表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラッド・フラワー  作者: 御稲荷 薫
ジョワブル王国/ペティット村編
40/67

40 アリスタ・ブルメン

「ぼくと結婚しよ!」


(何言ってるんだこの子…!)


シティ・ロマーノに住む貴族、アリスタ・ブルメン。


年はあたしと同じくらいだろうか。


年頃にしては少しぽっちゃりしたおかっぱ頭の男の子が、出会い頭あたしに求婚してきた。


「い、いや、あたし達初めまして…だよね?」

「うん、そうだね!」

「初めましての人にいきなり結婚してはおか……変だと思うけど…それに、あたし達まだ子供だよ?」

「そうかな〜?でもお母様は、ぼくらくらいの時にはもうお父様と結婚するって決まってたって」


アリスタのゆっくり、フワフワした喋り方に会話のペースを乱される。


「あなた達の世界ではそうかもしれな……(⁉︎)」


その時、あたしは大変なことに気がついた。

髪色を隠すための帽子を被ってなかったのだ。


反射的にあたしは両手で頭をアリスタから隠すように覆った。


その奇妙な行動を見てアリスタは首を傾げる。


「どうしたの?」

「いーーや!?いやいやいや、何でもない!ちょっと頭痒いなーって!ハハッ!」

「さっきから思ってたけど、君の髪色すっごく綺麗だね。生まれつき?(⁉︎)」


あーーーーーー!!やってしまったーーーー!!あたしのばかーーーーー!!


あたしは慌ててアリスタに詰め寄る。


「アリスタ君、あたしと結婚したいんだよね!?」

「うん」

「そしたら、あたしの約束守ってくれる!?」

「うん、もちろん!」

「あたしのことはお母さんにもお父さんにも話しちゃダメ!絶対!」

「えぇ?でもぼくたち結婚するんだよね?そしたらいつかは話さなきゃ」

「いつかは話していいから!とりあえず今はダメ!お願い、約束して!」


あたしは両手を彼の前で合わせて懇願した。

するとアリスタは


「わかった、君がそう望むなら」


と不細工な笑顔とともに答えた。笑い方はお母さんそっくりだ。


彼が嘘をついているかは分からなかった。

なんというか…空気の掴みづらい感じが心波にも影響してる。


(だから近くにいても気づかなかったんだ…)


「そういえば、まだ君の名前を聞いてなかったね」

「え、あ…っと」


(どうしよう、名前…名前………あ。)


「…………ミ」

「ん〜?」

「"ウミ"。ウミっていうの」


目の前を広がる海を見て咄嗟にそう名乗った。


「ウミちゃんか!とっても素敵な名前だね。君に似合ってる」

「あ、ありがとう。呼び捨てでいいよ」

「わかった、ウミ。じゃあぼくのことも呼び捨てでいいよ」

「うん…アリスタ」


話しがひと段落したところで、アリスタは胸ポケットから小さな時計を取り出して時間を確認した。


「あ、もうこんな時間!ぼく行かなきゃ。お母様に叱られてしまう」


叱られてしまうとは言いながらも、彼の口調はどこか嬉しそうでもあった。


「じゃあね、ウミ。また明日!」

「えぇっ、ちょっと!」


そうして、アリスタはさっさと帰ってしまった。


本当に明日も来るのだろうか。


(とりあえず、リンさんに伝えなきゃ)


あたしは急いで家に戻った。


・・・・・


「ただいまー。悪ぃな、遅くなった!」

「おかえり、リンさん。今日はどうだった?」

「珍しく特に何も。あいつら、1日中家に籠ってたみてぇだぞ。おかげで仕事も何の支障なかった」


あいつらとは、もちろん貴族たちのことだ。


最近の"なんでも屋 リン"は、仕事を2人で分担しながら行っていたけど、今だけはリンさん一人で回している。


「シチュー、作っといたよ。食べる?」

「おお!気ィ効くなアレン!ありがとう!」


あたし達は2人で食卓を囲んだ。

話すなら今だと思った。


「あのさ」


そう呟いた瞬間、あたしの口は動くのを止めた。

不審な顔をしたリンさんが「ん?」と聞き返す。


「今日、海行ったんだ!海で剣の練習してた」

「やーっと分かったか?あたしが家の中でじっとしてられない気持ちが」

「うん。いくらやることあっても家にずっといるのは結構、ね」

「いいんじゃねぇか?家までは来ても、海の方は貴族のやつらの目にも止まらねぇだろうし。気分転換にもなる!」

「そう…だね。今度また時間あったら稽古してよ」

「あたぼうよ!」


言えない。


リンさんが。村長が。みんなが。

必死にこの困難を乗り越えようとしてるのに。


あたしが新たな問題持ち込んだらみんなにもっと負担をかける。迷惑をかける。


「アレン、腹減ってたなら先食べてていいかんな?これからもちょくちょく帰り遅くなることあると思うし」

「うん、わかった」


自分で何とかしなきゃ。

あたしも、みんなと一緒にこの危機を乗り越えるんだ。

お餅といくらが苦手です。

なのでお正月の料理が楽しくありません。毎年の悩みです。泣

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