表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/62

025 VS金属狼(護衛編)

 翌日、俺は前回ウルフラムに挑んだときと同じように攻略組のプレイヤーとともにウルフラムの石像のところにいる。

 前回と違う点といえば、攻略組のパーティが一つ抜けて生産組が入ってるという点だろうか。そのパーティになぜか抜けたはずのエレナがいるので、気になったから理由を聞いてみたら、何でも防具職人クラスになるにはいくつか防御系のスキルが必要で、そのためタンク役として参加してるそうだ。

 今回も前回と同じようにリーダーの激の声にプレイヤー達がときの声をあげ、リーダーが石像に攻撃をして戦闘開始である。前回も思ったが、俺この手のノリは苦手だ。



――――――――――――



 戦い方としては、前回とそんなに変わっていない。

 タンクが受けて回復役が回復し、ダメージディーラーが攻撃する。ただし、今回は人数が少ないため、俺と驫木も最初から前線に引っ張り出された。



 「グルァ!」


 俺はウルフラムの噛み付き攻撃を避け、すれ違い様に右手のダークエッジチャクラムで切り付け、通り過ぎたらそこに左手の蜂戦輪を投げつける。


 「おらぁ!」


 そこに攻略組のプレイヤーが切り付ける。つーか今切り付けたのって、イルカだな。

 そこにリーダーが手榴弾らしきものを投げ、そのあと拳銃を撃つ。前々から思ってたんだが、リーダーのクラスって、もしかしなくても軍人か?だって拳銃撃ったあとは機関銃らしきものを取り出してウルフラムにぶっ放してるし。まさか戦車とか持ち出さないよな?

 そうやって俺達はウルフラムのLGを着実に減らしていった。人数の都合でタンクが受けそこなう攻撃も何回か出てきたが、そこは俺と驫木でカバーする。

 そうして戦いは順調に進んでいった。



――――――――――――



 あれからも戦いは続き、今のところは一人も死に戻りせずに続いている。今回は前回よりもウルフラムのLGを削るスピードが速いし、そろそろあれが来るか。

 俺がそう思ったのがフラグになったのか、次の瞬間、ウルフラムがこれまでよりも多量の息を吸う。それを見たタンクプレイヤーが攻撃に備える。


 「アオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!」


 これまでよりも長く、LGが削れるほどの強力な咆哮、修羅モード突入だ。こうなったら出し惜しみは無しだ、あれを試すか。

 そう思った俺は、あるスキルを使うために印を切り、そしてスキル名を口にする。


 「《変化の術》!」


 俺がそういうと、もはやお約束となっている煙が俺のいるところから溢れる。

 その煙が治まると、俺の姿は、全身をつや消しの黒の硬い物質を無理矢理削り出したようないびつな装甲に包まれ、体格もだいぶ大きくなり、四足歩行の獣が二足歩行になったような、端的にいうと、ウルフラムを二足歩行にしたような姿になっていた。

 《変化の術》は、近くにいるモンスターにランダムで変化するスキルだ。スペックは各種のゲージ以外は変化したモンスターのものになる。つか燃費悪いなこれ。今回も《変わり身の術》をちょくちょく使っていたが、《PG自然回復強化》スキルの恩恵もありほぼ全回復していたPGが全部持って行かれたよ。



 ウルフラムへと変化した俺は、《跳躍》スキルでウルフラムへと飛び掛かり、ウルフラムに殴り掛かる。握っていたチャクラムは、いつの間にかなくなっている。


 「おまえ、海月か!?何だその姿は!?」


 イルカが驚愕の表情でそういって来るが、ウルフラムが肉薄してきたので、無視する。

 ウルフラムの突進を避け、すれ違い様に蹴り飛ばす。


 「グルァ!?」


 遠ざかるウルフラムに追撃をかけようとアイテムポーチからチャクラムを取り出そうとして、俺はアイテムポーチが使えないことに気が付く。どうやら《変化の術》使用中はアイテムポーチが使えないようだ。

 俺の戦闘スタイルを鑑みると、これはちょっと由々しき事態なので、《変化の術》を解除しようとするが、《変化の術》は解除するにもPGがいるらしく、《変化の術》を使ってすっからかんになったPGは、まだほとんど回復しておらず、解除することが出来ない。仕方が無いので、俺は《格闘》スキルをメインに戦うことにする。

 さあ、戦いはこれからだ!



――――――――――――



 ウルフラムが飛び掛かってきたので、俺はそれを紙一重で避け、カウンターの要領でウルフラムを殴る。避けた際にかすったが、《変化の術》によりウルフラムと同じスペックになってる今の俺の防御力なら、たいしたダメージではない。

 あのあとも戦いは続き、今の戦いは、攻略組は愚か前回俺とともに戦った驫木でさえもついて行くのがやっとというレベルのスピードの戦いになっている。

 今の俺は、《変化の術》によりウルフラムと同等の速さになっており、そこに《敏捷強化》スキルの補正も加わり、ウルフラムよりも速く動くことができる。ウルフラムよりも遅い(・・)時でさえも十分渡り合えてたから、ウルフラムよりも速い(・・)今は、かなり優勢な状況だ。

 ウルフラムが息を吸い込んだので、俺はそこから思い切り飛ぶ。


 「アオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!」


 直後にウルフラムのPGを削るレベルの咆哮が飛んできて、その直後にウルフラムが俺に向かって飛ぶ。しかし、前回は修羅モードだと届いたジャンプも、今回は届かない。今の俺は、《跳躍》スキルに加えてウルフラムの身体能力もあるから、当然だ。

 地上で俺の落下地点に大口を開けて待っているウルフラムに対し、俺は右足を突き出して左足を曲げた状態での蹴り、俗に言うところのライダーキックを食らわせる。

 ライダーキックによりウルフラムが怯んだので、俺は攻めるならここだと思い、一気にラッシュをかける。

 パンチ、キック、時には柔道の投げ技のような真似もやり、ウルフラムを追い詰めていく。そして、ついにその時がきた。


 「アオオォォォ……ン……」


 俺の回し蹴りが当たり、ウルフラムが最後に弱々しく吠えたあと倒れ、光りになり消える。どうやら倒したようだ。


 「《変化の術》解除。」


 PGが十分溜まったので、俺は《変化の術》を解除する。

 俺が他のプレイヤーの方を見ると、前回と似たような静けさが漂っている。自分で言うのも何だが、修羅モードからは俺の一人舞台だったし、ここは俺が言うべきか?


 「勝ったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 そう思った俺は、忍者らしくもなく勝利の雄叫びをあげる。まあ一番忍者らしくないのは、今回の戦いだがな。

 俺の雄叫びに続いて他のプレイヤーも勝鬨かちどきの声をあげる。やれやれ、今回は目立ちすぎたな。

前々からそうでしたが、今回は特に忍者っぽくありません。


《変化の術》は使いこなせばバランスブレイカーになります。

使いこなすのはかなり難しいですが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