第五十話
あけましておめでとうございます!
俺はあの郡山先輩とのあと、もやもやとした気持ちを整理できないまま、自分の部屋へと戻った。
部屋に戻ると、俺以外に帰ってきているのは、一人もいなくて、それどころか船の中にすら、ほかにいる生徒は少ないようだった。
俺は一人、部屋の中の自分のベットの上で、何を考えるでもなく、ぼうとしていた。
そして、気が付けば、夢の世界へと旅立っていた。
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――大丈夫――
なにが?
――いつか、きっと迎えに――
誰だよ、あんた。
――すぐに思い出す――
意味が分からねぇ。
――答えは君の記憶に刻まれている――
「はっ」
俺の視界には、二段ベットの上の段の底が見えるのみだった。
どうやら俺は、夢を見ていたらしい。
今回もまた、よく見る病院のような部屋と、頭に直接響いてくる声。
悪夢というわけでもないのに、俺はこの夢から覚めると、必ず嫌な汗をじっとりと掻いている。
俺の記憶が何だってんだよ。
俺は掻いてしまった嫌な汗を流すために浴場に向かう。
時間的にも人はおらず、閑散としている広い浴場の中、俺は自分の周りを取り巻く、面倒ごとの数々のことを考える。
俺は普通の学生だったはずだった。
だが、あの日、俺の普通だった日は終わりを告げた。
おそらく中華の工作員たちのテロにより、俺の住んでいた堅田の町は戦いに巻き込まれた。
その原因は、俺の通う高校の地下で秘密裏に開発されていた、日本自衛軍の最新機だった。
逃げているうちに、地下道の崩落などの不運に見舞われた俺は、偶然にも見つけた隠し通路に逃げ込むが、その先で、くだんの最新機と出くわしてしまう。
そして、そこには敵の中華の工作員たちの陰もあった。
そこで戦闘となった俺は、昔作ったことのあるアクションゲームのプログラムを参考に、未完全だった最新機の運動プログラムを完成させ、中華の特殊陸戦兵器『大蜘蛛』を撃退する。
戦いを終えてすぐ、俺は第二の敵と戦うことになる。
それは日本の警察に配備されている暴徒鎮圧用の機体だった。
その機体との戦いは、俺の方の機体のエネルギー切れという結果で終わった。
そして殺されると思ったのもつかの間。ハッチが強制的に開かれ、その先から現れたのは、クラスの委員長。真面目なだけの普通のクラスメートだと思っていた北島だった。
その後俺は、中華からのスパイ容疑などもかけられたが、日本の防衛装備開発の第一人者の楠先生のおかげで、一応助かった。
が、その代わりに俺は軍に所属することになり、防衛高等学校に編入することとなった。
そこでもいろいろな人との出会いを経て、俺は今ここで年に一度の交流戦に挑むこととなっている。
そしてその裏では、どうやら、東雲の実家の会社が暗躍しているようで、その標的が俺の方を向いているらしい。
考えてみるだけで、それはまるで小説に出てくる主人公の物語のようで、現実味の薄れるものだ。
正しく、現実は小説よりも奇なり、といったところか。
それでも俺は、この人生を生きようと、戦おうと思っている。
俺は大きく溜息を吐く。
「本当に面倒だな」
*********
そして時間は過ぎていき、大会の試合も粛々と消化されていった。
大会十日目。
俺たちの戦績は三人そろって無敗。無事に決勝トーナメントへと駒を進めていた。
ついでに言うと団体戦は、俺たち対馬校の圧勝で幕が下りていた。
ほかの競技でも、次々と勝者が決定し、今回の大会も終わりを迎えようとしてた。
「さあ、僕らの祭りも始めようか」
そして、一つの大会が終わろうとする裏では、もう一つの祭りの幕が上がろうとしていた。
これは別に総集編とかそう言うわけじゃないんですよ?
そして大会の後半がカットされているのは、面倒だったからではなく、仕様ですのであしからず。
……本当ですよ?




