


『……いやぁ、実に面白い。面白いですねェ』

『いや、ねェ土屋隆一郎君。正直に言いますと、私はあなたにそこまで期待はしていなかったのですよォ』

『弱い正義の塊だと思っていました。逆ですねェ、あなたは強い。この私が保証してあげましょう』

『ただ……』

「ゴフッ」

「隆……!?」


口に手を当てて片手地面についた瞬間、吐血。

土が血で染まる。


『さすがに全ては防ぎきれなかったようですねェ』

『内臓がくさりかけているはずです』

『それでも形が残った……これは素晴らしいことですよォ』

『良かったですね?ナギ。彼はあなたの【威光】程度では死なないほど強いと今ハッキリわかりました。自慢のお弟子さんですねェ』

『ですが、それはお弟子さんだけの話』

『周りをご覧下さい?』


血に染まった体育館


『どこに逃がそうが、守ろうが、私には関係ありません。強い者にひれ伏すしかないら弱き者。彼らに待ち受けるのは死のみであるのですから』

『あなたのせいですよ。ナギ』

『あなたが私たちの同胞を殺す際、使っていた技のせいであなたの大事なものは壊れてしまう』

『あなたがいなければ、あなたが我ら同胞を殺していなければ、彼らも死なずに済みましたでしょうに』


「ちがう……」

「凪さんがいるから、俺たちは今まで生きてこられた」

「凪さんが守ってくれていたから、俺たちは平和でいられた」

「お前たちを殺すのは、お前たち悪意ある者から人を守るため。国を守るため」

「大切なものを、失わないため」

「凪さんがしてきたこれまでの全てがあって、今俺たちはここにいる」

「凪さんを悪く言うな。蔑むな」

「誉れ高きこの国の宝。傷つけることは俺が許さない」

『……あなたは時々、別人のように見えますねェ』


「【ヒール】」

「どうして……」

『無駄ですよォ』

『鞭の死人……華弥を憶えていますか?』

『彼女にあなたはしていましたね?鞭を斬る際、異物を纏わせる』

『同じことを彼の体にもさせて頂きましたから』

『あなたがどれだけ【ヒール】を使おうと、彼の中に私がいる限り、体は治らない』

『土屋隆一郎は、終わりです』


凪さんは立ち上がる。


「凪、さん……」

「隆一郎。少しだけ待っていて」

「絶対に、お前を死なせない」


凪さんは俺の前に立つ。

左手の『光』の文字に目を落とし、ギュッと手のひらを握った。


「【光速】」


『……っ!?さっきよりも速くなりましたねェ』

『わかっていますか?あなた。怪我は治っていると言っても、どれだけ血が出たと思っているんです?』

『あの血の文字を持つ彼と違って、あなたは失った血までは補充できないのでしょう?こんな動きをつづけては、死にますよ?』

「死なないよ」

「残念ながら、僕は死ぬ運命にないからね」

『何を言っているんです?人間には寿命があり、病気があり、大きな怪我をすればすぐに死ぬのですよ』

『死ぬ運命にない?何を抜かしているのですか?』

「僕は、大事なものを奪われた」

「大切な居場所。友達、仲間。守れなかった」

「守れなかったのは自分の不甲斐なさ。だけど、奪ったのはお前だ」

「僕はお前を許さない。たとえこの身がここで終わりを迎えるとしても、お前だけは必ず始末する」

『ふふっ……ナギ。あなたは人間よりもこちら側に近い』

『バケモノじみたその力、私をワクワクさせてくれる』

『ならば続けましょう。最後の最期まで。どちらかが尽きるまで!!』



(おぼろ)げ】小さいサイズで指で作る

『コピーアンド、拡大・・ペーストッ!!』


小さく作ったはずの【(おぼろ)げ】が、学校を覆うサイズで展開された


「なっ……」

『これで学校中全員、人質ですね?』



『ダメですよォ?相手は一人だなんて思っては』

後ろから、【ツインズ】

刀を肩と背中に刺され、字面に倒れる

『すみません、時間のようです』

『お呼び出しがありましてねェ……なにせ、私の主人はわがままな方ですから』

『今日だってナギに会いに行くと、何度も交渉したんですよォ』

『いやしかし、良い刺激を頂きました』

