046 VS機械兵軍団-3
一体なんだからもう軍団じゃないじゃないかって?言葉の綾だ。気にするな。
「排除スル。」
「《ジェットドリル》!」
俺は合体機械兵が飛ばしてきたドリルを合体機械兵に変化したことにより得られる特殊スキルの《ジェットドリル》で相殺する。
そこまでは今まで通りだったが、そのあとはこれまでとは違い、間髪を入れずに再びジェットドリルが飛んで来る。
俺はそれを右に飛んで避け、そのあとにもう一発飛んできた奴も避ける。再装填するまでのタイムラグが短くなってるな。しかも連発もできるのか。
「排除スル。」
俺がそう分析してると、合体機械兵が俺のところへと走って来る。その動きは下手すれば機械兵のものよりも俊敏で、しかも大きさが大きさだから相当な速度になる。
「排除スル。」
合体機械兵が俺のことをドリルで穿とうとしてくるので、俺もそれを右手のドリルで迎え撃つ。
今まではこうするとお互いに弾かれ、相打ちとなった。
だが今回はそうはいかず、俺のドリルが合体機械兵のドリルにより粉砕される。それにより俺のLGが半分ほど削れる。
「ぐ、ぐわあぁぁぁ……ち、畜生め……」
「排除スル。」
その痛みに呻く俺に、合体機械兵が止めとばかりにドリルで俺の顔を穿とうとして来る。
「ちっ、《変化の術》解除!」
俺はそれを《変化の術》を解除することによって避け、そのあとその場から立ち去る。
右腕を見てみると、肘から先が吹き飛んでいた。さすがに血が出ていたりはしないが、そこから鈍痛のようなものがするし(痛みはリアルじゃないのがせめてもの救いだ)、部位欠損状態のため、LGも少しずつ減っていく。
「海月君!こっちだ!」
合体機械兵の攻撃を必死になって避けていると、不意にこんな声がしたのでそこを見てみると、そこにはインテグラル達がいたので、俺はそこにいく。
「来たか!よし、防ぐぞ!《作図》!」
「《グレートウォール》!」
「《金城鉄壁》!」
俺が彼等の元にたどり着くと同時に、そこを半透明な立方体が覆い、その手前に長大な壁が形成され、さらにその手前に鉄の壁が形成される。
しかしその三重の防御は、合体機械兵にあっさりと破られることとなる。
「ちょっと、これどうなってるのよ!?今まではこれで防げてたでしょ!」
「俺に言われても知らねーよ!」
そのことによりカリストとモノポールの二人は軽いパニックになる。だが、インテグラルだけ冷静だ。
「《図形》。次の図形の辺AHの長さを求めよ。」
インテグラルがそういうと、また《作図》の時と同じように半透明な立方体が覆う。さっきと違う点があるとすれば、その立方体の各頂点にA〜Hの記号がふられており、辺には長さが記載されており、その立方体に対角線が引かれてるということくらいか。
「おい、何だこれは。」
「図形に関する問題をだし、それを解かないと出入りできなくなるスキルだ。尤も、今の僕のレベルだと、この程度の問題しか出せないが、モンスターに問題を解くようなAIがあるとも思えないし、今はこれで十分だろ。」
なるほど、数学が苦手な俺とは相性が悪いスキルだな。
「それにこれは力わざでも破ることができる。今の僕だともって5分だ。」
時間も無いわけか。
「さて、時間も無いことだし、さっさと話を進めるよ。まず今の僕たちの勝率からいうと、わずか3%だ。さっきのモノポールの《千丈の堤も螻蟻の穴をもって潰ゆ》はクールタイムが長くて使えないようだし、それは君の《変化の術》も同様だろ?」
インテグラルのその言葉に頷く。実際《変化の術》のクールタイムは6時間あり、今は使うことができない。
「そこで僕たちは相談して、その結果君に僕たちの全ての力を託すことにした。」
「……話が突拍子でよくわからないぞ。」
「僕の特殊スキルにパーティ全員のスキルを一人のものにするものがあるんだ。それを海月君に使おうと思ってる。」
「なるほど、話の筋は分かった。でもそれがなんで俺なんだ?」
俺のその疑問にインテグラルは迷うことなく即答する。
「君が一番PSが高いからだよ。」
……ちょっと俺のことを買い被りすぎじゃないかと思った。
「それで、やるのかい?時間が無いから早く決めてくれ。ちなみにあと2分だ。」
「……まあそれしか方法が無いんなら、やるけどさ。」
俺がそういうと、インテグラルが満足そうな顔で頷いた。
「よし、そうと決まれば、まずは手をそこにだしてくれ。」
インテグラルがそういうので、俺は右手をそこに出す。右腕はすでにインテグラルの《数式》で治してある。
「他の二人はそこに手を乗せてくれ。」
そこにカリストとモノポールも右手を重ね、さらにそのうえにインテグラルも右手を重ねる。
「ではいくぞ。《総和》!」
インテグラルのその言葉が終わると同時に変化が訪れた。取得できる情報量がこれまでよりも圧倒的に増えたのである。俺の頭でぎりぎり処理できる量だ。
ステータスウインドウを見てみると、それは一変していた。
まず通常スキルだが、そこには《剣術》、《棒術》、《火属性適応》、《火属性耐性》、《知能強化》、そのほかにもいくつも俺が取ってないスキルが増えていたのである。元々あった奴も大幅にレベルが上がってるものがあり、中には80レベルを超えるものもある。
固有スキルについては、《数学》、《天文学》、《言語学》といったものに各種の生産系のスキルが追加されていた。
凄かったのが特殊スキルだ。学者系のクラスは元々特殊スキルが多いようで、大量に追加されていた。
「さて、もうすぐ僕の《図形》も破られる。僕たちはもう戦うことができないから、僕たちの勝敗は君にかかっている。頼んだぞ!」
インテグラルのその言葉が終わると同時に、《図形》が破られた。
嵩張るので載せませんが、今の海月は大罪のダンジョンに挑める程度のスペックがあります。
あれ?何か当初の予定より長くなっちゃったな……
文章に無駄が多いんだろうか?
……今後とも精進しますので、どうか見放さないでください。




