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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第129話 くりすますかい?

「という話が、昨日の昼食時間にあったんだよ」

「嘘だろ?! そのシャン・レン=ワン家のパーティーには、もちろん俺も行くんだけど? シャン・ギ=オウは分家だし。帝都から俺の祖父と姉もくるんだけど? ダリアの奴、何してくれてんの?」

「ジョノも行くのか?」

「もちろんですよ、タツキ氏。俺はユウから友人のように扱ってもらってるけど、本来なら使用人だからね。こういう時は、しっかりと役目を果たさないといけないから!」

「ジョノの家って、代々、ユウの家に仕えてる感じか?」

「そうですよ。普通の使用人の能力も必要だけど、エクシィの対戦相手としての能力も必要だから、使用人というより友人として関係をしてる方が多いかな。俺の兄はユウの姉の使用人を務めているよ」


 う~ん、マズイな。押されている。

 2ターン目に出すカードを間違えたのが、痛かったな。ユウの速い攻めについていけなくて、全てが後手に回ってる。


「にしても、シン大帝国4大貴族の懇親会に魔女教団が呼ばれるとか。ありえない。これまでに、こんな事あったのか?」

「俺は知らないですね。タツキ氏は?」

「俺に聞くなよ~。俺の方が一般常識に疎いんだぞ! 知らないよ」

「俺が言いたいのは、そういう事じゃなくてな。なんで、こうなったんだ? って事だよ!」

「なんでって。ヒルデさんが行きたいと言って、ダリアさんが許可したんだから、良いんじゃないか?」


 コレは、次で終わる……

 ドローして残り組織力はAが5枚Eが6枚。このターンでユウのチームを全滅しないと負ける。


「タツキなぁ~。なんで魔女教団の味方をするんだよ? アイツらは迷惑な奴等だぞ? このユウツオにも多くの被害を出してるぞ?」

「それは分かってるよ。でもなユウ。人は反省できるし、贖罪もできる。それから人はそれぞれだ。魔女教団だからってヒルデさんを迷惑な奴と決めつけるのは良くない!」

「そうかよっ!」

「ヒルデさんは、魔女教団を変えようとしてるし、ユウツオでの魔女教団がした事を謝罪して、関係を直そうとしてるんだ。良くしようと頑張ってる人は、助けてあげたいだろ?」

