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053 料理人

 黒魔人に完膚なきまでにやられた俺はカーラの神託所に戻ってきた。

 ……とりあえず黒魔人はしばらく放置しよう。今の状態だといくらやっても勝てない気がする。つーか城下街でホルダックスに金は奪われるわ死に戻りするわで金が全然無いんだが。こりゃ今日は野宿かもな。しばらくは攻略よりも金を稼いだ方が良さそうだな。

 そんなことを考えながら俺は神託所を出た。



――――――――――――


 さて、俺が城下街を探索してる間にだいぶ時間が経っていたようで、いつのまにかお昼を過ぎているし、満腹度もだいぶ減っているので、とりあえず飯を食うことにした。

 で、その飯についてだが、これまで様々なフィールドを探索し、モンスターを倒してきた結果食材系のアイテムがだいぶ溜まっていたりする。食材系のアイテムは中には生で食べられるものもあるが、大抵は加工しなければならない。

 その食材の加工についてだが、このゲームでは《料理》スキルが無いとできないようであり、その《料理》スキルは料理人クラスのプレイヤーしか持ってないのである。

 ここまで言えばわかると思うが、俺は今料理人クラスのプレイヤーを探している。ちなみに食材は宿のアイテムボックスから出してきた。宿代については、素材を売ってどうにか捻出した。


 「うーん、いないものだな……」


 俺は今カーラのあちこちを回って探しているのだが、プレイヤー自体は結構いるのだが、肝心の料理人クラスが一向に見つからない。うーん、料理人クラスはあまり戦闘には向いてないから、人気が無いのかな……

 半ば諦めかけてこの際生で食おうかと思いはじめたその時、ほとんど人が来ないような路地裏で露店のようなものを見つけた。


 「すみません、ちょっといいでしょうか?」


 とりあえずそこに近づいて声をかけてみる。


 「こんなところに客とは珍しいね。いらっしゃい、注文は何にする?」


 声をかけるとそこには白衣の上にエプロンを着けた短髪の白い髪の俺と同じくらいの身長の壮年の男性プレイヤーがいた。


 「いや、注文じゃなくて素材を持ってきたからそれで作ってほしいんだが、できるか?それと、代金は素材から適当にとってくれ。」


 「そういうことならお任せを。とりあえず持ってきた素材を見せてくれ。」


 そういうので、俺は素材を出す。


 「おいおい、ほとんど肉だな。この中だとそうだな、兎の肉って食ったことあるか?」


 「いや、無いな。」


 「ならこの機会に食っておけ。意外といけるぞ。」


 兎の肉か。確かにどういうのか気になるな。


 「そういうことなら、噛み付き兎の肉で何か作ってくれ。」


 「おう、任せとけ。」


 彼……仮に料理人とでも呼んでおくか。料理人はそういうと、素材の中からおもむろに噛み付き兎の肉を取り出し、それを焼きはじめる。

 時折ひっくり返したり胡椒のようなものを塗したりしながらそれを焼いていく。


 「よし、できたぞ。肉といったらやっぱステーキだろ。」


 しばらくそうしてると、やがてできたようで料理人がステーキのようなものを皿に乗せて出してくる。



――――――――――――



噛み付き兎肉のステーキ

レア度:2 重量:3

制作者:一斗二升五合

噛み付き兎の肉をこんがりと焼いたステーキ。

肉は少し固め。



――――――――――――



 では早速食べてみるか。 そう思い、俺は噛み付き兎肉のステーキにかぶりつく。

 ふむ、味は鳥に似てるな。確かに少し固いが、食べられないほどじゃない。癖もなくてなかなかいけるな。


 「そういえば自己紹介をしてなかったな。俺の名前は……」


 「一斗二升五合だろ?これの表示を見れば名前は分かるよ。」


 「と書いてご商売ますます繁盛と読みます。」


 俺が噛み付き兎肉のステーキにかぶりついていると料理人がそう聞いてきたので行儀悪くも食べながら返すと、さらにそう答えた。どう考えてもそう読めないと思うんだが……


 「ちなみにそれは実際にある読み方か?」


 「まさか。昔あったちょっとした言葉遊びだよ。」


 そのあとの料理人改めご商売ますます繁盛の話によるとだ、斗、升、合というのは米の量を計る単位で、一斗は五升の二倍だから五升倍、升はますとも読むからそれが二つでますます、五合は一升の半分だから半升、それをあわせてご商売ますます繁盛となるらしい。ちなみ呼び方だがいちいちご商売ますます繁盛というのは面倒なので、繁盛と呼ぶことにした。


 「ところでおまえはなんでこんな人気の無いところで商売してるんだ?」


 「知る人ぞ知る名店ってのに憧れてるんだよ。」


 「その知る人がいないと意味ないと思うんだが。」


 「うるせえ、これでも何人か常連がいるんだよ。」


 そのあとしばらく繁盛と四方山話をしてると時間というものは意外と早く過ぎるものでいつのまにか夕方になってたりもするわけでありまして。


 「おっといつのまにかこんな時間だ。俺はそろそろ帰らせてもらうぜ。」


 「もうこんな時間か。つい話し込んじまったな。そろそろ常連が来る頃だから準備しないとな。そうだ、おまえも何か食べていくか?」


 「ならまた何か作ってくれ。」


 俺はそのあと繁盛が今度はエッジリザードの肉で作ったステーキを食べた後宿へと戻った。

 どうでもいいが、肉だけってのは、ゲームの仕様上問題なくてもなんかちょっとやだな。これは野菜の類も早めに見つけといた方が良さそうだな。

兎の肉ってどういう味がするんでしょうか?

一応調べてありますが、百聞は一見にしかずといいますので一度食べてみたいです。

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