第二十話
さて。着きましたよルビルズロウ。只今、謁見の間というところでまわりを騎士さん達やメイドさんで囲まれております。…まぁ来るまでに教えて貰った打ち合わせ通りやるだけなので特に不安とかないですけどね。
「我が国にようこそいらっしゃいました、透明色の騎士殿。」
笑みを浮かべる王妃様。笑みを浮かべただけなのにすごく格好いい。けれど、私みたいに男に見える格好よさとは別の格好よさだ。赤髪に赤い目がそれをいっそう際立たせている。
「国王様、王妃様。この度はルビルズロウの騎士団の見学を許可していただきありがとうございました。国の騎士になってまだ右も左も分からない状態なので参考にさせていただきます。」
今回ルビルズロウに行く理由として、馬鹿正直に『王子の護衛をしつつ、敵を炙り出しに来ました!』
とはさすがに言えない。そこで、『ティクレスで騎士になってみたものの前任なんて人はいなくて、どうすればいいか分からないからここの騎士の人を見本にさせてください!』ってことで来ました。
…それにしても聞いてたからアレだけど視線が痛いな。
「えぇ、よく見ていってくださいね。我が国の騎士団は優秀ですから。・・・ねぇ、騎士殿。来てそうそう悪いのだけれど、私、貴方と少しお喋りがしたいわ。異世界のことを教えて頂きたいの。よろしいかしら?」
「俺の話で良ければいくらでも。」
「では、ここではなく別の部屋でしましょう。あなた、いいかしら?」
「うむ。構わんよ。わしも仕事が無ければ参加したいくらいじゃ。シュアル、ロイス、二人を頼む。」
「分かりました。」
「お任せください。」
「では、騎士殿。一緒に参りましょう。」
「お待ちください。」
予定通り進む中、ストップがかかった。一応これも予定内の事だから問題は無いけどね。
「なんです?サウアス。」
「護衛とメイドを連れていくべきでは?」
「シュアルとロイスには来てもらいますから大丈夫ですよ。」
「しかし!今はとこに奴らがい「サウアス。」!」
「客人のいる前で言う話ではないでしょう。慎みなさい。」
ピシャリといって反論を黙らせる王妃様。大変格好いいです。憧れます。
ただ、私を見る周りの目がもっと痛くなりました。
「申し訳ありません騎士殿。参りましょう。」
「はい。」
「・・・。」
ドアから出ていくとき、ギロリと反論してきた人に睨まれました。
なんで私を睨むかなぁ。特に何もしてないのに。
これが現副団長兼次期国王って…不安しかないよ。
「申し訳ありませんでした。貴方には大変居心地が悪かったでしょう?」
別室に行き、最初に王妃様から謝罪された。
「お気になさらないでください。聞いていて覚悟は出来てましたから。」
「そう言って頂けると助かります。怪しい者達が入ってきたことを知ってから、皆ピリピリしてしまい、アリーナ殿のお墨付きである貴方すら疑うくらいなのです。」
『はぁ・・・』と、王妃様がため息を吐く横で、シュアルさんもどうしようもない、というように首を振っている。
「余裕が無いのです。城内に敵がいると思いたくないですから。」
そりゃあ突然『自分達の中に敵がいるかも』となれば、疑いたくなるのはわかる。竜は特に仲間意識が強いと聞くし、より信じたくないのだろう。でもなぁ…
「もう敵が仲間内にいることが分かっているのに、信じたくないからといって外の人間に疑いを向けるのは迷惑です。あの調子だと城を出入りする商人の方などにも迷惑をかけているのでは?」
そう聞くと、二人ともため息を吐いて困った表情になった。
「そうなんです。商人の者達もさっきと同じようにされ、怯えてしまいました。」
うっわーやっぱりやってたのか。
呆れ混じりにもう一つ聞いてみた。
「もしかして王子も加わってたりします?」
「それが、先陣きってやっているのです。騎士団の副団長になったのにまだその辺りの区別がつかないのかと注意をしたのですが、納得いたしませんでした。私の息子ながら情けないことです。」
王族失格だね、王子。仲間を疑うことも王族には必要って私は習ったぞ。アリーナ様に。
それにしても、このままだと私は本当に前の護衛と同じ末路を辿ってしまう。ちゃんと布石打っとかないと。
「王妃様。一つよろしいですか?」
「最終的な決断は王であるレグライでなければ無理ですよ?」
さすが王妃様。私の言いたいことを先読みしましたか。
「もうファラト国王には王妃様が許可されればいいと言われています。」
「早いわね。いいわ。何かしら?」
「もしも、喧嘩を売られたら買って返しても宜しいでしょうか?
「・・・。」
あれ?シュアルさんはファラト国王の前で言ったのを聞いていたから苦笑いしてるけど、王妃様がポカーンとしちゃった。大事なことなんだけどなぁ。
私、喧嘩売られたら買う主義だし。




