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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第133話 あれ、何が入ってるの?

「どう? 変かなぁ?」

「いや。かっこいいぞ! シェンユはいつも似たような格好してるから、今のそれ、すっごく似合ってるぞ!」

「へへへ~。そう?」

「でも、フォルストの所のクランハウスに行くんだろ? そんな、格好を気にしないといけないか?」


 シェンユは、この間、一緒に買いに行ったオシャレな服を着ている。


 首から胸までしかない黒いタートルネックの前掛け? みたいな服、ホルターネックって言うんだっけ? と下にいくにつれて広がっているけど、足首で綺麗に締まっているチャイナっぽい白いズボン。上から膝まである大きな緑色の羽織もの。コイツだけなんか凄い模様になっている。


 買ってる時に女性用っとぽいチョイスだなぁ~と思った。特にホルターネックとか。

 けど、異世界補正と、程良い胸板、綺麗な腹筋のおかげで、めっちゃカッコ良く見える。


「たまには、良いじゃん!」

「にしても、寒くないのか? お腹丸出しなんだけど? 今は冬だぞ?」

「ふっふっふっ。大丈夫よ! 御馳走をたくさん食べれるようにしておかないと! それにね」


 謎の笑みを浮かべながら、羽織物を脱ぐと、俺に渡してきた。


「着てみて」

「ん? おう。分かった」


 俺が着ると似合わなそうな、凄い柄で内側は暗い赤の緑の羽織物を着てみてる。


 めっちゃ、暖かい! むしろ少し暑いくらいだ。


「何だこれ? すげ~な!」

「それは、ちょっと高かったんだぁ~。特殊なドラゴンの尻尾毛で作られていて、暖かくなるんだよ」

「シェンユ? それは、どうした? 怪我したのか?」


 布が無い背中は肌が露出しておらず、脇下からサラシみたいに、包帯がぐるぐる巻きになっている。


「大丈夫、大丈夫! 怪我なんてしてないよ! 実は、背中にサヤの弟子の一族の証になる魔法陣が刻まれているの。雰囲気は獣人の奴隷紋みたいのかな。あまり、人に見られたくないから、いつも隠してるんだよ」

「そうなんだ。そんじゃ、ほら、しっかり羽織っておけよ」

「うん。タツキは、普段と同じ格好だね」

「俺はオシャレに疎いからな。別に必要性も感じないし」


 ガタンッ!


 振り返ると、俺の机の上にある大きな木箱が跳ねた後だった。


「あれ、何が入ってるの?」

「俺も知らないんだ。ノアがクランへの贈り物にする予定で、準備してたんだけど。プレゼント交換するなら、持っていけ。って言ってたんだよね~」

「たぶん、生き物だよね?」

「かも、しれないな」


 ノアの奴、何考えてるだよ! プレゼントに生物(なまもの)をチョイスするか? たぶん、アレは鮮度が良すぎる食べ物だろうな。


 魚か? 兎か?


「シェンユ、早いとこ行こうぜ。アレが気になって、気になって。さっさとプレゼント交換を終わらしたいよ」

「そうだね。でも、ダメだぞ! ちゃんと楽しまないと!」

「分かってるよ。よし、行くぞ」


 俺達はクランハウスに向かう事にした。


 フォルスト達が買取ったクランハウスは、元々大きなクランが使ってた物らしく、2年前に不運にも大砂漠でドラゴンと遭遇し、大打撃を受けて解散したらしい。

 場所は倉庫区画の裏側、英雄通りから東の奥で、だいたいユウツオの中央付近なので、どこにでも行きやすい位置に建ってる。


 シェンユは手ぶら、俺は縦横40センチ、高い60センチぐらいの大きな木箱を持っての移動。体力的には問題なかったが、持って歩くと前が見えなくて、到着まで時間がかかってしまった。


