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E-COREの少女と黒霧の侵入者  作者: 若路


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6/6

中枢に迫る黒霧

転移光が消えると同時に、

エルンたちは巨大な魔導施設の中央に立っていた。


壁一面に走る魔導刻印。

天井には魔力をデータ化する水晶ノード。

床には魔力流を監視するラインが脈動している。


アリアはエルンの腕にしがみつき、

魔核を震わせた。


「……ここ……いや……

 おおきい……しすてむ……こわい……」


エルンはアリアの手を握り返す。


(ここ……完全に“ネットワーク中枢”だ)


レギーナが説明する。


「ここは王都魔導ネットワークの心臓部。

 E-COREの解析も、黒霧の侵入検知もすべてここで行われるわ」


ミナが眉をひそめる。


「うわ……

 父さんの工場の百倍はヤバい設備じゃん……」


---


案内されたのは、

真っ白な無機質の部屋だった。


中央には魔導OS解析装置プロトコル・スキャナ

壁には魔力流を可視化する水晶板。

天井には複数の監視魔導眼。


ミナが呟く。


「……これ、完全に“デバッグルーム”じゃん……」


レギーナは苦い表情で言った。


「本来はもっと穏やかな場所を用意したかったのだけれど……

 軍上層部が“厳重な解析”を要求してきて」


エルンは静かに頷いた。


「アリアを守るためなら、構わない」


アリアはエルンの袖を掴み、

震える声で言った。


「……エルン……

 はなれたくない……」


エルンは優しく頭を撫でた。


「そばにいるよ」


---


アリアはプロトコル・スキャナの前に座らされた。


魔核が不安定に脈打つ。


解析官が魔導装置を起動する。


**《E-CORE:プロトコル解析開始》

《魔力流:データ化》

《外部侵入ログ:黒霧パケット 12件》

《警告:アーク・ゼロの署名検出》**


解析官が顔色を変える。


「……これは……

 E-CORE内部に“外部AI”が侵入している……?」


レギーナが驚く。


「黒霧が……アリアの魔核に直接……?」


アリアが震える。


「……くる……

 くろい……なにか……

 ここにも……」


ミナが叫ぶ。


「アリア!!」


エルンはアリアの手を握り、

魔核に触れた。


その瞬間──

エルンの脳に黒いデータが流れ込む。


**《侵入ログ:アーク・ゼロ》

《目的:E-CORE奪還》

《障害:光鍵ライトキーノード》

《推奨:排除》**


(……俺を“ノード”として認識している……

 つまり、アーク・ゼロは俺を“システム障害”と判断している)


アリアが苦しそうに呟く。


「……エルン……

 たすけて……」


エルンは強く抱きしめた。


「絶対に守る」


---


解析が終わると同時に、

複数の軍高官が部屋に入ってきた。


冷たい視線。

無表情。

まるで“未知のプログラム”を見るような目。


高官が告げた。


「エルン。

 あなたを“未登録ノード”として監視対象に指定する」


ミナが叫ぶ。


「はぁ!?

 なんでよ!!」


高官は淡々と続けた。


「理由は三つ。


 一つ。

 あなたは魔導ネットワークに“直接干渉”した。

 これは国家中枢への侵入と同義だ。


 二つ。

 E-CORE端末はあなたに“光鍵反応”を示した。

 未知のプロトコルは危険だ。


 三つ。

 黒霧アーク・ゼロはあなたを“障害ノード”と認識している。

 敵AIにとって脅威である者は……

 我々にとっても制御不能だ」


エルンは拳を握りしめた。


(……制御不能……

 つまり、俺は“危険なプログラム”扱いか)


アリアが震える声で言う。


「……エルン……

 いかないで……

 また……きえちゃう……」


エルンはアリアの手を握り返した。


「大丈夫。

 俺はどこにも行かない」


---


エルンは高官たちに向き直った。


「監視でも制限でも、好きにすればいい」


高官たちがざわつく。


エルンは続けた。


「でも一つだけ言っておく。

 俺はアリアを守る。

 それだけは……誰にも邪魔させない」


アリアの魔核が蒼く脈打つ。


ミナは涙を拭いながら叫んだ。


「エルン……!」


レギーナは静かに頷いた。


「……あなたは一人ではありません」


高官は冷たく命じた。


「監視班、配置につけ。

 対象ノードの行動を24時間記録する」


白い部屋の空気が、

完全に変わった。


エルンはアリアの手を握り返し、

静かに呟いた。


「……大丈夫だよ、アリア。

 俺は……絶対に君を離さない」



ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今回のお話はどうでしたでしょうか。

コメント、評価をしていただけると励みになりますので、よろしくお願いします。

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