整うより、惹かれるのは、乱れたリズム
待合室。
カウンセリングルームに通される前に、待たされるのは、一般の待合室。
予約したカウンセリングルームに、通される前に、この部屋で、一旦待たされる。
予約しているのに、待たされるなんて。
スムーズに、薬さえもらえればいいのに。
どうやら、僕の欲しい薬は、しっかりとしたカウンセリングが必要らしい。
処方する期間も、短い。
営業は、板挟みになり職種らしく、
病んでしまい辞めてしまう同僚もいる。
数字に追われる事も原因らしい。
僕は、淡々とこなしている。
そう、思っている。
人との関係を築くのも、淡白と言われた事がある。
距離感は、必要。
僕のポリシー。
近すぎて、相手の感情に振り回される事もない。
いつしか、心にブレーキが、かかっているのか。
それが悪い事とは、思わない。
相手の感情に、振り回されるなんて。
時間の浪費でしかない。
その待合室は、平日の日常もあってか、
高齢者達が、多かった。
大きな声で、喚く人。
僕の手を取り、息子と思うのか、話しかける婦人。
ほぼ、高齢者の中で、ほんの一握りの、若者。
その中で、1人、違ったオーラを持つ女性がいた。
周りが、高齢者が多かったので、目立っていたのだろうか。
向こうの方も、僕と目が合った。
あまり、見てはいけない。
自然と、そう思い、僕は、軽く会釈した。
不思議なオーラ。
線の細い。
この世に、間違えて存在したかの様な、この場所に似つかわしくない女性だった。
例えて、言うなら。
幽霊
そうだ。
この彼女は、幽霊・・・だ。
精神を病んだ人達もいるだろう。
僕の様な、日常生活の中で、些細な問題を抱えている人もいれば、
深刻な人もいる。
彼女は、そんな問題を抱えている。
目を合わせてはいけない。
そう思ったが、その思いは、裏切られる事になる。
カウンセリングルームに、現れたのは、
あの女医ではなく、この幽霊の様な女性だった。
櫻井 静香。
あとで、名前を知った。