「それで、俺にも協力しろと?」

「協力って、ほどじゃないけど。話ぐらいは聞いてあげてくれよ」

「アイツがまともな事を言うとは思えないけどな!」

「おっ! 言ったな? なら、まともな話だったら、ちゃんと聞いてやれよ?」

「ふん。分かったよ」

「それからなぁ~」

「まだ、あるのか?」

「参りました。俺の負けです」


 今日は、なんか調子が良くないな。引き運も悪いし、プレミも多い。


「8戦8敗か? 久しぶりだし、俺も新しいカードを追加したけど。それにしても負けすぎじゃないか? あとは。シェンユと対戦するぐらいしか無さそうだけど?」

「そうですね。それで、シェンユ氏はどうしたのですか? 今日は一緒にって話を昨日してませんでしたか?」

「そうなんだよ。突然、今朝になって、急用があるから。って出かけて行ってしまったんだ」


 そう! 昨日の学校帰りに、休日は久しぶりに、ユウの家でエクシィをする約束をした。シェンユも一緒に。

 ヒルデさんの話を少しユウにしておきたかった。という狙いもあったが、ついでに、シャン・レン=ワン家の懇親会に誘うつもりだったのに~。


「タツキはデッキを見直してみるか?」

「いや、今日は帰ろうかな? なんとなく、今日は何度やっても勝てる気がしないな」

「そっか。まぁ、そんな日もあるよ! 最近ノアさんと勝負してないけど、ノアさんには勝てる気が全くしないからなぁ~」


 アイツには無理だよ! 比べちゃいかん。


「そういや、聞いてなかったけど。夏休みにあった全国大会って、どうなったんだ?」

「聞かないでくれ」


 ユウはデッキを片付けながら少し暗い顔をした。ユウなら大会結果をすぐに報告してくるだろうと思ってたけど、言わないので忘れた。

 この様子だと、良い結果じゃなかったんだろうな。


「そうか。ユウよりも強い奴が、全国にはゴロゴロといるんだな」

「違うんですよ、タツキ氏。ユウは試合放棄して負けたんです」

「えっ?! なんで?」

「他のトップデュエリストの勝負を見てたら、自分の勝負を忘れてて。そのまま時間切れになったんです。なので俺よりも成績が下なんですよ」


 ユウと違って、ジョノは少し嬉しそうだ。たしか、公式大会でユウよりも上の成績をとった事が無かったハズ……


「よし! 今日は俺もエクシィ辞めだ!」

「えっ? 何するの?」

「トレーニングだ! 研ぎ澄まされた精神を持つ者のみ、真のデュエリストになれる。カードやってるだけじゃ、きっとダメなんだよ!」

「たまには、良いですね。俺も付き合いましょう」

「ノアさんがエクシィで強いのも、きっと中身がしっかりしてるからだな!」


 中身がヤバイのは合ってるが、別にカードの為に鍛えてるワケでは無いぞ?


「じゃ、俺は帰るよ。今日はありがとう」

「おう。タツキも帰ったら、精神を鍛えろよ!」


 う~ん。どうしよう…… 本当に鍛え直そうかな?


 今は午後の3時すぎぐらい。シャン・ギ=オウ家を出たが、特に帰ってもやる事は無い。


 そうだ! ちょっと、市場を覗いてこよう。元々、帰りにカード屋を覗くつもりだっし、シャン・ギ=オウ家は貴族区画の北側にあるから、市場へ近い。


 そうと決まれば、急ぐべし。


 走りはしないが、早歩きで、目的地へと向かう。貴族区画は長居したくないけど、走って誰かとぶつかると、更に面倒になる。


 15分ぐらい早歩きして貴族区画を抜けると、それから10分ぐらい走って目的地に着いた。カード屋は市場の最西端にあるから、こんな時間では着かない。

 つまり、目的地は仮面屋だ!


 この間、孤児院の子供達と会った時に見た、あのカッコイイ龍の面が欲しい!

 今月の支給金を持ってきたし、アレさえ買えるなら、しばらくは何も要らない!


 仮面屋は今日もウンコの被り物を大量に売っている。もちろん他の被り物も売ってるが、この店は、ウンコ専門店なのか、他の店より多く売っている。


 そして、1番目立つところにあった。赤いディティールの素晴らしい龍面は……


「な、ないな」


 まさか、売れたのか?


「おっちゃーん。あの1番高い赤い龍面は、売れたのかい?」

「んっ? お客さん。アレの良さが分かるか?」

「あぁ。ちょっと高いけど、カッコよかったからな。買いたかったんだけど……」

「そうか。悪いな。3日前に今年の祭の龍面に選ばれたんでな。領主の人に買われてしまったよ。アレは帝都にいる俺の知り合いが1年かけて作ったんでな、選ばれ良かったよ。子供にあげる予定だったか? こいつでイイなら割引するぞ?」


 仮面屋のおっちゃんが、指差したのはウンコの被り物だ。アレは部屋に9個もある。遠慮しておこう。


 それにしても、祭の龍面って、なんだ?


「おーい。タツキ!」

「んっ?」


 振り返ると、少し離れた所にフォルストとシェンユがいた。


「シェンユ? お前、急用があるって言ってなかったか?」

「そうだよ。今、終わったところ。フォルストには付き合ってもらってたんだ」

「可哀想にな。シェンユの奴、しばらくは1人で出歩くの禁止なんだぜ?」

「俺に言ってくれれば良かったのに」

「毎日タツキと一緒だもん。悪いよ。それに今日はユウ達と遊ぶ約束だったんじゃない?」

「あぁ。なんか調子出なくて、切り上げてきた。それで、この間見た龍面がカッコよかったから、買おうかなぁ? と思って見に来た。シェンユは? なんかデカい荷物持ってるな」


 それほど大きくは無いが、サッカーボールが入りそうなぐらいの木箱を持っている。


「えっ? えっとね。ちょっとね」

「どっちかというと俺の急用をシェンユにお願いしたんだよ。年末にやるクランの親睦会で使う酒とか見たくてな」

「へ~。そんなのやるんだ。楽しそうだな」

「おいおい! 楽しそうって、お前も来るだよ! ノアちゃんに話しておいたぞ?」

「えっ?」


 俺が聞き漏らしたか? それともノアが言い忘れてるのか?


