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015 三日間-1

 「神の使わせし戦士よ、おまえはまだ逝くべきではない。再びこの場に舞い降り、戦いたまえ!」


 目を開けると、目の前の神父さんがいて、こんなことを言った。どうやら死に戻りしたようである。

 死に戻りしたときには当然デスペナルティがあり、このゲームのデスペナルティとは、所持金を半分失いというシンプルなものだ。ウルフラムと戦ったときには173Gあったから、今の所持金は86Gだ。小数点以下は切り捨てである。


 「畜生、やっぱり初見ソロは無理だったか。」


 俺はそうぼやきながら神託所を出る。このゲームのボスは基本はパーティ推奨であり、余程相性が良くないかぎりソロ討伐はまず不可能だ。

 神託所を出ると、まだ夜は開けておらず、あたりは暗かった。昼間にとった宿はもう使えないし、こんな時間にやってる宿も無いから、今日は野宿だ。

 俺は村の入口付近に陣取り、寝ることにした。



――――――――――――



 朝になり起きると、道を行くプレイヤー達が奇異なものを見る目で俺を見ていた。

 まあこんなところで寝てるプレイヤーがいればそれも当然か。


 「おまえは海月か?こんなところで何してるんだ?」


 「そんな俺に声をかけるプレイヤーがいた。金髪の巨漢で、剣士クラスと思われる鎧を着て、腰に剣を佩ている。俺の友人のイルカだ。」


 「おまえはいきなり何を言ってるんだ?」


 「気にするな、何となく言ってみたかっただけだ。」


 イルカに対し俺は何となく説明口調で返してみたりした後周りに目を向けてみると、そこにはリーダーを含む攻略組と思われるプレイヤー達がいた。


 「それで、おまえは昨日は昼間に宿をとったはずなのに、何でこんなところで寝てるんだ。」


 イルカがそう問うてきた。俺はそれに答える。


 「何でって、まあ簡単にいえば、昨日の夜にボスに挑んできました。」


 「おまえは何をやってるんだ。夜中にソロで挑むとか、おまえは馬鹿か。」


 「俺もそう思っている。まさかボスに挑むのに薬草の一つも持って来ないとは、我ながら呆れるぜ。」


 「いやそうじゃなくてだな、それも馬鹿だが、俺が言ったのは、ソロで挑んだことに対してだ。」


 「五月蝿い。戦う前にボスの強さを知っておきたかったんだよ。それで、おまえらはこれからどうするんだ?」


 「おまえな……まあいいや、俺達に害があるわけじゃないし。俺達はこれから素材集めやスキルのレベリングで森にでも行こうと思ってる。」


 森か。森なら俺のスキルのレベリングにちょうどいいし、それにやって見たいこともあるから、一緒に行ってみるか。


 「そういうことなら、俺も一緒に行っていいか?森に入ったら別行動するからさ。」


 「俺はべつにいいが、その辺はリーダーに聞かないと何とも言えないな。ちょっと聞いてくる。」


 そういうと、イルカはリーダーの元に行った。聞きに行ったのだろう。

 そしてすぐに戻ってきた。


 「構わないってさ。それどころか、森の中でも一緒に行動して欲しいそうだ。」


 「それはちょっと勘弁だな。森での俺の移動方法はちょっと特殊で、それに一人で試したいこともあるからさ。」


 「そうか。そういうことならリーダーに伝えてくる。」


 イルカはそういって再びリーダーの元に行った。

 戻ってきたイルカから了承の返事を聞くと、俺は攻略組のパーティとともに森に向かった。



――――――――――――



 「ここからは別行動だな。」


 森につくと、俺は近くを歩いていたイルカにそういった。


 「そうみたいだな。そういえば、おまえが言ってた特殊な移動方法って、どんなのだ?」


 「どんなのって、簡単にいえば、木の上を移動するだな。」


 「木の上って、おまえは忍者か!」


 「そうだよ忍者だよ。ところでリーダー達は先に行ってるみたいだが、追わなくていいのか?」


 俺とイルカでそんなやり取りをしていると、いつの間にかリーダー達が先に行ってたようである。


 「おっとマジか。じゃあな海月、おまえが何をしようとしてるかは知らないが、明後日のボス戦での活躍期待してるぞ!」


 「おう、いろいろ見せびらかしてやるよ!」


 そう軽口のやり取りをした後、イルカはリーダー達の後を追った。さて、俺もあれの修練に励むとするか。

逆説的に言えば、相性が良ければソロでもボスを倒すことはできます。


まあそれでもボスによってはリアルチートとか人力TASとかの一歩手前ですが。

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