表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/62

022 新たなる街

 今の時刻は夕方、俺はあれからも探索を進め、今俺の目の前には街のようなものが広がっている。

 半日かけて漸く見つけたぜ。そういえばWikiの情報によると、このエリアにはもう一つ街があるらしいから、そっちにも後で行ってみるか。

 そう思いながら俺は街へと入って行った。



 この街の名はサイドルといい、オーランとは違い石造りの建物が基本となっていた。

 中央にはオーランと同じで神託所があり、そこまでのメインストリートは石で舗装されている。神託所前の広場には噴水なんてものもある。

 ただし、時間が遅いからかプレイヤーがいないからかは知らないが、活気が感じられない。



 「お兄ちゃんだれー?」


 俺がサイドルの道具屋でアイテムを買っていると、背後から幼い女の子の声が聞こえてきた。振り向いてみると、そこには目算で110㎝くらいの身長の推定小学校低学年くらいの女の子がいた。このゲームは全年齢版だが、ゲームをする機体の方の対象年齢が12歳以上からとなっており、それがこのゲームの実質の対象だ。よってこんな幼い子がプレイしてるとは考えにくいため、恐らくNPCだろう。


 「お兄ちゃん、名前何て言うのー?」


 俺がそんなことを考えていると、女の子が再び声をかけてきた。NPCとは言え、邪険にするのも何だろう。ここは素直に答えておくか。


 「俺の名前は海月だ。」


 俺はとりあえずそれだけ言って立ち去ろうとする。


 「へー、海月っていうんだー。あ、おじさーん、薬草くださーい!」


 「あいよー、8Gね。」


 「分かったー。……あれ?お金忘れて来ちゃった!」


 女の子はすぐ俺に興味を失ったようで、自分の用事を済まそうとして、金が無いことに気づき泣きそうな表情をする。屋台のおじさんはそれを困ったように眺め、時々俺をチラ見する。えーと、これは何だ、俺が払わないといけない感じか?……まあNPCとは言え、ここで邪険に(以下省略)


 「すみません、ここは俺が払っておきます。」


 「いいのかい?あんちゃんには関係ないことだぞ。」

 「まあここで居合わせたのもなにかの縁なので。」


 俺は女の子の分の金を払うことにした。まあ8G喰らいたいした出費じゃないからな。


 「ありがとー、海月お兄ちゃん!」


 女の子がそう笑顔で礼を言う。8Gでこれが見れるのなら安すぎるくらいだな。

 俺はそう思い、満腹度がだいぶ減っていたので、飲食店を探しに行くのだった。ここなら街の見た目からしてオーランよりもいいものが食えそうである。



――――――――――――



 「私このパフェ食べる!」


 さて、今の状況を説明しよう。

 今俺はサイドルの街のある飲食店にいる。感じとしては、中世の食堂といった感じだ。

 そこで今俺の真向かいにさっきの女の子が座っていて、図々しくも注文を(しかもよりによって一番高い奴を)している。

 この女の子についてだが、あの道具屋を出た後なぜか俺についてきたのだ。その時は向かう方向が同じなのだろうくらいにしか思ってなかったが、俺が店に入ってもついて来て、そして今に至る。


 「すみません、今の注文キャンセルで。」


 「すみません、当店では一度した注文は取り消せません。」


 どうやらすくなくともこの店では注文のキャンセルはできない仕様らしい。こういうときゲームは理不尽だ。

 仕方が無いので俺はその子の分も払うことにし、俺も適当に注文をとった。



――――――――――――



 「や、やっと離れてくれたか……」


 俺が今いる場所は、宿だ。

 今の俺の顔は、恐らくひどく憔悴してることだろう。

 理由は簡単だ。あの女の子がどこまでも引っ付いてきて、あちこちの店で高いものを買おうとして、でも当然金が無いから買えないわけであり、ちょうど(・・・・)近くにいたという理由で俺が全部払ったのだ。

 最初は子供の子守をしてるみたいで、払うのも吝かではなかったが、そうしてると当然金は減っていき、その結果が宿代以外はすっからかんの今だ。

 後で調べたところによると、この女の子はアリスという名のお邪魔NPCで、各街や村に極低確率で出現するそうだ。

 運悪く会ってしまったら今の俺のように金を搾り取られるそうだ。ちなみに最初の8Gを払った時点でアウトらしい。

 まあ済んだことはいいや。今日は疲れた。とっとと掲示板に情報を上げて寝るとするか。

 そう思い、俺はベータの時から更新されていない荒野の情報を上げて寝た。



――――――――――――



[3代目]怒り撒き散らす憤怒の荒野に関するスレ

1:グレイ

ここは草原の東の端のボスを倒すと行ける荒野に関するスレです。

ボスや街については専用のスレに行ってください。



――――――――――――



236:海月

今日一日……というか半日荒野を探索したからとりあえずその情報を上げておくぞ。

まずエリアについてだが、隆起や陥没、地割れが多くて探索がしづらいというのが素直な感想だな。

敵については、こんな感じだ。

・ダークウルフェン

黒い狼型のモンスター。

攻撃は噛み付きと引っ掻きと体当たり、それと闇の波動のようなものを飛ばす魔法を使う。

ドロップアイテムは毛皮と牙と爪と肉と、あと闇の魔力片なんてのもあった。

・エッジリザード

全身を刃のような鱗で覆った蜥蜴型のモンスター。

攻撃は噛み付きと引っ掻きと体当たりとあと尻尾で薙ぎ払ったりもしてきた。

ドロップアイテムは鱗と牙と爪と肉だ。

・キャリークロウ

烏型のモンスター。

基本他のモンスターと一緒に出現し、空から奇襲をかけて来る。

ドロップアイテムは羽と嘴と肉だ。

情報としてはこんなところだな。俺は眠いから寝させてもらうぞ。



237:イルカ

>>236

姿を見ないと思ったら、先に行ってたのかよ。

こっちは生産組の護衛に四苦八苦してるというのに。


238:エレナ

>>237

今回の結果は酷かったわね。

私以外で行けた人どれくらいいるのかしら?


239:カシス

>>238

俺の知るかぎりだと、十人もいなかったな。


240:ハイドロ

>>237

前回は『千器を操る無頼漢』と『千輪』がいたから倒せたようなものだからな。それがどっちもいないんだから、当然の結果だ。


241:フルウ

>>236

狼がいると聞いて。


242:サーシャ

>>236

狼とあっては、テイマーとして黙ってるわけにはいきませんね。

二匹目はダークウルフェンで決まりですわ。


243:イルカ

>>241>>242

出たな変態テイマーwww


244:ハイドロ

>>241>>242

ちょっとあっち行ってもらえるかな?


245:フルウ

なあサーシャさん、なんかバ㌍タのせいで俺達変なイメージ持たれてるんだが。


246:サーシャ

>>245

あいつはテイマーの面汚しよ。

外で会ったら一発殴っておかないと。


247:イルカ

話を戻すぞ。

とりあえず俺は海月とフレンド登録してあるから、後で一緒に戦ってくれないかフレンドメッセージを送っとくよ。


248:エレナ

>>247

私からも頼んどくわ。

それと、海月は驫木ともフレンド登録してるらしいから、驫木にもメッセージを送っておくように言っとくわ。


249:ハイドロ

>>247>>248

頼んだぜ、情けない話だが、あの二人が頼みの綱だ。

天使の顔した小悪魔幼女NPCの登場です。

アリスは今後作者の気まぐれでたまに出るかも知れません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