『あなたとの決着がつかなかったのは非常に残念ですが……この楽しみはまた次回といたしましょう』

『ああ、いくらあなたがバケモノのような体を持っていても、さすがにこのまま放置していけば死んでしまいますねェ』

『キューブが剥がれてしまっては回復できませんものね』

『止血。して差し上げますね』


刀を抜かれる。


「ぐっ……!」

『すーぐ楽になりますからねェ、大丈夫ですよォ』

『【コピー・アンド・ペースト】』

『ヒール』


凪は目を見開いた。

自分の技を敵に使われ、それによって命を助けられる。

屈辱以外のなにものでもなかった。


『では、私はこれで。楽しかったですよ、ナーギ』


ぽんぽんと頭に手を置かれ、立ち上がった師走は、『ではまた』とさよならのセリフを口にする。


『再戦できる日を楽しみにしていますね』


「……のっ、まて……!」

「隆、いい」


「……追うな」

「おそらく、奴は本当に上の者から呼び出されたんだろう。そうでなかったらこの状況で、僕もお前も生かして去る理由はない」

「きっとしばらくはまた姿を見せない。奴が僕との再戦を望んでいるのであれば、次に来るのは僕が完全復帰してからだ」


ふらりと立ち上がった凪さんは、俺に【ヒール】をかけて手を伸ばした。


「立てる?」


泣きそうな顔をして。


「……はい」


手を借りて、立ち上がる。


「完敗だよ」

「泣いてる暇はない。とにかく怪我人の救助。とても心苦しいけど、マダーを優先して助けていく。いいね」

「はい」


「未来」

「キューブ、ありがとう」

「ごめん。倒せなかった」

「……凪が、生きていて良かった」


力の入らない体を精一杯動かして、未来は凪を抱きしめた。


「……うん。未来も、生きていて良かった」


抱き締め返した凪さんは、その後未来を抱き上げて



「ざけんな……未来を犠牲にしての平和なんかいらねぇっ!」

『見せかけの正義なんかいらないんですよォ。国を守る、人を守るという点においては、ハズレの方がよっぽど本質を見ていますよ?』


『口約束でいいんですかァ?』

師走、【伴侶はんりょ】使って未来と契約の提案

『そうすれば、あなたは私たちに攻撃できなくなる変わりに私の行動を見ていなくてもわかるようになります。今どこにいるのか、何をしようとしているのか、何をしたのか。』

『仲間を守りたいなら逐一止めればいい。技を使って誰かに知らせるでもいい。あなたは私のそばで、私の動向を観察できる』

『ね? 悪い提案ではないでしょう?』


「み、く……」

凪が未来の手を掴む。

その手に力は入っていない。

意識を繋ぎ止めるだけでら精一杯の先導者。

いつもの力強さは、今の彼にはない。

守るには──。

みんなを守るには、選ぶ答えは一つだろう。

未来は凪をそっと抱きしめる。

ありがとう、と伝え、向き直る。


「契約する。──誰にも手を出さないって約束して」

『いいでしょう。私も無駄な戦いはしたくありませんから』


未来のおでこに赤い紋様

連れていかれる

残された凪と隆


そして、救助が終わった頃。

凪さんは倒れた。

俺の肩に寄りかかるように

俺よりも身長があって、体が出来上がっている凪さんの、軽い体。

出血のしすぎで驚くほど軽くなってしまった体を抱き抱えた。


半身動かない→ヒールでも回復しないダメージ。何度も殺された。脳は凪を既に死んでると認識してる。呼吸をしない。呼吸器つながれ、しばらく。


目の前で殺される→逃げられる→次会った時の憎悪


ゴミ箱壊され一気に死者


中盤 四天王の一人現れたことによって日常の一変。常に戦わねばならなくなる


「…凪?」


傷だらけの凪


「おーい相沢。何してんだ座れー」


目が離せない


空間が光る


凪の周りのマダーが粉々になって消え去る。


「…ッ!凪ッ!」


キューブを展開して窓から飛び出す


「【羽状複葉】ソテツ!」


凪がこちらに気付く。


「来るなッ!!」


初めて聞く凪の怒鳴り声。直後、上空にいる死人の手が動く。


やばい気がする!


