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ち
公園へは自転車で行く。
京子は自分の自転車を持っていた。
竹編みの淡褐色をしたバスケットが付いて、フレームは紺色に塗装されている可愛らしい婦人用自転車だった。
貴行も自転車を持っている。貴行の自転車は京子の物とは違いとても簡素だった。
シティサイクルと呼ばれる基本形で、フレームは無骨なスタッガードフレーム。
塗装は銀色で統一して施されており、お洒落さは微塵も感じられない。
鈴と出会った山に行った時に乗ったのもこの自転車で、鈴を貴行の家へと運んだのもこの自転車だ。
そして鈴は自転車を持って居ない。
貴行の自転車へと同乗する事になる。
「ちょ、ちょっと! なんで貴行の自転車に乗ろうとしてんのよ?」
「だって私、自転車持ってませんし」
鈴は勝ち誇ったような表情になる。
「くっ、あ、アンタ、何、その顔」
京子はその表情を見て激しい不快感を露にする。
「大体、京子さんは後から付いて来るって言い出したんですし、文句は言えないはずです」
「……わかったわよ」
「じゃ、じゃあ出発するよ」
納得できないという顔を見せながらも言葉ではわかったと言う京子の様子を確認した貴行は出発の呼び掛けをして、山の麓にある公園へと走り出した。




