3.最後の晩餐
「ところで、これは一体どうやって食べるんだい?」
私がソファに座った途端異界の番人が発した言葉がミートソースの食べ方とはこれ如何に…
「話し合いをするんじゃなかったんですか?」
呆れたような、冷めたような声を出したのに彼は私が言葉を発した途端嬉しそうにだけどなんとなく歪な顔で笑った
「話し合いはするよ!でもまずこんな美味しそうな食べ物は先に食べたいじゃないか!それに冷めちゃうからね!」
「…はぁ、そうですか。この食べ物が入っていた袋の中にスプーンとフォークは入ってなかったですか?これはそれを使って食べるんですよ」
どうやらこれを食べないと話し合いは始まらなさそうだ
私は仕方なく袋に入っていたスプーンとフォークの説明をする
「フォークとスプーン…あぁ!!あの三叉槍みたいな物とスコップみたいな物かい!確かにあったよ!」
そう言うと異界の番人は人差し指を上に向けクルクルと回すすると指の周りに青白い光が出たと思ったらポンッとスプーンとフォークが異界の番人の目の前に浮いて出てきて私はびっくりする
そして指をフイッと前に振るとスプーンとフォークが動き私と異界の番人の前に置かれた
「よぉ〜しこれでOK!これを使ってどうやって食べるんだい!」
「あっえぇっと…スプーンはロールケーキ用でフォークはパスタをこうクルクル〜と回す感じです…というか、これを使わず今までどうやって食事をしてたの…?」
驚きながらも実践してみせると「おぉ〜」という尊敬混じりの歓声を上げる異界の番人
こんなことで歓声を上げるなんて一体今までどんな食事をしてきたんだろう…私はそんな疑問が頭に浮かび思わず口に出してしまった
「む?最初の…いや、2個目の質問はそれかい?もぐもぐ…最後に食事をしたのは私がこの空間の主になる前だからね!何も覚えてないんだよ…むぐむぐ…」
一発でフォークの使い方を覚えた番人はパスタを物凄く速いスピードでクルクル回し、口に運ぶ。なのに喋る時はしっかりパスタを飲み込んだ後だから注意するか迷ってしまう。
いや、話している途中でも手を止めずに食べているし、パスタを飲み物のように食べているのを注意するべきなのか…?
…まぁ、久しぶりの食事だと言うし別に注意しなくてもいいか。
それにしても…正直なんと言えばいいのか返答に困る答えが返ってきたな。
最後の食事を忘れるほど長い期間この空間で何をしていたのか
なぜこの空間に来てしまったのか
そもそも彼は何者なのか…答えは分からないし、質問してもなんとなくだが、答えてくれなさそうな気もする…
「おや?なんだか難しそうな顔しているね、眉間にシワがよっているよ!そんな悩まず早くミートソース食べようよ!冷めちゃうよ!」
何故か新たに現れた2つ目のミートソースを食べながら私の食事を促す番人に私はひとつため息をつく
「複製魔法で作ったと言っていましたが安全なんですか?」
「魔法で作ってはあるけど食べても人体に影響はないよ!そもそも君の前に置いてあるのは君が持ってきた最初のミートソースとロールケーキだから、安心したまえ!」
用意したのが異界の番人だからイマイチ安心は出来ないけどそこまで言うなら仕方がない気乗りはしないけど食べなきゃ話が進まない…それに、私にとってもこれが私がいた世界の食べ物を食べれる最後の機会だから、私はパスタを巻いたまま置いていたフォークを手に取りもうどうとでもなれ!という気持ちでパクッとパスタを口にした




