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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第128話 ヒルデ…… こんな所で食べてたのね

 さて、ダリアさんに何て話しかけようか。今はクラスも違うし、朝の登校時間も違うし、帰りよ向こうは、使用人と兎車がきて、さっさと帰ってしまうし、タイミングが微妙だ。

 どうせ俺は週末はヒマだし、雷の日に約束をしようか? しかし、まず、その約束をする為に話をしなきゃならない。


 スマフォってのは、便利なもんだったんだな。俺は連絡する相手が少なかったから、そんなに活用できてなかったけど。


 とりあえず、今日は週の始めだし、様子を見ようかな。


 次の日。授業と授業の合間に優クラスに行ったが、タイミングが合わなくて、結局、話は出来なかった。


 その次の日。授業と授業の合間の休み時間は、どうせ短いので、昼休みに誘おうと思っい、食堂でを探してたけど。ダリアさんを見つけられなかった。

 ユウとジョノが一般食堂でメシを食うので忘れてたが、ダリアさんは貴族専用の食堂に行くんだった。


 さらに次の日。昼休みになった途端に、貴族専用の食堂に向おうしたら、階段で2階から上がってきたヒルデさんと出くわした。


「あっ。タツキさん、こんにちは」

「あ、ヒルデさん。どうもです」

「今から、昼食ですか?」

「え、えーっと、まぁ。その予定です」

「あの、よかったら、一緒に屋上で食べませんか? その、話しをしたくて」

「えっ? えぇ? 俺と?」

「はい」


 な、マジか。


 女子から昼食に誘われてしまった。しかも10コ以上も年下から。夢か?

 初めてか? ……ではないな。前にダリアさんに誘われたっけ? でもアレは、お父様とノアも同伴だったな。


 断る理由がない!


