612、ワンダーランドにも関われない遥か下層のゴミ溜めにて
【あのラフィが手掛けた遊園地が大好評!アリスinワンダーランドに行って来た】
先日スクエア連盟へ名を連ねてから快進撃の続くウマミMAX社、ウマミ・アジモト代表のご令嬢ウマミ・アリスとラフィが共同で製作した遊園地が今世間を賑わせている。
ギャラクシートイズの贈る持ち運べる遊園地は、個人・法人問わず多くの遊園地を誕生させた。その多くが格安で手軽に遊びに行ける遊園地、ファストファンパークとして知られている。
企業が事業として運営する“やや”手狭なものから、微笑ましい個人制作品まで様々。それでも手軽な値段と、飽きたらすぐ退出して別の遊園地へ行けてしまう仕組みが一定のファン層を掴んでいた。
そんな中この業界を震撼させる異次元クオリティの新作が投下された。
ギャラクシー・ファンファンパーク大賞、最優秀賞受賞。
アリスinワンダーランド。
平均滞在時間は驚異の8時間以上、ホテル完備でお泊り可能。満足度星4.9を記録した圧倒的覇権。
筆者も最初は疑っていた───言うてスクエア連盟に忖度しただけなのでは?と。休日はファストファンパークで遊園地を梯子するのがマイブームな筆者が、本気でアリスinワンダーランドをレビューするので読んで行って貰いたい───
────長々書いてしまったが、結論から言うとこれはファストファンパークでは無い。その体験は完全に本物の重厚なテーマパークに匹敵する。いや、それすら越えかねないテーマパーク業界に突如姿を現した大怪獣。
OWゲームを現実に落とし込んだらどうなるか?誰しもが一度は妄想した事のある夢がココにあった。筆者の最終レベルは12レベル。2連装ロケットランチャーを解禁した所で終わってしまったが、その上に続く武器の数々は名前を見ただけでもワクワクが止まらない。
特に“衛星兵器”カテゴリは30レベル以降にならないと触れないのだ。聞いた話では天から極太レーザーを降らせたり、一定時間ミサイル支援を要請出来たりするらしい。2種類の武器を持ち込めるというシステムの本領発揮は高レベル帯になってから。
お菓子の弾丸をばら撒くライフル片手に、衛星砲にドローン兵器果てはお供として戦ってくれるコンパニオンを連れてアリスinワンダーランドの全てを冒険し尽くそう。
『コメント欄』
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名無しの読者
最近急にアリスの名を聞く機会増えたな
スクエア連盟加入の影響は本当にデカい
加入の際にアリスが大立ち回りした話が出回ってるけどもし本当なら想像以上の傑物なのかもしれない
名無しの読者
あのラフィくんが推してるなら行くしかない
‥‥え?俺の次の休みは18日後?
名無しの読者
ありんこ兄貴頑張って
名無しの読者
実際行って来たけどマジでヤバかった
もちセーブデータ保持して通ってやるわ
てか15レベになってから一気にビルド幅増えない?2種類目の武器種が激増する
名無しの読者
勝手に戦ってくれるカボチャドローンオススメ
敵にぶつかって爆発するケーキドローンはネタ性あるけどクールタイム長くてソロだと使いずらい
名無しの読者
マスコットのうさキューをコンパニオンに出来るウサギの首輪なんだよなぁ
いつでもうさキュー呼び出して抱っこしながら回れるのQOL爆上がりでアツい
名無しの読者
うさキュー何だかラフィに似てて可愛い
目の感じというか仕草というか
名無しの読者
15レベになってからコンパニオンビルドで行ってる
レベル上がってくとうさキューを最大5体呼び出せて賑やか楽しい
強くはない
名無しの読者
どんぐり広場から地下都市直通ルートが発見されたってマジ?
子豚達の街→ドロヘドロの下水道→酔いどれネズミ街→地下都市アンダーワンダーで結構遠かった
でも地下都市のカジノ目当てで皆行く
名無しの読者
どんぐり広場の何の変哲もない民家、1階の寝室のベッド下に地下への階段がある
3つ並んだベッドの1番奥側
四つん這いになって進めば大人でも入り込めるサイズ
最初見つけた奴はどんな探索してたんだよ‥‥
名無しの読者
最初は結構スルーされてたどんぐり広場の開拓が進んで、どんぐり広場からかなり多くのエリアに直通で行けるんじゃね疑惑出て来てる
街中央のワンダーキャッスルにすら行けるんだぞ
名無しの読者
ウサギ記者の地下室からワンダーキャッスル地下エリアに直通
お化け達の地下牢入り組んでるから結構迷うけどお化け衣装とスキンが入ってる宝箱ある
名無しの読者
ワンダーキャッスル、正面から入っても行けるエリアめちゃ少ない
他の方法で脱法侵入するとあちこち行ける
トランプの大橋からダイブすると行ける場所まであるの笑う
名無しの読者
キノコの森に出る巨大カメレオンを倒しても消えずに暫くスタンして動かなくなる
口の中に入り込むとお菓子の魔女の家に飛ぶぞ
なおボス扱いの魔女がクッソ強くて遊びに行った旅団連中が全滅した模様
名無しの読者
すげぇ量のお菓子が津波になって押し寄せるアレの対処法が衛星砲ってマジ?
