第63話:音楽ゲームを知る事(ステージ3)
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8月4日午前11時頃、長門未来と山口飛龍がゲーセンに入ってから30分が経過しただろうか。
「あれも、音楽ゲームか?」
山口が指差すのはタブレット端末を筺体に固定したかのような機種だった。これも音楽ゲームらしいが……。
「デモ画面を見る限りでは、エアホッケーにも見えるけどね」
流れているデモムービーはエアホッケーを連想させる物だった。それが何故に音楽ゲームなのか。
「ホッケーでパックを相手に撃ち返すような感覚でプレイするのが――あのゲームって訳だけど、混雑しているみたいだし、別のゲームにする?」
ゲームの方に関しては、既に先客がプレイしており、他にもプレイヤーが埋まったので待ち状態となる。しかし、長門の言う事も一理あるので、1階に置かれている音楽ゲームを一通り見る事にした。
他にもドラム、ギターがワンセットになったセッション型、ボタン4つをリズムよく叩くタイプ、9つのボタンを叩くタイプだが、ノーツは上から降ってくる物――さまざまな音楽ゲームを発見する。
「格闘ゲームだと、筺体的な関係で1種類というか――その方がオペレーターのメンテにかかる負担も減る。しかし、その常識を破ったのが音楽ゲームよ」
長門の方は若干深刻そうな表情をしているが、そんなに悲観的な話と言う訳でもないようだ。
「格闘ゲームの場合はイースポーツの影響もあって、現在もブームが続いている。その一方で、音楽ゲームはスマホアプリの方がメインになりつつあって、ゲーセンに置かれているタイプはピンチと言ってもいいわ」
これだけの筺体があると言うのに、音楽ゲームは苦戦しているという。ARゲームでも音楽ゲームのジャンルは存在するが、その数はアクションに比べると非常に少ない。
スマホアプリと言っても、楽曲はオリジナルメインもあれば、ライセンス作品と連動した物もある。その大半が基本無料のアイテム課金型――ソーシャルゲームと同じ原理の物だ。
この懸念に関しては南雲蒼龍も同じ事を言っていたが、そこまで深刻になる必要があるのか?
無料ゲームが増えてしまうと、逆にゲームをプレイする側の意識も変化し、有料ゲームに人が集まらないという事もネット上では言われている。
一方で、運営側も資金的な部分等で疲労してしまう可能性も……という懸念もあった。
「それを何とかしないといけないのは、運営側もユーザーも一緒。だからこそ、連動イベント等で集客を狙う。それも、他社作品を巻き込んで――」
長門の言っている事、それはミュージックオブスパーダにも関係あるのか――と最初は思った。
しかし、ふと南雲の楽曲が向こうにも入っているという事実は、このケースに該当するのでは……という考えに至るきっかけを作った。