「俺で良いなら、ご一緒します」

「本当ですか! ありがとうございます。私、気軽に話せる人がいなくて、その、だから、嬉しいです。あと、お願い事もありまして」

「お願い?」

「屋上で、食べながら、話します」


 ヒルデさんに昼食に誘われたのが嬉しくて、ダリアさんから話を聞くのを、忘れてしまった。


 魔女教団のイメージアップには、どうしたらいいか? とか。共通の話題である、大魔女サヤ様について、とかの話をしたけど。お願い事については、聞けなかったな。


 そして風の日。なんと、週末になってしまった。

 毎日毎日、我儘亭に帰れば、ノアに罵られているので、今日こそはダリアさんに話をしなければ、ならない。


 4コマ目の授業の終わりが近づいている。優クラスは3コマ目の終わりだろう。良クラスの日程は優クラスとは違うが、朝にひとコマ増えるだけなので昼食時間は同じだ。

 さらに今日はタイミング良く、時間に厳しいおじいちゃん、クロータス先生の授業だ。


「と、いう事になるのじゃよ。そろそろ時間になるのぉ。今日は、ここまでにしよう」


 素晴らしい! この時を待ってたぜ。


 すぐに席を立って教室から出る。階段を2つ跳びで降りて2階へ向かう。そして優クラスの教室の後側の引き戸を開ける。


「そういう事だから―― なんだタツキ? まだ授業終わって無いぞ!」

「あっ。すみません!」


 早く来すぎた。


 少し廊下で待ってたら、前側の引き戸から先生が出てきたので、頭を下げた。


 教室に入ろうとしたら、ヒトラ様とヒョウカさんが出る所だったので、先に譲る。ウチの侍女の御主人様ですからね。


「タツキ、そんなに急いで、妾に会いにきたのか?」

「あ、いえ。今日はダリアさんに用がありましまして」

「そうか。たまには休日に、遊びに来てもよいぞ? お主、ノアに鍛えてもらってるのだろう? 一度ぐらい手合わせしてみたいの」

「こんな奴、ヒトラ様の相手になりませんよ」

「そう言うなヒョウカ。そうそう、年末については、良い返事を期待してるぞ? ではな」


 なんか、よく分からん事を言って、去ってしまった。何の話だろうか? ヒトラ様と手合わせ、なんて、恐ろしい。


 ふと、廊下の先を見てると、前側の引き戸から出てくるゼルトワと目が合った。

 すっごく睨んできたが、誰も何も言わずに去って行った。


 ゼルトワ達だけでなく、カツアゲ2人組や、4ギャル達など、ちょっと目につく奴等は、冬になってから大人しくなった。

 国内外から大物貴族がユウツオに来ており、思いがけずに失言したり、トラブルを起こしたりすると、自分の家柄に泥を塗る事になる為、この時期は皆、大人しくなるんだとか。


 そんな事よりもダリアさんだ。


 教室に入ると、ダリアさんは出ていく準備をしてるみたいだった。弁当箱のような物を持っている。


「ダリアさん。こんにちは」

「こんにちは。授業中に入ってくるなんて、相変わらずね」

「すみません」

「シェンユを迎えに来たの? なんか急いでいるみたいね」

「いえ、今日はダリアさんに話があって」

「私に?」

「ちょっと! 待ったぁぁあ!」


 予想してたが、ピンク旋風の来襲だ。


「タツキってば、昨日の昼もいなかったでしょ! オイラは寂しかったんだぞ!」

「ユウとジョノは一緒じゃなかったのか?」

「いやぁ~、いたよ」

「じゃ! 寂しくないだろ!」

「シェンユ。悪いけど、私からも頼みますわ。ちょっとタツキに話があるの」

「えっ? ダリアさんも?」

「そう。今日で無くとも良いのだけど、タツキが私に話があるなら、都合がよいわ」

「分かったよ。しょうがないなぁ~。明日はオイラと遊んでよね!」


 休日はノアがいないので、ほとんどシェンユと一緒にいるだろーがっ!


 にしても、珍しく今日はあっさりと去って行ったな。


「じゃあ、何処で昼食をとろうかしら?」

「えーっと、人があまりいない所が良いですね。それで話をしやすい場所で~、座れる場所で~」


 自分で言ってて思ったが、そんな良い場所あったかな? 外に少し設置されてるテーブルは、ほとんど使われてるし。どっかに座って食べるのも微妙だし。


 う~ん…… あっ!


「ダリアさん。良い所があります!」


 というワケで、昨日も来た屋上に来た。


「ここで、ご飯食べて大丈夫なの?」

「大丈夫です。俺も3回目ですから! なんなら、毎日来てる人もいますから」


 やはり、いた。


「ヒルデ…… こんな所で食べてたのね」

「あっ! タツキさん…… とダリアさん?」

「ヒルデさん。今日は、ちょっとダリアさんと話があって、向こう側を使わせてもらいますね」

「えぇ。別に、学校は魔女教団の物では、無いので、構いませんが」

「ダリアさん。こっちで食べましょう」

「分かったわ」


 なんか、ヒルデさんを1人にして、俺はダリアさんと2人で話ながら昼メシを食べるのは、ちょっと気が引ける。

 けど、婚約者の話なんて、ヒルデさんを交えて、できるわけない。


「それで? 話って何かしら?」

「えっと。あのですね」


 というか、何て聞く? 休日の約束だけするか? でも、明日はシェンユの相手しないと、文句言いそうだなぁ~。

 もう今、聞いてしまったほうが良さそうだけど。どう、切り出すか……


「ちょっと、卒業後について悩んでまして、ダリアさんの意見を聞きたいなぁ~と思いまして」

「卒業後? 私に?」

「はい。シェンユとパーティ組んで冒険者として、世界を旅したいのですが。ノアがヒトラ様の使用人になってしまいましたから、俺も一緒にワナン国に行くか。どうしようか悩んでいるんですよ」

「なるほど」


 ダリアさんはちゃんと考えてくれてる感じで、弁当を口にした。とりあえず本題に繋げる為の話題なのに、申し訳ない。


「それを、どれだけ大事にするかじゃない? 両方とも大事なら、私だったら両方とも成し遂げるわ」

「両方?」

「そうね。理想は、まずノアを正規のやり方で取り戻す。それから3人で世界を旅したら、いいんじゃない? それが無理そうなら先に世界を旅して力をつけて、それからノアを取り戻しに行く」