ドローンだと無理ゲー
名無しの読者
魔女倒すと特殊武器のスィートワンドが手に入るぞ
クールタイム長いけどあのお菓子津波を自分で噴射出来るのロマンある
名無しの読者
ガチ勢が攻略急いでるのに未だにウィキがスカスカなのエグい
攻略情報に関しては企業ウィキすら作らないスタイルだし
開拓者が関わった企画のお陰か俺達で童話の国の開拓頑張ってって感じ
名無しの読者
確かに課金すればオモチャ箱の内容量増やせるけどここまで増やすのに何億投じたんだって規模
普通は正直入場料安いし、ギャラクシートイズへのマージンも安くないしで採算取れないからやらないのに
アリスだけじゃなくラフィも結構ここに投資したらしいけど、お金持ちの遊びの規模感は庶民の想像を超えてくる
名無しの読者
成功した開拓者の中でもラフィは別格だからな
毎月不労所得分だけでも億単位で入ってくるバケモンよ
虹渦島とスーパーセルの利権にあちこちに名前を貸した分のブランド料もデカい
名無しの読者
有名なグルメ番組チャンネルでもここの取材するそうだし今後に期待!
「上級国民様がお戯れで作った遊園地が大ヒットだってさ。遊園地なんて行った事ないわ。」
揺れるツインテールに赤のメッシュ、金髪に赤が混じる。ファンデーションで作られた色白の肌にも赤。目元と頬と唇を染める。色白を隠す赤のジャケットを着込んだ女がベンチに腰を掛けていた。
翡翠の瞳が映すホロウインドウの向こう、金に愛された者達の笑顔が並んでいた。
齢18、アメリア、廃墟のような公園に。ヤマノテシティ下層区、高いビルに阻まれ日が差さない常闇の世界。コストを削減された人工太陽光が薄らと照らすだけの、ゴミ溜め。
「ねぇねぇ、ちょっとちんちくりんな顔だけど結構可愛いじゃん。」
「俺ら今暇なんだよね。」
頭から猫耳を生やした2人の若い男が寄って来る。
「俺ら亜人なのよ。」
そう言い放ちどこか得意げな顔。遠慮なく伸びた手をアメリアは片手で払った。その顔に戸惑いは無く、慣れた者の嘲笑するような顔。男達の顔が一瞬引き攣る。流れたピリッとした空気。
「亜人様の癖に女に苦労してんの?同族にすら“売って”貰えないなんてどんな極貧かよ。」
「テメェ‥‥」
この態度がただのハッタリか、それともこんな見た目で傭兵でもやっているのか。バックに厄介なマフィアか自警団が居るのか。余りにも堂々とした不遜な態度に、囲んだまま男達は逡巡した。
ただの女ならニホンコク人だろうが“今なら”好きに出来る。俺達は弱者であり、配慮されるべき存在であり、この行いも宗教活動の一環。また、多様性の共存を謳うヤマノテに愛された存在。
いざとなれば頼れる同胞達が暴動でも起こして庇ってくれる。あんなにニホンコク人は偉そうにしていた癖に、意外にも庶民は暴力の気配に弱い。警察も何人かブッコロしたら報復どころか日和った対応を見せた。
だが、行政の絡まない民間組織は別だ。
当てにならない警察組織に見切りをつけ、自力救済の道を選んだ自警団。銃に質量兵器とヒトを殺す武器の仕入れ先に困らないこの世界は、それだけ自力救済で認められる範囲が広かった。
殴られても警察に通報して逃げ惑え‥‥ちょっとした質量兵器で頭をガツン、即死。腕と足もポッキリ。強化外装なんてその道のプロの商売道具、一般市民には無縁な物。
武器を持って暴れる輩はその場で無力化してOK。暴力を振るわれたら、同レベルの暴力で返しても良い。
無能な企業警察が街の治安を守り、案の定犯罪者有利やったもん勝ちな法制度に民衆がブチ切れ、数上の大暴動で都市が数個地図から消え去った結果自力救済で認められる範囲が徐々に拡大していった。
犯罪者と言えど人権がある、現行犯に見えても冤罪かもしれない、過去何十年かに1回のレアケースを大前提にお偉いさんに“責任”の発生しない無難な裁きを続ける。
いつの間にか被害者の権利を蔑ろに、犯罪者の人権だけが尊いものだと警察も検察も裁判所も傾いていく。
都市が数個消えた。国家存亡の危機に行政は真っ青、死んだ筈の民主主義が復権したかのように法改正が進む。
しかし緩んだ自力救済の手綱が、過激な自警団やマフィア組織を台頭させた。
彼らは犯罪者に容赦が無い。警察の頭越しに、勝手に推定犯罪者を処分してしまう。その多くが罪状に見合わない、残虐性に満ちた狂気の裁定。
銃で脅して強盗する事数回、怪我人は無く死刑には程遠い罪状。
勝手に自警するマフィアは笑った。耳と鼻を削いだ後に切腹させろ。
トウキョウシティはそんな闇の中からも、守護天使の光が問答無用の手段で治安を劇的に改善させた。しかしヤマノテシティ下層区は未だ闇の中。
寧ろ‥‥
「おーおー、天使に追い出されたグズがこんな所に。」
「アメリア、やっちゃって良い?コイツら。」
「てか仕事遅れてる。早く行こ。」
アメリアを囲う男2人、急にゾロゾロ現れたガラの悪い女達が取り囲む。公園のすぐ側をヤマノテ警察が巡回するも、チラリと目をやっただけで通り過ぎた。
銃は抜いて無いな?ヨシ。
声を失って縮み上がる2人の男の肩が掴まれる。目前でベンチに座ったままのアメリアは悪い顔で中指を立てた。
「カーディナル、知ってる?アンタらみたいなバカを狩るレディースだよ。」
無言で前へ出た少女がパッと小さな光学メスを振るう。傷口を灼き塞ぐメスがイチモツを切り離し、口に詰め物をされた2人は声を出せずに転がった。
ゾロゾロと去り際にアメリアは引っ張って持ち上げた耳元で囁く。
「次ヤンチャしてるトコ見たらタマを踏み潰す。」
片手を振って女達は行く。縄張りを守る為に、そして金の濁流が支配する世界へ一矢報いる為に。




