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E-COREの少女と黒霧の侵入者  作者: 若路


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第5話 軍施設へ

王女レギーナの護衛隊が食堂の前に整列し、

周囲の空気は一気に緊張に包まれた。


蒼い軍服の兵士たちが、

無言で店を囲む。


ミナがエルンの腕を掴む。


「エルン……本当に行くの?

 軍施設なんて、絶対ただじゃ済まないよ!」


アリアはエルンの袖を握りしめ、

魔核を不安げに震わせていた。


「……エルン……

 いかないで……

 こわい……」


エルンは二人を見つめ、

ゆっくりと息を吸った。


(逃げることもできる。

 でも……アリアの魔核はまだ不安定だ。

 黒霧も迫っている。

 このままじゃ……守れない)


レギーナが静かに言った。


「エルン。

 軍施設なら、アリアの魔核を安定させるための設備がある。

 あなたの技術も……正式に調べられる」


ミナが睨む。


「“調べられる”って言い方が怖いんですけど!」


レギーナはミナに向き直る。


「心配は分かるわ。

 でも、黒霧は王都ネットワークに侵入している。

 このままでは……あなたたち全員が危険よ」


アリアが震える声で言う。


「……くろい……なにか……

 ちかづいてる……

 エルン……まもって……」


エルンはアリアの手を握り返した。


「……行こう。

 アリアを守るために」


ミナが叫ぶ。


「エルン!!

 あたしも行くからね!!

 置いていったら許さないから!!」


レギーナは微笑んだ。


「もちろん。

 あなたの技術も必要になるわ、ミナ」


ミナは顔を赤くしながら言う。


「べ、別にエルンのためじゃないし!

 アリアの魔核が気になるだけだし!」


アリアはミナを見つめ、

小さく微笑んだ。


「……ミナ……やさしい……」


ミナは耳まで真っ赤になった。


「ち、違うってば!!」


---


店の外には、

魔導転移装置を搭載した軍用車両が待機していた。


車体には魔導刻印が走り、

内部には魔力炉が低く唸っている。


ミナが目を輝かせる。


「うわ……最新型じゃん……

 父さんの工場にも入ってないやつ……!」


レギーナが説明する。


「王都の中枢施設へ直行するわ。

 黒霧の侵入を防ぐため、外部ネットワークは遮断してある」


エルンはアリアを抱きかかえ、

車両に乗り込んだ。


アリアはエルンの胸に顔を埋め、

小さく呟く。


「……エルン……

 いっしょ……

 ずっと……」


エルンは優しく頭を撫でた。


「大丈夫。

 どこにも行かない」


ミナはその様子を見て、

胸の奥がざわついた。


(……アリアって子……

 エルンにだけ特別すぎない?

 なんで……?)


レギーナは車両の扉を閉め、

静かに言った。


「出発するわ。

 王都中枢魔導施設へ」


魔導炉が光り、

車両が転移の光に包まれる。


---


転移の最中、

アリアの魔核が突然ノイズを発した。


**ピッ……ピピ……ッ……!**


エルンが驚く。


「アリア!?

 どうした!」


アリアは震えながら言った。


「……くる……

 くろい……なにか……

 ここにも……」


レギーナが顔色を変える。


「黒霧が……転移空間に侵入した!?

 そんなこと……あり得ない……!」


ミナが叫ぶ。


「エルン!!

 アリアを守って!!」


エルンはアリアを抱きしめ、

魔核に手を当てた。


その瞬間──

エルンの脳に“黒いデータの奔流”が流れ込む。


**《侵入ログ:黒霧パケット》

《識別:アーク・ゼロ》

《目的:E-CORE奪還》**


(……アーク・ゼロ……!

 やっぱり……アリアを狙って……!)


アリアが苦しそうに呟く。


「……エルン……

 こわい……

 たすけて……」


エルンは叫んだ。


「アリア!!

 絶対に離さない!!」


その瞬間、

エルンの手から“光”が走った。


魔力ではない。

データでもない。


**エルン自身の“光鍵ライトキー”が発動した。**


黒霧が弾かれ、

転移空間が安定する。


レギーナが驚愕する。


「……今のは……何……?

 エルン……あなた……」


ミナは震える声で言った。


「エルン……

 あんた……本当に何者なの……?」


エルンはアリアを抱きしめたまま、

静かに答えた。


「……俺は……

 アリアを守るためにここにいる。

 それだけだ」


転移光が収束し、

車両は軍施設の中央に到着した。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今回のお話はどうでしたでしょうか。

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