「なるほど……」


 ちゃんとした意見が返ってきた。本当にありがとう! 正気のやり方でノアを取り戻すか。金を貯めて買うか。ワナン国と繋がりを作って、なんとかするか。

 最悪の場合は、ノアが反逆するしかないな。そしたら、ワナン国を敵にまわす事になりそうだけど……


「もちろん、その時は私も誘ってくれるわよね? 私も世界を騎乗獣で駆け抜けてみたいわ」

「えっ? ダリアさんは卒業後、結婚するじゃ?」

「しないわよっ!」


 かなり強い感じで反論されたけど……


「で、でも、帝都で婚約者? みたいな人に会いましたよ?」

「あぁ~。ガオレンね。色々とあるのよ」

「その、色々って、聞いてもいいですか?」

「そうねぇ~。ちょっと恥ずかしい話だけど、いいわ」


 おっ。自然の流れで話を聞けそうだぞ。今のうちに飯を食いなが聞いておこう。


「実は、ちょっと前にガオレンのね。ブリル=ワン家の家宝である、宝物級武器を壊してしまったの。それで、その代わりに私の身を差し出す事になってしまったのよ」

「そんなんで?」

「そんなんって。宝物級武器は、かなり希少なのよ? まぁ私も、ちょっと考えが足りなかったわ。彼に貸したら上手く扱ってくれると思ってたけど。まさか、彼の力に武器の方が耐えられなくて壊れるとは思ってもいなかったわ」

「ダリアさんじゃなくて、誰かに又貸しして、そいつが壊したんですか? まったく困った奴ですね。そいつ!」

「彼は悪くないわ。タツキも知ってるでしょう? 全力で私達を助けてくれたわ」

「ごふっ! ゴホッ ゴホッ」

「ちょっと、大丈夫?」

「だ、大丈夫です。もしかして、そいつは?」

「レッドよ。レッドにガオレンの宝物級武器“ペルダムの鱗剣”を貸したの。注がれる魔力量に応じて大きくなる特殊な剣なんだけど、最大で3メートルぐらいの大きさになると聞いてたから、レッドがサンダイルと戦う為に使えると思ったよ。そしたら、どうなったと思う?」

「ど、どうなったんですか?」


 この話はダリアさんから聞いてないけど、俺は結末を知っている。


「凄いわよ! 10メートル以上も大きくなって、サンダイル頭を切り落としたのよ。しかも一撃で! でもね。耐久値を超えたんでしょうね。ペルダムの鱗剣は崩れて大砂漠の砂に混じって消えたわ。それでガオレンに返せなくなって、私の身体で弁償する話になっているのよ」


 俺のせい、じゃないかー!


「すみません!」

「何よ! タツキが謝る事じゃないわ」

「あ、そうかもしれないですが、えーっと、なんていうか」

「それに大丈夫よ! 私はシャン・レン=ワンの女。簡単には結婚なんて出来ないわ。父様の許可がないとね。そして、父様は条件を出したわ。まず、2年間、父様が私に与えた時間は私のものよ。好きにして良い事になってるわ。でも、ここで結果を出せなければ結婚になってしまうわね。だから私は成績上位10名以内で卒業してD級でも優秀なD級プラス3で冒険者になるわ!」


 そういえば、冒険者の階級にはプラス0から3まであるってノアから聞いたな。大きな差は無いけど、プラスが多い方がギルドからの信頼が厚く、上の階級に上がりやすいんだっけな?

 ノアもかつてはD級プラス3だったな。今はプラス0だけど。


「それが達成できたら、さらに1年だけ冒険者をする許可も貰ってるの。1年だけど、本気で冒険者ができれば、私は満足できると思う。そしたら、ガオレンと結婚してもいいわ。昔は付き合ってたし、シャン・レン=ワン家とブリル=ワン家の繋がりが深まれば、父様も助かるハズだわ」


 ダリアさんが結婚するのは、剣を返せなかったから、その身で弁償するか。しかも、壊したのは俺だ。

 凄く、申し訳ない。ダリアさんの望む事は出来るだけ、叶えてあげたいな。


「だから、私もパーティに入れてね? タツキとシェンユと一緒なら楽しそうだわ。タツキは意外と強いからね」

「えっ? そんな事無いですよ!」

「決闘の結界は残念だったけど、凄く頑張ったと思うわよ。それに、大平原の横断でも、よく戦ってたわ」

「ありがとうございます。卒業後は必ず、お誘いしますよ!」

「ちゃんと、卒業してよ? 3年生とかなったら困るわよ?」


 ヤベェ! ダリアさんの為にも、しっかり勉強して卒業しなきゃ!


