5.お願いという名の強制
あまりの情報量に一旦話を中断し休憩を貰って10分後
いつも学校の10分休みって短いなぁ〜と思っていたけど今回はさらに短く感じた10分だった…
それでも何とか頭の整理をして聞きたいことをまとめた私は顔を上げる
その瞬間休憩中どこかに行っていた異界の番人が帰ってきた
「やぁ、頭の整理は出来たかい?…大丈夫そうだね!それじゃあさっそく質問タイムと行こうか!」
表情が読めない歪な笑顔で問いかける番人に対し私は薄々勘づいて怪しんでいたことを確信に変える
異界の番人は多分…というか絶対に人が大嫌いだ
あの歪な表情もその気持ちを隠すために作っているものだろう。そうまでして大嫌いな人である私を自分の住む空間に連れてきたのは何故なのだろう
…まぁ、きっとこの後の説明で分かるだろう
今は私が住む世界について、私の唯一の肉親である父親についての話しを聞こう
「世界の寿命を伸ばすために贄が必要と仰っていましたが私の父は含まれているのでしょうか…?」
そう聞くと異界の番人は少し驚いたような顔をする
「…何故君は自分の父親が贄に含まれている可能性を考えたんだい?普通なら自分の親である父親が含まれる考えには至らないはずだ」
まぁ、確かに普通の人達なら自分の親が神の寿命を削るほどの所業を行っていたなんて、贄になってしまう可能性なんて考えもしないだろう
でも、私は知ってしまった…私の母が居なくなってしまう前に母自身が私に向けて父に隠れて渡した手紙によって
「行方が分からなくなる前に母が渡した手紙にある程度の内容が書かれていました…」
母がこの手紙を渡してきた時、もし私の行方が分からなくなってしまったらこの手紙を読むように…その時まで絶対に父にはこの手紙が見つからないようにしなさいと。そして、読んだ後は手紙を破って捨てるか、燃やすようにと私に言いつけた。
きっとこの手紙は読むことなんてないだろうななんて思っていたのに本当に母はいなくなり、隠れて読んだ手紙の内容を見た衝撃は今でも覚えている
「まぁ、単刀直入に言うと君の父親が贄になることはないよ。ただ、魂は化け物見たいな変化はしていないけど穢れきってはいるから浄化の対象になる」
…浄化の対象、つまり魂を回収されるということかな?そしたら肉体は死んでしまうということなのかな?
「君が考えているだろうことは正解だよ、肉体は死ぬ。でも、浄化が成功すれば来世に繋げることはできる!贄とは違ってね!」
私の表情を読んだのか、それとも心が読めるのか分からないが、私が質問する前に異界の番人は答えてくれた。
その内容を聞いて私は少し安心する。腐っても血の繋がった親である父だ。憎み、恨む気持ちはあったし、復讐したいとも思っていた。
だけど、異界の番人の発言的にもしかしたら世界の生贄になってしまった場合、魂が消滅してしまうのではないのだろうか…
もしそうなってしまった場合はさすがに寝覚めが悪い。
「ちなみに、生贄になる人達はどうなるんですか?」
父が生贄になるのは免れて安心したが、自分の考えがあっているのか何となくその辺も気になってしまい異界の番人に聞いてみる
「ん?そこも気になっちゃう?あまり詳しくは言えないけど世界の崩壊と共に消え去るよ。次に繋がることはない」
「…そう…ですか」
答えを聞いてやっぱりな、と思うと同時に自分の考えを確定させてしまったことに少し後悔する
そして魂が消えてしまう程の所業をした上層部の人間達に対し戦慄した
父も酷いことをしていたと思っていたけどそれよりも酷いことをしている人達がいるなんて…一体何をしたというのだろう…
一瞬気になってしまったがこれは聞かない方が身のためだろうとすぐに考えを消す。
「そろそろ質問タイムは終えても大丈夫かい?…大丈夫そうだね!じゃ、次に君が何故ここに居るのかの説明をするよ!」
無言で頷き説明を促した私に異界の番人は告げた
「君をここへ呼んだのはね、君に人類と神が滅亡した世界を救って欲しいからなんだ!」
…はぁっ!!!???




