031 VS世界蛇
俺が巨大蟹を倒すと、海がさながらモーゼの十戒の様に割れ、その先に周りが海で囲まれた円形の広場があり、そこにエリアボスの石像と思われるものがある。ちなみに巨大蟹からはタイタンシザーの足、ミソ、殻、鋏とそれと水の魔力塊いったものがドロップした。巨人というほど大きくはなかったな。
俺は割れた海を進み、石像のところまで行く。
その石像は、巨大な蟒蛇の姿をしていた。台座の部分を見てみると、そこにはミズガルズスネークと書かれている。
……えーと、これってもしかしなくて北欧神話のヨルムンガンドだよな?トールが相打ちの末に倒した世界の海を取り巻く大蛇だよな?何これこんなところで神話ネタ解放しちゃうの?というか名前からして今挑む相手じゃないよな?帰っていいよね?
俺はオーランに戻ることにした。
しかし入ってきたところに障壁のようなものが張られており、帰ることができない。風の調べも使えない。つまり戦うしかないわけだ。ボスと連戦とか制作者は鬼だ……
仕方が無いので俺は各種のゲージが回復するのを待ち、そしてミズガルズスネークと戦うことにした。
――――――――――――
ミズガルズスネークの石像に攻撃すると、その石像はウルフラムの時と同じ様に表面が割れるように光が放たれ、巨大化していく。ただし、その巨大化の割合はウルフラムよりも何倍もある。それは際限無くどんどん巨大化していき、その巨大化が収まるとそこには広場のざっと四分の一を埋め尽くしてもなお外まではみ出るほどの大きさの黒光りする鱗を持った蟒蛇となった。うん、明らかに大きさがおかしい。
「シャァァァァァアアアア!!」
ミズガルズスネークはそう空に向かって鳴くと、顔を俺の方にむけて来て息を吸い込む。その口からは紫の液体が滴っている。ミズガルズスネークは息を吸いきると、口に溜めた紫の液体を津波のように放って来る。その速度は火山の人型マグマのマグマの津波より遅いが、範囲はそれよりも上だ。広場をすべて埋め尽くしている。うん、ちょっと待て、これを俺にどうしろと?
とっさに俺はどうするべきか思案する。《変わり身の術》はこの範囲だと意味が無い。《変化の術》は的を広げるだけだ。《分身の術》も同様だ。
今の手札ではどうすることもできずに詰みかと思ったが、その時その毒の津波のある特徴に気がつく。それは、範囲が広い変わりに高さが無いのだ。つまり、逃げるなら上しかないわけだ。
意を決し、俺は《跳躍》スキルで思い切り跳ぶ。
その判断は正しかったようで、ギリギリで津波を避ける。しかし避けたは良いが、地面のあちこちに毒の水溜まりができる。うん、本日二度目のちょっと待て。何だその副次効果は。
「魔法なら魔法らしく放った後残滓なんか残さないで消えろよこの野郎!」
俺はそう叫び、毒の無いところに落下するよう姿勢を調節しながら落下し、それと同時にアイテムポーチからダークエッジチャクラムを出してミズガルズスネークに投げる。しかし、その攻撃は、数値でいえば1ダメージにもなっていない。やはり挑む時期を間違えたようだ。
「シャァァァァァァアアアアアアアア!!」
ミズガルズスネークは再びそう鳴くと、今度は俺に向かって突進して来る。中々の速度だ。
俺はそれを横に跳んで避ける。するとミズガルズスネークは広場の壁になっている水に突入し、その余波が津波となって俺に迫って来る。また副次効果か、おい!
俺はその津波を《跳躍》スキルで避ける。
俺は地上へと着地すると、周りの水の壁へと気を配る。あの中からミズガルズスネークが出てくるはずだ。
その状態を維持して来るのを待つ。
少しすると、《直感》スキルにより後ろから来ることが分かり、次の瞬間には《気配探知》スキルにも引っ掛かる。
俺は後ろを振り向き、その瞬間にはそこからミズガルズスネークが飛び出して来る。動きが早くてついて行くのがやっとだ。さらにそこには突入の時よりも高い津波のおまけ付き。これは今の俺の《跳躍》スキルでは避けられない。
俺はそう判断し、ミズガルズスネークが大口を開けて突進して来る刹那で《観察》スキルでどこに来るかを見極め、《跳躍》スキルでミズガルズスネークの軌道の上へと避ける。
「シャァァァァァァ!」
だがミズガルズスネークは甘いとでも言わんばかりにそう鳴くと、進路を上、つまり俺の跳んだ方向へと変更し、突撃して来る。うわぁ、こんなこともできるのかよ……
さすがに空中では身動きが取れず、なすすべもなくミズガルズスネークに食べられ、俺は本日二度目の死に戻りをすることとなった。
神話ネタ解放でございます。
ちなみにミズガルズスネークは本来もう少し後に挑むはずのボスです。