「そうそう、私の話もいいかしら?」

「そういえば、話があると言ってましたね。なんでしょうか?」

「年末休みの時にね。仕事の都合で父様がユウツオに来るの。それに合わせて兄様や、姉様も何人か来るわ。それでパーティをするんだけど、父様から学校の友人を3人ぐらい連れて来なさい。って言われてるの。タツキ来てくれないかしら?」


 何だと?! シャン・レン=ワン家のパーティにお誘い? 行っても大丈夫か?


「父様は夏に会えると思ってたらしくて、残念がってたわ。だからお願い!」


 あっ! なんか、言ってたかもしれん。


「行きます。行きます。ダリアさんの頼みは断れません!」

「何よ、それ。まぁ、いいわ。ならもう1つお願い。シェンユも誘ってくれないかしら? 私から誘うと領主様に何か言われそうで」

「あぁ~、なるほど。考えすぎとは思うけど、そういう事なら任せてください! 俺が声かけます」

「ありがと。よろしくね。……どうかしたかしら?」

「ん?」


 なんだ?


「あの、すみません。お話は、終わりましたでしょうか?」

「ヒルデさん?!」


 全然、気が付かなかったが、後にヒルデさんが、立っていた。


「ひと通りは、終わったわ。何か?」

「すみません。タツキさんに、お願い事がありまして。今、いいですか?」

「今? 空気を読んで欲しいわ」

「ヒルデさん。今ですか?」

「あの、すみません。お願いはタツキさんに、あるんですが。良ければダリアさんにも話を聞いてもらえると、ありがたいのです」


 昨日、お願い事がある。って言ってたな。でも聞かなかったんだよね。何だろう?


「いいわよ。魔女教団への勧誘でなければ」

「違います。あの、私は魔女教団は今の時代に合わせて、変わるべきだと考えいます。その為に教団の人間として、内部から変えていければと思っています」

「あら、そうなの。それは、意外だわ」

「それで、タツキさんにお願いがありまして、領主様と会わせて貰えないでしょうか? これまでの謝罪とこれからの相談をしたいと考えているのですが……」

「えっ? 俺が?」

「はい。私が話ができて、私の事を理解してくれて、領主様と繋がりがあるのはタツキさんだけなので、お願いします」


 ヒトラさんの頑張りには、感銘を受ける。凄いと思うけど。けど。領主様、取り合ってくれるかなぁ~? 話をしたとしても、面倒事を持ってくるな! って言われそう。俺が火の粉にならないか心配してたし。


 でも。もし、これで魔女教団との関係がよくなれば、ユウツオにとって。世界にとって良い事になるハズ。


「分かった。いちおう動いてみるよ。でも、期待しすぎないでね? ダメかもしれないし」

「いえ。ありがとうございます」

「もしかして、タツキって、女性のお願いなら誰でも聞くの?」

「いえいえいえ! 違いますよ! ヒルデさんは良い人ですよ!」

「そうなの? まぁ、いいわ。それで、私が同席させられたのは?」

「私の考えを聞いて欲しくて。あと、タツキさんが信用してくれるのを、証明したくて」

「ふ~ん。なんかタツキ、上手く使われたわね」


 うっ。確かに。


「いえ。やましい事では、無いのですが。ダリアさんが、もしも、私を信用して下さるのなら、シャン・ギ=オウの方と話をする機会を作れないでしょうか?」


 なんだって? シャン・ギ=オウって、ユウの家か? なんでだ?


「それは、どうして?」

「このユウツオで魔女教団が起こした大きな問題がいくつかあります。今更ですが、それを謝罪したいと思ってます。それから、もし、取り戻せるなら直したいと考えいます」

「ふ~ん」


 何の話だろう? ダリアさんは今の分かったのか?


「いいわよ。なら、貴女も年末のシャン・レン=ワンのパーティに呼んであげるわ。タツキと一緒に来なさい」

「あ、ありがとうございます!」

「ダリアさん! それは大丈夫なのかな?」

「もちろん、無礼な事があったら、シャン・レン=ワン家は、魔女教団を許さないわ! 4大貴族全家でシン大帝国から追い出すわよ? いいわね?」

「分かりました」


 マジかぁ~。年末休みが、ちょっと怖くなってきたぞ~。


 いったい、どうなるんだろうか? ヒルデさんは、まだしも。魔女教団ユウツオ支部の暴言マンが何もしない事を祈る!


 あと、シェンユとヒルデさんの組み合わせって、大丈夫だろうか……

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