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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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名を授ける日

名前を決める回です。


森らしく、静かに、自然に。

「そろそろ、決めるか」


ハルが言った。


揺り籠の中で、小さな命が静かに眠っている。


森は穏やかだ。


だが今日は、少し特別な日。


「森に馴染む名」


ルナが静かに言う。


「精霊に嫌われない名」


レイナが腕を組む。


「強すぎないやつな」


リリアが微笑む。


「王都でも違和感のない響きが良いかもしれません」


意外と真剣な会議になる。


エルフが提案する。


「風に由来する名を」


ドワーフが言う。


「大地の響きを」


鬼人族が笑う。


「力強さも必要だ」


意見が飛び交う。


だがハルは、揺り籠を見つめる。


そのとき。


小さな光が、ふわりと舞う。


赤子が目を開ける。


光に向かって手を伸ばす。


そして、空を見る。


青い空。


静かな風。


森の匂い。


「……ソラ」


ハルがぽつりと言った。


全員が見る。


「空みたいに広く」


「森の上に広がる場所」


「でも、帰る場所はここ」


ルナが静かに微笑む。


「良い名ね」


レイナが頷く。


「呼びやすい」


エリシアが目を閉じる。


「精霊も拒みません」


光が、やわらかく揺れる。


「ソラ」


ハルがもう一度呼ぶ。


赤子が小さく笑う。


決まった。


森の未来に、名が与えられた。


夕暮れ。


丘の上で、ハルは空を見上げる。


「お前の空は、広いぞ」


ルナが隣に立つ。


「でも森がある」


レイナが笑う。


「帰ってこいよ、いつでも」


精霊が舞う。


名は、始まり。


精霊の森は、未来を抱いた。

名を授けることは、未来を認めること。


ソラが歩く精霊の森を、これからも見守ってください。


―― 月灯り庵

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