興奮が止まらない。交感神経は、今晩も優位。
カウンセリングルーム。
診察室とは、別にある。
クリニックの奥。
リクライニングのソファーが、中央に置かれ、防犯カメラが幾つか、置いてある。
まぁ、密室での事故を防ぐ理由からだけど。
カウンセラーの医師が、女性のせいかもしれないなって、思った。
男好きのするタイプなんだろうな。
僕は、最初、一目見て、思った。
白衣の胸元から、覗くのは、黒いレースのタンクトップがこれでもかって位、
彼女の魅力を醸し出している。
髪は、ストレート。やや長い。
フレームの透ける目眼を掛けて、そんなに、色気がある顔には、見えない。
けど。
そのボディなんだろうな。
少し、きつめの制服が、動く度に、誘惑されている気になった。
待て待て。
こいつは、危険だ。
僕の本能が囁いた。
とんでもない魔物が控えているぞ。
真面目に見えていて、あのカメラで、僕の悪事をネタに揺するつもりだ。
これは、拷問だ。
僕は、カウンセリングなんて、望んでいない。
不眠症なのだ。
ちょいと、
睡眠導入剤を処方してもらえばいいのだ。
営業といっても、
車は、運転しないし、
夜にぐっすり眠れればいいのだ。
カウンセリングなんて、必要ない。
なのに、
僕は、今日のカウンセリングを予約されていた。
あの先生と一対一か。
緊張する。
ますます、夜は、眠れなくなった。
いつもより、多めにヘアーオイルをたっぷり塗って、念入りに髪を整えた。
仕舞い込んだスーツを引っ張り出した。
仕事着とは、違う、決めたい時に、着るスーツ。
ネクタイ。
どれもこれも、クローゼットに押し込んで、皺だらけだった。
やむおえず、普段着に変更。
あれこれ、出しているうちに、時間が迫ってきた。
まずい。
僕にとって、時間に遅れるなんて、気持ち悪い。
必ず、5分っ前には、着いていたい。
スーツも、普段着も、結局、選べず、仕事着になった。
今日こそ、薬をもらおう。
ぐっすり、眠りたい。
僕は、飼い犬のMimiを抱きしめた。
「行ってくる」
トイプードルのMimiは、僕が、バックを持つと、諦めて、部屋の奥に行った。
時間は、守る。
人を待たせるのは、好きじゃない。
だけど、自分を待たせる奴は、好きじゃない。
僕が、待ってて、5分ぐらいで、相手と合流するのが、一番いい。
なのに。
クリニック。
この日。
予約したのに、
僕の目つきが変わるほど、待たされた。
あの女医。
そんなに、忙しい?
嫌味の様に、防犯カメラを睨みつけたら、ドアが開いた。