「まぁ、いいや。タツキ、来るよな?」

「もちろん行く!」

「オイラも行くから、一緒に行こうね!」

「おう。なんかクリスマス会みたいだな」

「「くりすますかい?」」

「ほら、クリスマスプレゼントを皆で持ってきて、交換し合うんだよ。好きな戦隊モノのらグッズが当たると嬉しいけど、全く知らないアイドルのグッズ当たると悲しくなるぜ?」


 2人とも、コイツ何言ってるの? って感じだ。 目が点になっている。


 しまった! この世界にクリスマスも無いだろうし、アイドルもグッズって概念も無いかもしれん……


「フォルストは知ってる?」

「いや、初めて聞いたな」

「いやぁ~。あのですね。俺の住んでた屋敷でだけ、やってたというか。屋敷から出られず1人で過ごしてた俺に、父上がしてくれた。というか……」

「タツキ。記憶が戻ったの?」


 そうだったぁあ!


「い、いや。その、ノアから聞いたんだ。そういうのを、してたって」

「そうなんだ。面白そうだね。オイラやってみたい! フォルスト、やろうよ」

「えぇ~。めんどくさい」

「フォルスト!」


 シェンユは持ってた木箱を振り上げた。


 まさか、アレで殴る気か? ちょっと、やりすぎだろう!


「待て待てシェンユ!」

「んっ? 分かった! なるほど、分かったよ! やろうか。他の奴には俺から声をかけとくよ」

「や、やるのか?」

「シェンユがなんか張り切ってるから、しょーがねぇ。で? 全員プレゼントを1つ用意しておけばイイのか? 交換はどうやってやるんだ?」

「あ、あぁ。とりあえずプレゼントを1つ。交換は~。ビンゴでもやるか?」

「ビンゴってなんだ?」


 あっ! ヤベェ、また、やっちまった!


「まぁ。来週末までに教えてくれよ。シェンユ、お前、あの仮面屋のおっちゃんに、聞く事あるんだろ? 行ってこいよ」

「そうだった。2人とも、ちょ~っと待っててね~」


 なんだろう? ウンコの仮面でも買う気か? 欲しいなら俺があげるぞ?


「タツキ。お前、シェンユと仲良いな」

「まぁね。いや、知ってただろ?」

「こんなに仲良いとは、思わなかった。卒業したら一緒にパーティ組むってのは本当か?」

「あ~。いちおう、その予定だけど」

「そうか。お前なら安心だ」

「どういう事だ?」

「シェンユがユウツオから出ないなら、俺のパーティに誘おうかと思ってたんだよ。でも、アイツは外に出たがってるからな」


 もしかして。フォルストは、シェンユの秘密を知ってるのかな?


「お待たせ~」

「シェンユ、問題なかったか?」

「うん。バッチリ! フォルストありがとね!」

「それ預かっとくか? 年末まで使わないだろう。クランハウスの俺の部屋に置いとくか?」

「あ~、そうだね。お願いしようかな」


 シェンユが木箱をフォルストに渡す。なんか大きさのわりに軽そうに見えるけど、なんだろうな? パーティに使う酒なのか? 少なくね?


「それじゃ~な! タツキ、あとはよろしく!」

「えっ? なにを?」

「我儘亭に帰るんだろ? シェンユと一緒に帰れよな。俺はもうちょっと市場見てから帰るからよ。またな!」

「そっか。了解」

「フォルストありがとう~」


 だいぶ暗くなってきたな。冬に日が暮れるのが早いのは一緒か。


「タツキ、帰ろうっか? それとも、まだ、何か用事ある?」

「ない。欲しかった龍面も無いんじゃ、しょうがない。帰えるか」


 シェンユと2人歩いて帰る。貴族区画の中を抜けた方が早いが、シェンユは、冬の間は通りたくないだろう。北側の道を通る。


 エクシィはユウとジョノに連敗して、欲しかった物は売れて無くなってしまって、なんだか、今日は残念な日だなぁ。


「楽しみだねぇ~」

「なんだ? 今日の晩飯か?」

「違うよ! 年末のパーティだよ!」

「そうだなぁ~。ダリアさんは金持ちだから、豪華な飯が食えそうだなぁ~」

「えっ? ダリアさん? ダリアさんも呼んだの?」

「何言ってんだ? シャン・レン=ワン家に行くんだよ。ヒルデさんも一緒にな」

「えぇ?! 何それ? フォルストのクランハウスは?」

「あっ!」


 あれ? もしかして、ダブルブッキングしてる?

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