「【葉脈】アクセルモード」


「「【盾】!」」


グラウンド以外の建物と自身に盾を張る。


間に合わないマダー達がまた粉々になって消え去る。


凪の所へ行く


「【強靱(ミツマタ)】」


お互いの防御力の強化


「【治癒(ノコギリソウ)】」


初めて見る、凪の体にある怪我。切りつけられて、刺されて、血が滴る。


「来るなって言ったよ」


口についている血を拭う。


「ごめん」


諦めたようにため息をつく凪。


「…正直、助かる」


「なんなの…あの死人は…」


「わからない。わかってるのは」


「恐ろしく強いってことだ」


『キィーッアッハハ!増えた増えた。人間が増えた!!ヒャァッハハー!!』


笑う。笑う。


上から襲いかかるマダーを見ることも無く手が彼を掴む。握りつぶす


『弱いなぁ。ああ、弱い。キキッ』


『そこの女ァ』


『隣にいる男は強い…が』


『お前は、強いのか?』


「未来」


「わかってるだろうけど、あいつは元に戻せないからね」

「…うん。わかってる」


奴の感情は、哀しみではない。溢れかえるほどの、殺す事への快楽。


『ああ。お前、相沢未来か』


「!?」


『知っているぞ。知っているぞ』


()()()()に選ばれし忌み子よ!!』


「凪」


「あいつ、何か知ってる」

「うん、そのようだね」


「未来」


「捕るよ」


「…いえっさー」


笑って言う。

「いや、行かない方がいい」


「どうして?一緒に戦った方が…」


「今俺たちが無闇に参戦しても、邪魔になるだけだ」


「未来と凪さんは、ガキの頃から一緒に死人の討伐をしてた。…ぶっちゃけ、あのふたりは俺とよりも長い期間共にやってたから、当然お互いの事だって分かりあってる」


「今俺たちにできることは、ふたりが何も気にせず戦えるように、ここを守ることだけだ」



記憶を遡る

『ああ、いいものを見つけた』

『光の住民たちよ』

ぴく

『我が闇の力の前にひれ伏せ!!』


____!!


「カランコエ!!」


悲鳴。周りのマダーが粉々になって破裂する。

凪が動揺する。


「未来!」


膝をついて吐血


『くくっ、何人かは生き残ったようだな。良かったなあ弥重なぎ』

『しかしまあ、何故自分ではなく他人を守ろうとするのか……理解に苦しむよぉ』

『ああ、やめておけ? 無理をするものじゃぁないさ。無理に立ち上がろうとすれば……』

『その腐りかけている内臓が粉々になるよぉ?』


「……はっ……はぁっ……」

『死神さまがお喜びになる。あのお方もお喜びになる!!』


「未来」

「寄越せ」


手を絡ませる


「【葉脈(ようみゃく)】……アビリティ、オール」

能力全て凪に移行

未来意識失い倒れそう

凪支える

「ありがとう。ゆっくり休んで」

「キューブ」

「力を貸せ」

「未来を死なせたくないだろう。なら、力を寄越せ」

右腕に未来のキューブが貼り着く

両方の能力が使えるようになる

「【朧げ】」

足を自ら切断して逃げる

回復 コピーだから


心臓捉えた

でも違う位置で元に戻る

『コピーアンドペーストだよぉぉおっ!!』

『まあいい。当初の目的はゴミ箱のかんつい。それが果たせたのだからそれでいい』


「全て話すよ」

「君たちは、どうして死人が0時以降に生まれるのか、ゴミ箱からしか生まれないのか、考えたことはない?」

「理由は、昼間に生まれた死人については、僕たち高校生マダーが討伐しているからだ。討伐し損ねた死人だけをゴミ箱に入れているからだ」


「どうして? 私も知らない」


「僕がお願いした。僕より小さな子が戦って死ぬ姿なんて、見たくなかった」

「昼も夜も討伐に出させるつもりなんですか? 彼女たちはまだ6歳です。そんなの、常識的にありえない!」

「それなら僕たち年上のものが頑張ればいい。死への脅威が近づかないように、命を落とすことのないように」


「じゃあ幼い我が子を戦場に出したいと思う親がいると思う?

