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014 VS金属狼(ソロ編)

 ウルフラムから放たれる光が弱まると、そこには石像をそのまま大きくしたような、つや消しの黒の金属質な装甲らしきものを纏う俺と同じくらいの大きさの巨大な狼がいた。

 変化が終わると、ウルフラムは息を吸い込み、そして思い切り吠える。


 「アオオオォォォォォォォォォン!!」


 ウルフラムの咆哮にはスタン効果があるらしく、俺の動きが一瞬止まる。

 その一瞬の間にウルフラムが地を蹴り、噛み付き攻撃を放ってくる。つーかはええ!


 「《変わり身の術》!」


 避けられないと判断した俺は、《変わり身の術》で攻撃を避ける。ちなみに印は切ってない。こんなときまでRPにこだわるほど馬鹿ではない。

 《変わり身の術》で避けた後、ベースチャクラムをウルフラムに放つ。

 投げたそれは、ウルフラムに当たるが、ダメージはほとんど与えられてないようだ。

 どうやらリーダーの話のとおり、防御力と敏捷が高いようだ。ベータではそのかわりLGが低かったらしいが、その情報も今じゃ当てにならない。

 投げたベースチャクラムが戻って来る前にウルフラムが突進してくる。

 それを《軽業》スキルにより可能になるバク宙で避けるが、ウルフラムは再び方向転換して肉薄し、そのまま前足で引っ掻いてきたのが俺の腕にかする。

 リーダーの話どうり攻撃力も高く、その一撃でLGが半分近く持って行かれる。かすっただけでこれだ。直撃したらどうなるか、あまり考えたくない。

 戻ってきたベースチャクラムを掴んだ後、即座にLGを回復しようかアイテムポーチから回復アイテムを取り出そうとして気が付いた。俺は一切の回復アイテムを持ってないことに。

 つか阿呆か俺は。雑魚ならともかく何でボスとやろうってときに薬草の一つも持ってこねーんだよ。呑気に掲示板を見ていた昼間の俺を殴りたい気分になる。

 こうなったら無い物ねだりしてもしょうがない。今ある手札でどうにかするしかない。

 そこで俺は、新しく覚えた特殊スキルを使うことにした。


 「《分身の術》!」


 俺がそういった瞬間、俺のいる場所から煙があふれ、それが収まると、俺の隣にもう一人の俺が現れる。 《分身の術》は、自分の分身を作り出すスキルであり、《忍術》スキルのレベルによって作れる分身の数が変わる。《忍術Level 4》の今だとまだ1体しか作れない。

 その分身はスキルの使用者の所持している通常スキルと所持しているアイテムをコピーしており、また使用者のこれまでの記録から避けろや攻撃しろなどの簡単な指示を分身を見て思うだけでAIがやってくれる。

 分身は攻撃を受けると消滅し、クールタイムは30分だ。ちなみにPGの消費が大きく、一度に半分ほど消費する。既に《変わり身の術》を一度使っているので、もう使えなかったりする。

 さあ、やれるだけやってやろうじゃないか。



――――――――――――



 そのあと俺は、俺が近くでタゲをとりながら分身に遠くからチャクラムで攻撃するよう指示を出し、戦っている。

 本来この役は逆の方がいいのだろうが、次の攻撃を受けたら死ぬという点においては分身と変わらないため、分身にこの役をやらせるのは不安だったので、俺がやることにした。

 分身とのコンビネーションというのも考えたが、初めて使うこのスキルでそういう冒険をするのはどうかと思い、やめておいた。

 時々飛んでくるチャクラムに気を配りながら、俺はウルフラムの攻撃を避ける。攻撃面は分身に任せっきりで、俺は回避に徹していた。奇跡的にあの一撃以降攻撃を受けていない。防御という発想はない。防御を貫いて俺のLGを削りきるのが目に見えている。

 俺がウルフラムの引っかきを避け、次にウルフラムを見ると、思い切り息を吸い込んでいる。

 これは最初の咆哮攻撃の前兆だ。俺は分身に思い切り飛ぶように指示し、俺も《跳躍》スキルで思い切り飛ぶ。


 「アオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン!!」


 その直後にウルフラムの咆哮が放たれ、俺の動きが一瞬止まる。

 その直後にウルフラムも俺に倣うようにジャンプする。だが、《跳躍》スキルで跳んだ俺よりもそのジャンプは低いようで、俺には届かない。

 これが俺の咆哮攻撃の避け方だ。最初は空中なら咆哮の影響は受けないのでは無いかと思い、跳んだ。だがその思惑は外れ、空中にもしっかりと届いた。その時はもうダメかと思ったが、どうやらウルフラムのジャンプは俺よりも低いらしいことがここで判明し、以降はこう避けるようにしている。

 もちろん弱点もある。その弱点とは、着地地点で攻撃を受けるというものである。現に今も俺が降りるであろう場所で、ウルフラムが口を開けて待っている。

 俺は地面に足からではなく頭から落ちるように体制を整え、真っ逆さまに落ちる。

 俺は地面に落ちる瞬間、大口開けて待っているウルフラムの頭に両手をつき、《軽業》スキルによりハンドスプリングの要領で地面に着地し、そのまま《跳躍》スキルで大きく後退する。

 その直後にウルフラムが肉薄してきたので、避ける余裕が無いから《変わり身の術》で避けようとする。

 だが、あのあとも《変わり身の術》をちょくちょく使ったせいかPGが足りず、《変わり身の術》が発動しない。

 どうやら潮時のようである。ウルフラムの突進を受け、その直後俺の視界は闇に包まれた。

海月君はどこか抜けてる部分があるおまぬけ忍者だったりします。

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