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人型陸戦兵器「|武士《もののふ》」   作者: 荒井尾 麓
第三部 防衛高校対抗戦編
47/51

第四十七話

すみません、またまた間が空いてしまいました。(´;ω;`)

 試合後、ハンガーに戻ると、ちょうど入れ替わりで片桐が試合会場に向かうところだった。

 俺は軽く機体の手を挙げて挨拶をする。すると、片桐も軽く手を挙げて答えてくれる。

 俺は、機体の中から改めて片桐の乗る機体をまじまじと見る。

 下半身は装甲車のそれだし、上半身の動きもどこか鈍い。作っておいてなんだが、あれでよく戦えるなと思う。

 それでも、片桐は戦うことを選んだんだ。一応俺もエンジニアとして、いじったからには、それなりの状態には仕上げた。俺の持てる技術を注ぎ込んで。


「まぁ、あとは片桐しだいだな」


 俺はそうつぶやきながらハンガーの中に入る。


     *********

 

 俺が機体を降りて、選手の控室に入ると、いまだ数人の選手が待機しているところだった。

 多くの選手は、入ってきた俺に一瞥もくれずに集中しているようだった。

 俺は置いてある紙コップを手に取り、選手のために設置されたウォーターサーバーから水を飲む。

 そして何気なく、視線を見渡すように控室全体に向けると、ちょうど更衣室から出てきた北島と視線が合う。


「よう、もう終わったのか?」


 北島は制服の姿だったので試合の後なのだと予想してそう言う。


「ああ、試合が思ったよりも早く終わってな」

「さすが、エースパイロット殿は格が違いますな」


 俺は肩をすくめ、おどけて言う。


「まぁ、あまり苦戦している姿を見せると、観客である国民に不安を与えかねないからな」


 北島はわずかに眉をくいっと上げて言った。

 俺はその言葉に隠れる棘を感じ、言い返す。


「すみませんね、一応軍属の癖に苦戦してて。こちとら、ついこの前までただの学生だったもんでね」


 そう言うと、北島は少し笑みを浮かべてさらに追撃してくる。


「これは失礼。嫌味に聞こえてしまったかな?でも、許してほしい。私とてこの程度のハンデで苦労するような人間が、『特務官』に任命されるだなんて思わなくてね」

「くっ、このアマァ...!」


 涼しい顔して毒を吐いてくる北島に、俺は歯を噛みしめて、殴りかかりたくなるのを我慢する。

 別に、勝てないからとか、返り討ちに会うからとかじゃないよ?本当だよ?


「まぁ、冗談はこのくらいにしておこうか。それよりも、今回もちゃんと勝ったんだな?」


 北島はわずかに表れていた微笑みの表情を引っ込め、いつもの無表情を張り付けて、そう聞いてくる。


「まぁな。どうせ苦戦したけどな。ってか、仮に負けていたら、もうここにはいねえよ。楠先生の魔の手から逃げるために、どこか誰も探しに来ない遠くに旅に出てるよ」


 俺が冗談のような本気の話をしていると、突然、俺の両肩に重みが加わる。


「ウフフ~、安心していいよー、斎藤君。俺は、君という部品のためなら、地の果てでも、宇宙のかなたへでも探しに行くから~」

 

 ねっとりとした口調で、俺の耳にダイレクトに告げられた言葉に、俺は強烈な寒気と怖気を感じ背筋が凍る。


「いらっしゃったんですか、楠先生」


 心が完全にフリーズしている俺を完全に無視して、北島は何でもないように楠先生に話しかける。


「まあねぇ。やっと、いろいろな煩わしいことから解放されてね。ついでに、我らがテストパイロット君がどうしているかなって気になってね。来ちゃった」


 語尾に「てへぺろ」とか付きそうな言い方をする楠先生に、俺はさっきのこともあって、本気で吐きそうになる。それを言ってもいいのは美少女だけと古来から決まってるんですよ?楠先生。


「それで君たち二人は、いまだ零敗?」

「いやいや、なんで普通に白星じゃなくて、黒星の方聞くんですか。普通逆でしょ」


 ナチュラルに負けた数の方を、残念そうに聞いてくる楠先生に、俺はいら立ちを覚えつつも、自制心を総動員して、未だに肩に乗っていた楠先生の手を振り払い言う。


「いやぁ、負けてくれたほうが、俺的にはおいしいかなって」


 俺は心中で、何がだよと思いつつも、聞いたら聞いたで、恐ろしい思いをするだけなんだろうなと思い、口から言葉が出てくるのを抑える。


「で、楠先生は、俺たちの様子を確認しに来ただけ、なんですか」


 たぶんそれだけでは、ここには来ないだろうと予想しつつも、そう尋ねる。


「まあね。もちろん君たちの様子を見に来るのも、一つの用ではあるけど、もう一つ。そろそろ片桐君の試合が始まるころかと思ってね。あの二機の様子を見るために、一番見やすそうなモニターのある、ここに来たというわけさ」


 やはり、この人は研究のことがメインになってきているようだ。ここに来ても、自分の作った新型武装のチェックとは、まめなことだと思う。


「そろそろ、片桐の試合が始まるようだぞ」


 北島はそう言いながら、モニターの方に視線を向けていた。

 それにつられて、俺もモニターに視線を向ける。


「のようだね」


 そうつぶやいた楠先生の声の後、試合開始のベルが鳴る。



何でしょう。最近筆が進まない。

これが、噂に聞く『スランプ』?(たぶん、違う)

というわけで、今後も間隔があくかもしれませんが、前もって謝罪しておきます。すみません。

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