未来に関してはごめん、まだ目が青いことに理解がなかったころだったから、新しいマダーが未来を敵として認識してしまうことを恐れたんだ」

よく考えてみて、未来も長谷川さんもマダーになった当初は6歳でしょ。小1だよ?

年上のマダーが増えたこともあって、


「本部の人間も鬼じゃない。国の人間を守るために幼い命を昼も夜も前に出すなんて考えたくない」




「弥重?」

「流星……」

「どう、なった」

「お前が倒れてから、三日が経ってる」


凪さんは目を見開いた。


「三日……そんなに、寝てしまっていたの?」


起き上がろうとするが、


「ごめん、流星。ちょっと、体を起こしてもらってもいいかな」

「ああ。大丈夫か、ノーマと阿部の回復の併用したんだけど……痛むか」

「ううん、痛みはない。痛くは……うん。ない」


「ごめん。右側には、誰がいるのかな」

「私」

「未来……悪いんだけど、ちょっと足先から触っていって貰えないかな」

「ど、どれくらいの力で?」

「……今、どれくらい?」

「そっと触ってるぐらい」

「じゃあ、全力でつまんでくれる?」

「……」

「そのまま、上に順々に触ってもらえるかな?」

泣きそうになりながら

「今、肩……」

「……うん。じゃあ、そのまま指先へいってくれる?」


唇を噛み締める。


「ごめん。未来以外に、誰か……右側にいるのかな」

「俺がいます」

「僕も」


「少しだけ大きな声で何か話してもらえる?」


「……僕の右目は、涙が出てるのかな?」

「凪さん……」

「右目は……開いて、ないです」


「……そっ、か」

「未来。こっち側にきて」

「僕は、笑えてるかな?」


にこりと微笑むが、それも──

未来が凪さんの右頬に手を添えて、涙を流しながら彼の頬を持ち上げた。


「こうしたら……っわらえ、てる」

「……そっか。それじゃあ、ダメだね……」


髪ぐしゃぐしゃにする

「目、隠れたかな?」


右半身動かなくなる


「未来は?」

「となりに……」

「弥重」

「お前、そのまま顔動かさずに、俺が今どこにいるかわかるか」

「……ごめん」

「はは……全くお咎め無しでキューブが力を貸してくれるわけないと思ってはいたけど」

「まさか……右半身、全部感覚無くすとは……さすがに、想定外だったよ」


「流星、ベッドおこしてもらっていい?」

「どれくらいだ」

「あともう少し……うん、それぐらい」

「湊」

「負担を強いることになるけど、未来の分と一緒に、僕の半身の拘束もお願いできるかな」

「さすがに負担が大きいからいつもじゃなくていい。戦う時だけ……日常の不便は、自分の責任だからどうにかする」

「流星」

「僕がいない間、指揮をお願い」

「わかった」

「じぃ」

「流星は、指揮は優れてるけど口が悪い。若い子たちは流星のはっぱを悪口として取るかもしれない。フォローをお願いしたい」

「御意」

「ルカ。ケイ」

「はい」

「ケンカをしないように。お互いの存在を認めあって、二人だからこその戦い方をこれからも探し続けなさい」

「ケンカなんてしねぇよ!ケイのやつが色々つっかかってくるからっ」

「愚兄のそういうとこでしょうがっ!?」

「ほら、言ったそばから。雫、二人を見ていてあげて」

「はい。凪様」

「タバコの人」

「あい」

「タバコの火に気をつけてね」

「ぐっ、ぎょ、御意」

「うん。索敵を続けて」

「トキさん。いつも通り、美味しいご飯をみんなにお願い」

「もちろんですよっ。凪ちゃんのご飯はどうしましょ?」

「わがままを言っていいのなら、少し栄養価の高いものを。だけど半身が動かないとあって消化機能が上手く作用しないかもしれないから、消化のいいものでお願いできるかな」

「かしこまりっ」

「うん。みんな……ごめんね。よろしくお願いします」

「ユキ」

「しばらく抜ける。統率を頼むよ」

