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〜きけヌルポガのこえ〜

 作中時間より、しばらく後のこと。地下水路の異変、そして守護者の身に降りかかった災いについて、王都の民は遅れて知ることとなった。


「情けない話ですよ。クソツヨナメクジさんが守る水路の上で、毎日生活しているというのに」


 ある学者は、場末のバーで安酒をあおりつつ、己の無知を恥じる。


「口ではありがたやありがたやと言いながら、我々は本質的に、平穏な生活の『()(がた)さ』というやつを理解しておらんかったのです」


 隣で楽器の弦を調律していた吟遊詩人も、その言葉に同意する。


「王都にすむヒトの子らが少しでも、日常のほんのひと時でも、かの守護者の献身に想いを馳せていれば、あるいはもっと早く異変に気づき、微力ながら手を差し伸べることもできたかもしれません」


 聞いた学者は、くつくつと笑う。


「今となっては時すでに遅し、ですがな」

「なぁに。過ぎたことを掘り返すも詩人のつとめ」


 詩人はティリリ、ポロロと弦を鳴らす。あわせて学者も襟元を緩め、喉の調子を確かめる。


「自分自身も含めて、王都民に少しでも己を(かえり)みて頂きたい。そんなメッセージを込めて二人で作りました」


「それでは聴いてください」




「Null Null Poetic Guardian」




作詞:とある王都の生物学者

作曲:とある王都の吟遊詩人




[1番]

正義とは いかなるものぞ

忠誠とは いかなるものぞ

英雄の従者は知っている


奈落の魔獣 なにするものぞ

邪神の手先 なにするものぞ

水路の守護者が此処に居る


嗚呼 守護者(ガーディアン) 守護者(ガーディアン)

褒めよ (たた)えよ その武勇


清濁交わる潮流に

悪鬼羅刹を打ち捨てて

善意の欠片 ひとしずく




[2番]

平和のなんと 美しきかな

静寂のなんと 美しきかな

英雄の従者は知っている


ヒトの子 なんと儚きことか

ヒトの世 なんと儚きことか

水路の守護者が泣いている


嗚呼 守護者(ガーディアン) 守護者(ガーディアン)

(うた)い 伝えよ その想い


睡神(ヒュプノス)去りて幾星霜

忠義の旅路に願わくば

主人の慈愛 ひとにぎり




[3番]

正義 忠誠 どこにある

平和 静寂 どこにある

聞こえているか 王都の民よ


魔獣の激情 どこにもないか

邪神の誘惑 どこにもないか

その胸に問え 王都の民よ


嗚呼 守護者(ガーディアン) 守護者(ガーディアン)

忘れ 絶やすな その(おし)


堅牢堅固(けんろうけんご)の城壁で

(ぬる)く育ったヒトの子へ

切なる晩鐘 ひとたたき




こんなんばっか書いてるから本編の書き溜めが進まずストックが爆速で減り続けている

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