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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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まだ決まっていない未来

子ども世代が未来を語る回です。


決まっていないことが、希望です。

昼下がりの丘。


子どもたちが輪になって座っている。


リオンもいる。


バルド、カイ、ミナ。


そして揺り籠のソラ。


精霊が穏やかに漂っている。


「三年後って、どうなってるんだろうな」


バルドが空を見上げる。


三年。


王都が決めた期限。


森には関係ない。


だが、少しだけ意識している。


「俺は、もっと強くなる」


バルドが言う。


「でも、急がない」


レイナが少し離れた場所で笑う。


それでいい。


「私は、水をもっと上手く整えたい」


ミナが言う。


「流れを速くするんじゃなくて」


「止めないように」


リオンが頷く。


それは森で学んだこと。


速さではなく、均衡。


カイが少し迷いながら言う。


「王都に行ってみたい」


皆が驚く。


「敵じゃないのか?」


バルドが言う。


「敵じゃない」


カイは首を振る。


「違う形」


森の子どもが、王都を見る。


広げるのではない。


知る。


リオンが口を開く。


「俺は、森を描き続ける」


完成しなくていい。


評価されなくていい。


ただ、描く。


三年後も。


ソラが、小さく声を出す。


「あー」


精霊が揺れる。


重なりはない。


だが温かい。


「未来って、決まってるのかな」


カイがぽつりと呟く。


ミナが首を振る。


「揺れてる」


それが森の答え。


未来は直線じゃない。


曲線。


重なり。


選び直し。


丘の上でハルが見守る。


ルナが隣に立つ。


「良い未来ですね」


ルナが言う。


「決まってない未来だ」


ハルは答える。


それが一番壊れにくい。


王都。


王女リシェリアが、書類に目を通す。


自由研究期、二年目の準備。


調整月の改善案。


急がせない時間は、続いている。


知らない。


丘の上で子どもたちが未来を語っていることを。


だが繋がっている。


「三年後、またここで話そう」


リオンが言う。


皆が頷く。


約束ではない。


目標でもない。


ただの言葉。


森は今日も揺れる。


未来はまだ決まっていない。


だからこそ、壊れていない。

未来は予言ではなく、選び直しの連続です。


森は広がりません。


ですが世代は育ちます。


―― 月灯り庵

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