第四話
出発してからしばらく経ちました。やっと日が昇り始めています。
今私は町を抜けティクレスとセレナイトの間にある森の中にいます。ここを抜ければティクレスの町に入れるはず。地図を見てですから確実性が高いです。
地図はちょっと城のを拝借しました。断じて泥棒ではありません。別に取っても何も言われなかったからこれは使っていいってことなんです。そういうことだとします。・・・それに他にもいろいろ持ってきてますし・・・。
さっき言った地図にナイフ、食料。とりあえずティクレスに行けるぐらいはと思って用意したものです。
一応ナイフは防御用ですが、私の剣道で鍛えた技術がどこまで通用するか分からないのでやっぱり敵になるやつとはやりあいたくないです。
「キャ~~!」
・・・悲鳴です。・・・はぁ~、スルーできたら楽だろうに・・・。自分の性格が憎い。
「ど、どいてちょうだい!私は今からそこを通るの!」
「グウェ~~~~~~~!!」
「だから!どいてっていってるでキャッ!」
ドシン!!
目の前には紫色の髪をした女の人がなんかでっかい鳥に襲われているところ。
いやいやデカすぎだろあれは!女の人がアリのようだよ。てかあれは鳥?上半身は鳥だけど、下半身は獣っぽい。
あ~、女の人腰抜かしちゃったみたいで逃げられないみたい。
「も、もうあっちいって・・・。」
「グウェ~ン!」
・・・ここが私が男前って言われる所以でもあるんだけど・・・。
「おりゃあ!」
私はでかい鳥に力いっぱい石を投げた。
「グエ!?」
見事ヒット。たじろいでいる間に女の人の所へと。
「大丈夫?立てる?」
「こ、こしぬ、けちゃって・・・。」
やっぱり腰抜けちゃってたか。こうなりゃ行く道は一つ。
「グウル~ウゥゥ・・・。」
そろそろ鳥も気がついてきたし・・・・・・
「グウェ~~!!」
「おっと!」
ドガッ ガラガラ・・・・・
うわ~、岩砕けたよ・・・。あれ、当たったら即死だな。
「グゥル~~。」
おっ、いらついてる、いらついてる。それでいいんだよ。私はただの時間稼ぎだから。
そう、今やっているのは時間稼ぎ。頑張って戦おうにも動けない女の人に攻撃がいったらと考えてしまうので、女の人にはとりあえず鳥は遠ざけるからはってでも逃げてと言ってある。女の人が逃げるための時間稼ぎなのだ。
「グウェン!」
「あっ・・・。」
メキッ・・・
しまった。鳥の一撃が後ろの木に当たりこっちに倒れこんできた。
「くそっ!」
間に合うかな。多分避けられない、ならせめて幹の方ではなく葉の方に逃げる。走っている間も木は迫ってくる。
逃げ切れず、周りが暗くなったとき、意識は落ちていった。