 クランハウスに着くと、門の前に見た事の無い犬獣人が2人立っている。

 いつも来る度に思うが、敷地を囲う白い木の柵は、ユウツオの雰囲気に合ってなくて、アメリカン住宅みたいだ。


「こんにちは、奴隷獣人のクラヒブと申します。もしかして、こちらのクランハウスに御用でしょうか?」

「そうそう。オイラ達、親睦会に呼ばれているんだよ」

「では彼について行って下さい。スペキス、荷物を持って2人を案内してあげて」

「分かった兄者。そちらの方、荷物をお持ちします」

「あ、ありがとう。頼みます。それ時々跳ねるけど気にしないでくれ」

「分かりました。どうぞ、こちらへ」


 案内してくれる犬獣人についていく。前が開いたジャケットを着ていて、素晴らしいマッチョだ。胸から上は犬顔なんだが、毛がなくてドーベルマンっぽい。ザ・番犬って感じだ。


 俺は引っ越しの手伝いで何度か来ているから、クランハウスの間取りは、ほぼ分かっている。

 敷地に入って、右に見える2階建ての別館はトラヒコさんのパーティ“平原の千刃虎”が使ってる。武器制作の為の鍛冶場があるらしい。右にある同じような建物は、何に使ってるか知らない。

 中央に見える3階建ての本館の前には、広い庭があって、相撲の土俵のような円形の盛り上がった地面がある。ここで鍛錬したり、模擬戦したり、外周を走ったりするらしい。

 3つの建物は繋がっていて、コの字型になっている。この世界のデカい建物はコの字型が多い。流行りなのか?

 中に入ると4畳ぐらいの広い玄関があって、すぐ前に廊下がある。廊下は円形になっていて、左右にそれぞれ4つの部屋と隣の建物と繋がっている扉がある。ちなみにフォルストの部屋は、右奥の少し大きめの角部屋と、隣の2部屋だ。

 玄関の目の前の両開き扉をくぐると、大広間だ。ここでダラダラしたり皆で集まったり、会議したりするらしい。なので、かなり広い。左手前と右奥に円形の部屋に沿う階段があって、2階と3階まで吹き抜けになっている。どの階もそれ左右に4部屋づつあり、奥にはトイレと少し大きめの部屋が2つある。たしか2階の右側は“深緑の支配者”の人達が使ってたハズ。

 1階の奥側には厨房と風呂とトイレが備わってる。


 部屋がたくさんあって、大きな共用スペースがあって、デカい寮って感じだ。


「どうぞ、こちらでくつろいで下さい。荷物はあちらに置いておきますので」


 ドーベルマン犬獣人は、一礼すると大広間の左手前の階段下デットスペースに、俺の跳ねる木箱を置いてくれた。

 他にも20個ぐらいの大小様々な箱が置かれているので、皆のプレゼントが集められているんだろう。


「あっ! タツキさん」


 大広間のソファーに座ってる女子3人組の1人が声をかけてきた。


「あぁ! ジャオさん。どうしてここに?」

「深緑の支配者の方々と交友があって、学校を卒業したらパーティに入れてもらう予定なんです」

「そうなんですね」


 深緑の支配者は、パーティを復活させるって聞いてたけど、新人のスカウトもしてたみたいだな。ジャオさんは、騎乗獣の扱いが上手いし、虫系の生き物について詳しい。

 実は最近知ったけど、入学の時のクラス分け試験で、学校の人工森で会ったてたらしい。俺は覚えてないんだけど。


「お邪魔しまーす。おっ綺麗な所だね」

「だろ? 俺達には勿体無いクランハウスだ。けど、誘われたからには全力で維持していくつもりだ」


 新しく4人入ってきた。1人は体格が良く顔も鼻も目も四角い金髪の30代ぐらいの人だ。たしか、クラン加入パーティ“緑黄の旅人”のリーダーをやってる人だったかな。


 残りの3人はよく知ってる。奴隷使いのコウと、その奴隷獣人のウルシュとイアルフだ。


「コウ。お前も誘われてたのか」

「やっぱりいたか。フォルストさんと仲良いって知ってたから、いるとは思ってたけど」

「タツキちゃん!」


 人懐っこいウルシュが、おっきいオッパイを腕に当てて抱きついてきた。


「あんっ!」


 その瞬間、小さく喘いで身体をビクッと一瞬だけ痙攣させると、2歩ほどはなれた。


「お前な! タツキと仲良いのは分かるけど、今はダメだ。俺達だけなら許しても、今は他に大勢の人がいるだろ!」

「主、スミマセン」

「相変わらず厳しいな、コウ」

「ライノフほどじゃないよ」

「コウ、俺は気にしないよ」


 むしろ、幸せだ!


