037 未踏のエリア
俺は一人砂漠の探索を進めていく。
ここまで探索した感想としては、今のところは地面が砂なので動きにくいということと、暑いということくらいだ。まあ暑いといっても《耐暑》スキルが必要なほどではない。しかし、それでも無駄にリアルなこのゲームは、照り付ける太陽とか熱せられた砂地とか肌に張り付いてウザったい汗とかを忠実に再現しており、ウザったいことこの上ない。
心の中で愚痴りながらも進んでいくと、足元の地面が急に隆起する。
俺は《直感》スキルにより何か来ることが分かっていたため、それが来る前に避ける。
隆起した地面からは、砂でできた俺の二倍はありそうな巨人が姿を顕した。火山の火炎ゴーレムの砂版といったところか。
その仮称砂ゴーレムはその全身を顕すと、俺の方へと近づいて来る。
何をするつもりかと身構えながら砂ゴーレムが近づいて来るのを待つ。
砂ゴーレムは俺の前まで来ると、突然両手を俺の左右に持ってきて、俺のことを掴もうとする。
俺は後ろに下がってそれを避けようとするが、砂ゴーレムは俺が動いた分だけ前進してきたので、敢え無く砂ゴーレムにむんずと捕まれる。
そのまま俺はどこかへと運ばれる。
そうやって少しの間運ばれ、砂ゴーレムが立ち止まると、俺の目の前には、すり鉢状に陥没してて中央に砂が流れてる場所があった。流砂というやつだ。っておいおい、ここに連れて来たってことは、もしかしてこのままそこへぽーいみたいな?
「ごおおぉぉぉぉぉ……」
俺のその予想は的中し、砂ゴーレムはそう低く唸ると、俺を流砂の中へと放り投げる。ってちょっと待てや。
「クソがああ!!うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
流砂に放り込まれた後体勢を立て直し、俺は叫びながら必死に脱出しようとするが、砂がどんどん中央に流れていき、なかなか上ることができない。
「畜生!飲み込まれてたまるか!どうせ飲み込まれたら、フィールドボスだろ!?そろそろパターンが読めてきたぞこの野郎おおぉぉぉぉ!!」
どれだけ叫んでも状況は好転せず、むしろ声で砂が崩れて状況が悪くなってる気がする。そういうことならば、こうだ!
「これならどうだ!」
俺はそう叫ぶと、《跳躍》スキルで一気に跳ぶ。それで半分ほど登れたので、もう一度跳ぶ。
「ぜえ……ぜえ……よくもやってくれやがったな、このうすのろゴーレムがぁ……」
上りきった頃には俺は息切れしていた。SGを見ると、これも半分ほど減っている。畜生、このうすのろゴーレムめ、これから暫く憂さ晴らしに付き合ってもらうぞ。
そのあと俺はたっぷりと時間をかけて砂ゴーレムを倒した。俺がいまさらこんな攻撃力が高いだけのうすのろに遅れをとるわけもなく、防御力が高いようだったが、その辺は手数で押せば問題ない。むしろ時間をかけることができて好都合だ。
で、ドロップアイテムはこんなものになった。
――――――――――――
サンドゴーレムの指
レア度:2 重量:2
砂でできており、結構硬いため加工は少々難しい。
――――――――――――
あいつはサンドゴーレムか。次会ったときは同じ徹は踏まない。最初から倒しにいってやる。
俺がそう決心して探索を再開しようとすると、前方にモンスターの気配を感じたので、そこを見る。
見ると、そこには巨大な蜥蜴がこっちに向かって来ていた。
俺は近づいて来る仮称大蜥蜴に向かってベースチャクラムを投げる。というか、サンドゴーレムの時もこうしとけば良かったな。むしろ何故こうしなかったんだ、さっきの俺。まあ済んだことを気にしても仕方がないか。
ベースチャクラムは大蜥蜴にしっかりと当たるが、その勢いが衰える様子はない。
「ギャウウゥ!!」
大蜥蜴はそのままの勢いで俺に突っ込んできたので、俺はそれを避ける。
大蜥蜴はそのまま少し行くとUターンし、再び俺に向かって突っ込んで来る。速度の割にはなかなか小さく回るな。
「ギャウウゥゥ!!」
今度は噛み付いてきた大蜥蜴の突進をまた避け、右手に出したダークエッジチャクラムで切り付ける。
そのあとも同じように避けては攻撃を繰り返し、大蜥蜴を倒した。ドロップアイテムは、これだ。
――――――――――――
デザートリザードの鱗
レア度:2 重量:1
丈夫で見た目の良いので、装飾品としてよく用いられる。
――――――――――――
砂漠の蜥蜴か。なるほどそのままだな。
にしても、ここには魔法を使えるやつはいないのか?荒野にいたんだから、ここにいてもおかしくはないと思うが。それに、流砂があったんだから、砂嵐もあるよな?できれば出くわしたくはないが。にしても、そろそろ武器の火力不足(元々チャクラムは火力が低いが)な感じがしてきたな。これはそろそろ新しい武器を作った方がいいか?
そんな感じであーだこーだ考えながら探索を進めるのだった。
流砂は砂漠の定番だと思います。




