第二十七話
「暇・・・。」
ここんとこ毎日、
朝食→読書→訓練→昼食→お菓子作り→読書または筋トレ→夕食→読書→就寝
の繰り返し。
…飽きるわ。どんだけ読書してんのさ私。もうこの部屋で読んでない本は一冊も無いよ。移動するにはロイスさんについて来て貰わなくちゃ行けないから迷惑をかけないためにもここにいるしかないし…話し相手くらい欲しいなぁ。
なんとなーく扉を開けて外を窺うと、メイドさんがちょうど通りかかってくれた
「あの~。」
「!?き、騎士様!いかがなされました?」
うん、ゴメンなさい。半開きの扉から中腰で座った人が自分を見上げてるって怖いよね。
「いや、ちょっと話し相手が欲しいなぁなんて。」
メイドさんに言っても仕方ないよなぁ。ここでは私、男だってことになってるし女の人が男の人にこんな事言われても困るよね。
そう思い直し、メイドさんに”今の言葉忘れてください”なんて言おうとすると、メイドさんはおずおずといった感じに私と同じ位置に目線を合わせ、内緒話をするように聞かれた。
「わたくしのようなメイドでは騎士様が面白いと思うようなお話はすることは出来ませんが、それでもよろしいのですか?」
「構いません。」
話し相手が出来る?
話相手が出来るのは大歓迎なのでコクコクと首を動かし肯定したが、ふと彼女には仕事があるのを思い出した。
「でも、お仕事があるのでは?」
「休日や休み時間でよろしければ是非、話し相手にさせてくださいませ!」
あぁ、それなら問題ない、のかな?
メイドさんの休み時間を聞きその時間に来てもらうことになった。
「それでですね、どうやら騎士団長に恋人が出来たらしいんですよ。」
「えぇ!あの騎士団長にですか?いつも間に出来たのかしら?」
「やだ~あたし狙ってたのに~。」
メイドさんが三人も来てくれて、世間話という城内話。私も城の人間関係とか分かるから助かる。喋り方はいつも通りで、と言ってあるのでほんとに女子会のよう。その中で少し気になる話を聞いた。
「ロイスさんって恋人いるんですか?」
「いるみたいですよ。騎士達からの噂話ですから真相は分かりませんが。」
へぇ~ロイスさん彼女いたんだ。お世話になっているお礼に、彼女さんの分のお菓子作って渡そうかな?
なんて考えていたらメイドさんに質問された。
「あの、ユキ様にはその、恋人はいらっしゃいますか?」
「え?いませんけど?」
「本当ですか!?じゃ好みのタイプは?」
「あ!ズルい!わたくしにも質問させてください!」
…あれ?いつも間にか私に質問が大量に?
驚きつつも返事を返していけば、絶対聞き漏らすものかというように食いつくメイドさんにちょっと驚いた…
「それではまたお話しさせてくださいね!では。」
「「失礼しました。」」
「こちらこそありがとうございました。またお願いしますね。」ニコ
「「「!!」」」
顔を真っ赤にして仕事に戻って行くメイドさん達。大丈夫かな?
心配しながらも部屋に戻り、メイドさん達からそれとなく聞き出した情報をまとめる。
聞いたのは王子の襲撃された場所や襲撃された時の様子。自分で作ってみた城内の簡易地図を広げ印を付けていく。書き込んでいくうちにとある法則を見つけた。
「これはどうも。騎士どの。」
「こんにちは副団長さん。」
今日は許可を得て一人で庭を散歩していたら王子(副団長)以下三人と会った。…実際は合うようにわざと仕向けたんだけどね。
王子(副団長)はこちらの思惑通り話を続けてくれる。
「今日は団長と一緒じないんゃですね。珍しい。」
「城の中は大体覚えられましたから一人でも行動できるようになっただけです。副団長さんこそ、いつも誰かといますよね。」
はい敬語使いながらも、お互い嫌みの応酬。私に至っては隠す気もないしね。
「っ!!それは見回りの時ですから、いるのは当たり前でしょう。」
「へぇ、今も見回りですか?」
「いや今からちょっと剣の練習をしに行こうと人数を集めていたのですよ。そうだ!騎士殿も一緒に練習しませんか?」
う~ん。まだ来ないみたいだし付き合ってもいいかな?
「いいですよ。・・・ですが、今この場でもよろしいでしょうか?もう少ししたらロイスさんに呼ばれてまして。」
「そうですか。では、俺の相手をしてください。お願いしますね?ティクレスの騎士殿。」
嘘ですすいません。ロイスさん呼ばれてなんていません。今言ったのは貴方にここにいてもらうためだけなんです。…敵を誘い出すためにね。