「タツキもさぁ~。ま、いいか。とにかく、今日はウルシュとイアルフは仕事だ。ライノフの奴隷獣人と一緒に給餌係をやるだよ。さぁ、行くぞ」


 コウとウルシュ、イアルフ。そしてライノフさんは、奥の厨房がある扉へと向かっていった。


 4人が入っていくと、入れ替わりで“森の疾風”の男メンバーが5人出てきた。


「昼過ぎだけど、料理が完成しちまったな。さて、どうするか?」

「フォルスト、お前張り切りすぎなんだよ! 朝っぱらから狩りに引っ張り出して、昼前には大量の獲物取ってきて、すぐに下処理して料理して、俺達は疲れたぞ」

「そうっすよ! 昼飯まだ食べないし、もうお腹すいたっすよ」

「だってよぉ! 客も呼んでるんだぞ? もしも獲物取れなかったらヤベェじゃねーか。あっ。シェンユ! タツキ! もう来たか!」


 どうやらフォルストは、俺達、来客の人の為に、朝から張り切ってくれてたらしい。本当に気を使える奴だよ。


「フォルスト。オイラも張り切って早くきちゃった」

「見りゃ分かる。イカした格好だな!」

「へへへ」


 フォルストはジェスチャーで、ほかのメンバーに飲み物を要求すると、俺達の前まで来て上を見た。

 すると、ちょうど階段から、ぞろぞろと人が降りてきた。


「お前等が呼んだんだろぉ~! 若い女の子をほっといて何してるんだよ!」

「朝から平原に甘い物を取りに行ってたんです~! こっちは3人しかいないんだから!」


 先に降りてきた女性3人は“深緑の支配者”だ。以前に決闘の時に会った事がある。


「私達が手伝ったんだから5人でしょ?」

「そうだよ! さては、自分達の手柄にして、甘いのたくさん食べる気でしょ?」


 後から降りてきた女性2人は知ってる。フォルストと同じ“森の疾風”のメンバーで、たしか、ツァジウ氏とロウメイ氏だ。


 今度は左側の扉が開いて、男達が8人入ってきた。


「フォルストいるか?」

「おう、トラヒコ。酒は?」

「予定より多めに仕入れてきたぜ! いつも使ってる酒屋が、クランのパーティなら。って安くしてくれたからよ!」

「まぁ、ワシが普段から酒を買ってるおかげよ! ワハハハハハハ」

「シシゾウさん感謝するぜ」


 トラヒコさんとシシゾウさんしか知らないけど、“平原の千刃虎”のパーティメンバーみたいだ。


「あと1人来る予定だけど、ほぼ皆集まってるみたいだし、料理も酒も準備できてるし、予定よりも早いが始めちまうか?」

「フォルストが良いなら、いいんじゃないか? 俺は後から文句言われても責任取らないからな!」

「トラヒコだって、もう酒飲みたいだろ? 何か言われたら助けてくれよ~」

「オイラは、反対だなぁ。来る予定の人がいるなら、時間までは待つべきだよ」

「今16時か。予定時間まで、あと1時間もあるじゃねーか! 皆、早く来すぎだぜ」


 なんだ? あと1人って、怒ると怖い人が来るのかな?


「オースっ! まだ始まってないよな?」


 正面入り口から入ってきたのは、ルーファン氏だった。


「ルーファン。あのね~、フォルストが始めようとしてたよ!」

「なんだとっ! フォルスト! 今日はパメラを想う会でもあるんだろ? 私がいないとダメだろ! わざわざ、早く来る為にムーちゃんに仕事を押し付けてきたんだらな!」


 ムーチェンに、仕事押し付けてんかーい! だから、ルーファン氏、ギルドの受付嬢の格好なのか。仕事終わりに、そのまま来たのかな?


「おぉ! 待ってたよ、ルーファン! ささ、こちらに座りな。我がクランハウス自慢のソファーだぜ! 座りごごち最高よ?」


 今日フォルストは、ルーファン氏の専用給仕だな。

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