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人型陸戦兵器「|武士《もののふ》」   作者: 荒井尾 麓
第三部 防衛高校対抗戦編
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第五十話

あけましておめでとうございます!

 俺はあの郡山先輩とのあと、もやもやとした気持ちを整理できないまま、自分の部屋へと戻った。

 部屋に戻ると、俺以外に帰ってきているのは、一人もいなくて、それどころか船の中にすら、ほかにいる生徒は少ないようだった。

 俺は一人、部屋の中の自分のベットの上で、何を考えるでもなく、ぼうとしていた。

 そして、気が付けば、夢の世界へと旅立っていた。


     *********


 ――大丈夫――


 なにが?


 ――いつか、きっと迎えに――


 誰だよ、あんた。


 ――すぐに思い出す――


 意味が分からねぇ。


 ――答えは君の記憶に刻まれている――



「はっ」


 俺の視界には、二段ベットの上の段の底が見えるのみだった。

 どうやら俺は、夢を見ていたらしい。


 今回もまた、よく見る病院のような部屋と、頭に直接響いてくる声。

 悪夢というわけでもないのに、俺はこの夢から覚めると、必ず嫌な汗をじっとりと掻いている。

 俺の記憶が何だってんだよ。


 俺は掻いてしまった嫌な汗を流すために浴場に向かう。


 時間的にも人はおらず、閑散としている広い浴場の中、俺は自分の周りを取り巻く、面倒ごとの数々のことを考える。


 俺は普通の学生だったはずだった。

 だが、あの日、俺の普通だった日は終わりを告げた。

 おそらく中華の工作員たちのテロにより、俺の住んでいた堅田の町は戦いに巻き込まれた。

 その原因は、俺の通う高校の地下で秘密裏に開発されていた、日本自衛軍の最新機だった。

 逃げているうちに、地下道の崩落などの不運に見舞われた俺は、偶然にも見つけた隠し通路に逃げ込むが、その先で、くだんの最新機と出くわしてしまう。

 そして、そこには敵の中華の工作員たちの陰もあった。

 そこで戦闘となった俺は、昔作ったことのあるアクションゲームのプログラムを参考に、未完全だった最新機の運動プログラムを完成させ、中華の特殊陸戦兵器『大蜘蛛』を撃退する。

 戦いを終えてすぐ、俺は第二の敵と戦うことになる。

 それは日本の警察に配備されている暴徒鎮圧用の機体だった。

 その機体との戦いは、俺の方の機体のエネルギー切れという結果で終わった。

 そして殺されると思ったのもつかの間。ハッチが強制的に開かれ、その先から現れたのは、クラスの委員長。真面目なだけの普通のクラスメートだと思っていた北島だった。

 その後俺は、中華からのスパイ容疑などもかけられたが、日本の防衛装備開発の第一人者の楠先生のおかげで、一応助かった。

 が、その代わりに俺は軍に所属することになり、防衛高等学校に編入することとなった。

 そこでもいろいろな人との出会いを経て、俺は今ここで年に一度の交流戦に挑むこととなっている。

 そしてその裏では、どうやら、東雲の実家の会社が暗躍しているようで、その標的が俺の方を向いているらしい。


 考えてみるだけで、それはまるで小説に出てくる主人公の物語のようで、現実味の薄れるものだ。

 正しく、現実は小説よりも奇なり、といったところか。


 それでも俺は、この人生を生きようと、戦おうと思っている。


 俺は大きく溜息を吐く。


「本当に面倒だな」


     *********


 そして時間は過ぎていき、大会の試合も粛々と消化されていった。


 大会十日目。

 俺たちの戦績は三人そろって無敗。無事に決勝トーナメントへと駒を進めていた。


 ついでに言うと団体戦は、俺たち対馬校の圧勝で幕が下りていた。

 ほかの競技でも、次々と勝者が決定し、今回の大会も終わりを迎えようとしてた。

 

「さあ、僕らの祭りも始めようか」


 そして、一つの大会が終わろうとする裏では、もう一つの祭りの幕が上がろうとしていた。



これは別に総集編とかそう言うわけじゃないんですよ?

そして大会の後半がカットされているのは、面倒だったからではなく、仕様ですのであしからず。

……本当ですよ?

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