「かしこまりました」

「殿」

「どうか、ゆっくりなさってください。あなたはいつも頑張りすぎだ。こんな時ぐらい、急がずに」

「あなたが指名したメンバーです。早々俺たちがやられることなどありません」

「俺たちを信じて、少し、気を楽にしてください」



「肺が片方になると、これだけ喋るのもしんどいのか……」

「内臓って、右半身何があったっけ」

「どうやら完全に真ん中から右というわけではないみたいだ」

「心臓って、左なんて言われるけど実際はほぼ真ん中でしょ。だけど体感では、心臓の動きに変化はない」



うなされる

「……凪、ずっと苦しそうだった」

「私になにか、できることはない?」

「……手を握っていて」

「ひとりに、しないで」



「ダメだってば……凪!」

「ね、お願いだからやめてっ!」

「ねぇ凪っ、凪ってば!!」

夜中頑張る

次の日

「ああ、りゅーちゃん、丁度良かった」

「未来に布団掛けてあげてくれないかな。今頑張ってたんだけど、全然上手くいかなくて」

「びっくりしたよ。布団ってこんなに重かったっけ?って思ってさ」

「凪さん……休んでください」

「未来の気持ち、わかったでしょう?」

「焦るのはわかります。俺たちも、そうだから。でも……」

「頑張らないでください」

「未来を、泣かせないでください」

姫だっこ連れ帰る

「……ごめん。頭、冷やす」

「今日は休むよ」


「何やってるんですか?」

「ん、口角を上げる運動」

「こうして、ここを上げて」

「……何してるの?」

「「口角を上げる運動」」

「どうするの?」

「ここをこうして……」

続く

最後、トキ

「凪っちゃあああんごっはんよ……ってあら。みんな何してるの?」


加藤死


討伐にいく隆、未来

恐らく手が足りん。司令官の命令で増員

「凛ちゃん。お願いできるかな」

「危険なんだけど」

「もちろん。アタシを誰だと思ってんの?」

「相沢。僕も行きたい」

「秀……」

「危険だよ」

「わかってる。でも、僕も力になれると思う」

「ありがとう」

「じゃあ、このメンバーで」

「俺も」

「俺も……行かせてくれないか」

「斎……」

「仇、うってやりたい」

「……敵討ちに行くんじゃない」

「討伐死に行くんだよ」

「ごめん。きついこと言うね」

「今の斎じゃ、足でまといになる」

「元より厳しいと思われる先で、不安要素を増やしたくない」

「……土屋も、そう思う?」

「……悪い。司令官が、俺と未来の二人で行くことを許可しなかった時点で、かなりやばいところだってことは俺たちが一番わかってる」

「斎がすごいのはわかってる。マダーになってまだ一年も経ってないのに、メカを使いながらとは言え強敵を難なく倒してきた」

「……けど、今回は桁外れの相手だ。もし何かがあったとき、俺は斎を守ってやれる自信が無い」



【フリーメモ】

あと……加藤が、転校するらしい。

家の事情だそうだけど、寂しいこと極まりない。

なんせあの五月蝿さだからな。


俺たちが遠征に行ってる間は、秀と斎がペアになって夜の当番を行ってくれているらしい。ありがたいことだ。


加藤転校


「…のう、相沢。もし、臨世の件がなければ…ワシにも、可能性があったんじゃろか?」


「うーん…どうだろう」


靡く髪を抑えながら言う。


「私には…翔君がいない過去を想像することは出来ないから。だから…わからない」


「そうじゃよな」


「でもね」


「加藤君は、素敵な人だよ。だから、自信を持っていいと思う」



「また、会えるといいな」


「うん。またどこかで」


「次に会った時は、今度こそ惚れさせてみせるからな!覚悟しとけよ?」



学園祭


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