さいご
まず二人の処遇。谷川家に来る際はキューブの持ち込みを禁止、帯刀ならぬ帯キューブを次回からも続ける場合、いわゆる出禁とされて二度とここには来られないとのこと。
二つ目。この家のルールとして、あの三つの防衛を突破すれば今後は襲われずに谷川家に入れるようになるところ、二人については今後も誰かが迎えに行かない限り解錠されない特別仕様が課せられた。あまりにも危険すぎるコンビネーションをシステムが『キケンジンブツ』と判断したらしい。
「部屋荒らしたのは俺の意思じゃない……」
ずっとしょんぼりしている隆一郎には悪いけれど、その表情は子犬のようでなんだかかわいらしい。
ただ、それなりにまずい問題がもう一つ。
「キューブのメンテナンス及び修理の受付拒否……それ、ちょっと怖いね」
未来が抱いているコウモリ人形が読み上げた最後のルールに、一同騒然とする。
復唱した未来も悩ましい表情をした。
キューブが壊れたという事例は今までにないが、絶対の保証などどこにもない。ずっと使い続ければどこかで調整は必要になるだろうし、もし何かしらの事情で壊れでもしたら──二人は今後、マダーではなくなる。キューブが使えなければ戦場に出る資格はないのだから。
「やっちゃったわ……普段相手にしないような敵が出てきて、つい完全勝利を狙いたくなっちゃて」
「まあ、機械がそう言ってるだけだからさ。研究所じゃなくても修理はできるし、そう悲観的になるなって」
ここまで大ごとになると思わなかったらしい凛子へ斎が励ましの言葉をかける。バタバタして研究所の作りを話し忘れた俺にも非があるから、と。
大事な場所を守るためのシステムを友だちだから、なんて気軽に外せないことは皆わかっている。斎に怒る人はいない。
凛子の考え方はマダー視点では少々納得することもあって、誰も責めはしなかった。否、優だけは「悪ふざけの域を超えとるんじゃお前はっ……!」と怒りをあらわにしていたが。
これからはむやみに力で押し込むのはやめようと学んだ
結果。『キケンジンブツ』のレッテルを貼られた。
技の使用はもってのほか。
「斎はしばらく休めんのか?」
首を横に振られる。
「早々休めねーの、この業界。常にいい方を目指して頑張らなきゃだから」




