第63話:音楽ゲームを知る事(ステージ1)
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8月4日、山口飛龍と長門未来は振り付け系の音楽ゲームの筺体の前にいた。
周囲にも別の音楽ゲーム筺体があるが、音がお互いに干渉する事はないようだ。
振り付け系の筺体はスペースを取る為か、若干広めに配置されている点も干渉しない理由かもしれない。
「ここだけでも音楽ゲームが3種類も――」
山口は見たことのない筺体を見て驚いているようであった。音楽ゲームと言えば、上からノーツが落ちてくるタイプの認識という一昔の思考が原因だろうか。
「音楽ゲームも日々進化しているわ。格闘ゲームはシステムが完成されていて、細部的な部分で違いが別れるけど、音楽ゲームは入力デバイスの違いだけでもかなりの数よ」
格闘ゲームの場合、入力デバイスがジョイスティックにボタンという形式が多いのに対し、音楽ゲームは入力デバイスだけでも多彩である。
鍵盤にDJのターンテーブル、ギター、ドラム、太鼓、洗濯機、タブレット、ボタン、パネル、振り付け、更にはスマートフォンと連動するような物も存在するのだが……。
最近では、音楽ゲームも楽曲がオリジナルだけではなくなっているが――それは後ほど。
2人は先客のプレイしている光景を観戦していた。先客の外見は、どう考えてもARゲーム帰りと言う気配がする。
ARゲーム用のインナースーツ、腕にはARガジェット、体型は意外な事に巨乳なのも驚きだ。
「凄い――」
山口の開口一番に出た言葉、それは率直な物だった。あの体型で軽々と踊れる事も凄いのだが、モニターに表示されるマーカーを上手く捌いているのも大きい。
「あのゲームはモニター上にあるカメラでプレイヤーの動きを読み取るタイプね。そして、画面に表示されるマーカーに合わせて踊る――と言った方が早いかな?」
長門も深い解説はせず、簡単な物にとどめている。おそらく、プレイして分からせた方が早いという事なのかもしれない。
先客のプレイが終了し、次にプレイするのは山口である。
「あなたはもしかして――」
長門はプレイしていた人物に心当たりがあったのだが、声をかけようとしたら別の筺体の方へ移動していた――と言う事に。
「このゲームも100円――?」
山口はコイン口に100円を入れるのだが、それ以外にもカードの読み取りするパネルも存在していた。
そちらの方も気になり、ARガジェットを読み取らせるのだが、画面にはエラーメッセージが出て読み取れないようである。
「これはARガジェットとは連動しない音楽ゲームよ。ARガジェットと連動する機種は、基本的にARゲームコーナーに置かれているし……」
長門が自分のポーチから1枚のカードを取り出す。カードの絵柄はSFアニメのデザインで、痛カードの部類と思われる。
「カードに関しては、こっち。サウンドパスが必要なのよ。カードに関しては、カード販売機が近くにあるから、次のプレイをする時にでも買うといいかもね」
カードを買いに行く余裕もなく、山口は今回のプレイに関してはカードなしでプレイする事になった。




