024 即死トラップ
俺は今、荒野の探索を進めている。
Wikiの情報によると、サイドルから南に行くと別の街があるらしいので、そこに向かっている。
で、適当にモンスターを倒しながら特に語ることもなく数時間たったわけだが、いっこうに街らしきものは見えない。
「あーもう!本当に街なんかあるのかよ!」
俺がこう叫びたくなるのも当然だろう。だって行けども行けども荒野続きでいっこうに街影らしきものは見られないんだから。
「この先をしばらく行けば、街はあるぞ。」
そんな俺の叫びに答える声があった。以外に思い、前を見てみると、そこにいたのは驫木だ。
「何だ、おまえもいたのか。」
「ああ、他にすることもないからな。とりあえずこのエリアにあるというもう一つの街に行くことにした。海月はそっちから来たのか?」
「ああ、この先のサイドルって街から来たんだ。そういう驫木はこの先から来たのか?」
「いかにも、この先を行くとあるパトブレという街から来た。ここから二時間も行けば着くと思うぞ。」
「そうか、ありがとうな。なら俺からも言っておくと、この先を数時間行けばサイドルに着くと思うぞ。」
俺はそうやって驫木と情報を交換し、そのあと別れの言葉を告げ、再びパトブレヘと向かった。驫木の話によると、あと二時間の辛抱だ。
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あれから歩き続けること約二時間、俺の目の前には街が広がっている。恐らくこれがパトブレの街だろう。驫木の言うとおり本当に二時間で着いたな。
さて入ろうかと思ったその時、雷が落ちる轟音がして、視界が暗転したかと思った次の瞬間、目の前には神父さんがいた。
「神より使わされし戦士よ、おまえはまだ死ぬべきではない。再び舞い降り、戦いたまえ!」
えーっと、これはどういうことだろうか?何で俺は死に戻りしてるのだろうか?
まあ思い当たることといったら一つしか無いな。雷だ。あの時俺に雷が落ちたのだ。 落ちるのはべつにいいが、パトブレの街まで文字通り目と鼻の先ってところで落ちるかよ普通……
自分の運の無さに若干憂鬱になりながらも、折角だからとSPが溜まっていたので、30SP使って《PG自然回復強化》スキルを取って神託所を出た。
元々少なかった所持金が死に戻りしたことによって更に減り、宿に泊まる余裕も無いから今日は野宿することを決めたりしながら街を歩いていると、先ほど会ったプレイヤーがいたので、声をかける。
「よ、驫木。無事着いたみたいだな。」
「おまえは海月か?パトブレに向かったはずなのに何故ここにいる?」
「パトブレに着いていざ入ろうってところで雷に打たれて死に戻りだよ。」
「それは……災難だったな。」
俺の言葉に驫木が哀れむような目でそういう。その目はやめてほしい。
「俺はエレナに防具の強化を依頼してるから、ひとまずオーランに戻るとするよ。」
「そうか、それじゃあ今日はお別れか。」
「そうなるな。それじゃあまたな。」
俺はそう驫木に別れの言葉を告げると、風の調べでオーランへと向かった。
――――――――――――
オーランへと来た俺は、防具の受け取り場所へと向かう。受け取り場所は、前と同じく神託所前の広場だ。
広場につくと、既にエレナが来ていたので、声をかける。
「よ、エレナ。防具は出来たか?」
「来たのね。今回のは自信作よ。」
エレナは笑顔でそういって、出来たであろう防具を見せて来る。
出来上がった防具の見た目は、忍者クラスになることで得られる防具にダークウルフェンの毛皮を各所につけた感じだ。腕防具と足防具には、エッジリザードの鱗も使われており、《格闘》スキルに補正がかかりそうだ。
「着けて見ていいか?」
「もちろんよ。」
エレナに許可をもらい、俺は防具を着ける。
着けてみた感じとしては、狼の毛皮付きの忍装束といった感じだ。色も黒と目立たないものだから、《隠蔽》スキルの補正も下がっていない。
「これまた随分といいものを作ってくれたな。これは値段も結構張りそうだな。いくらだ?」
「そうね、だいたい200Gくらいかしら。」
200Gか、これまた結構するな。手持ちを見てみると、まあ当然のように払えないわけでありまして。
「あー、悪いんだが、後払いでいいか?今手持ちが無いんだよ。」
「あら、随分と無駄遣いをしたのね。」
「それがさ、昨日はアリスに出くわしてすっからかんにされて、今日は死に戻りで少し稼いだのが減って宿も取れない有様だよ。」
「あんた、今日宿なしなの?」
「ああ、今日は野宿する予定だ。」
俺が自嘲しながらそういうと、エレナが急にもじもじしはじめた。はて、何だろうか?
「そ、そういうことならさ、また前みたいに私のところに泊まらない?対価は前みたいに素材でいいからさ。」
エレナが急にこんなことを言い出した。ってちょっと待ちやがれ。
「おいおい、いくらハラスメント防止コードがあるとはいえ、一度ならず二度までも年頃の男女が寝食を共にするのはまずいだろ。」
「私は構わないわよ。それに女性がわざわざ誘ってるんだから、素直に頷きなさいよ。こういうとき何て言うんだったかしら?確か据え膳食わぬは……何だっけ?」
男の恥だなんてその続きを言えるわけもなく、俺はエレナがこんなことを言い出した理由を考える。といっても、言い出す前のあのもじもじした様子からだいたい想像はつくけどな。面倒臭いことになりそうだから、口には出さないが。
「……分かったよ。今日は世話になるよ。」
俺はそういい、今夜はエレナの宿に世話になった。
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名前:海月
クラス:忍者
装備
武器:ダークエッジチャクラム×1 蜂戦輪×4 ベースチャクラム×1
頭:闇狼忍者の頭巾(《隠蔽》スキルにプラス補正)
首:無し
胴:闇狼忍者の装束(《隠蔽》スキルにプラス補正)
腕:闇狼の篭手(《格闘》スキルにプラス補正)
脚:闇狼忍者の袴(《隠蔽》スキルにプラス補正)(《格闘》スキルにプラス補正)
指輪:無し
スキル構成
通常スキル
《格闘Level 13》《投擲Level 14》《掴みLevel 13》《平行感覚Level 12》《軽業Level 14》《踊りLevel 9》《無音歩行Level 9》《跳躍Level 9》《敏捷強化Level 10》《PG自然回復強化Level 1》《観察Level 4》《隠蔽Level 14》《索敵Level 13》
忍者スキル
《忍術Level 10》《忍具職人Level 8》《気配探知Level 9》
特殊スキル
《忍術Level 1》で《変わり身の術》
《忍術Level 3》で《分身の術》
《忍術Level 6》で《木の葉隠れの術》
《忍術Level 9》で《変化の術》
攻撃力:20+闇5
防御力:20
残金:36
残SP:17
制作者「序盤だからといって楽できると思うなよ。」




