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Notre histoireシリーズ  作者: おしるこ


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Notre histoire.4

『それで…』

「なんでしょう?」

『それ!敬語はなしにしよう もちろん仕事中は公私混同はしないけど、この家にいるときは敬語はなしだ』

「はい…あっ」

『はは、可愛いなぁ』

「もう!チーフったら…」

『あ!そのチーフ呼びもなし!名前で呼んで! 

俺の名前…わかる?』

「はい…洋平さん…」

『さん付けか…ま、いいか よくできました ゆい』

「はぅっ…」


ずっと憧れてたチーフが…名前を…呼んでくれてる

信じられない…  幸せ…


付き合っていくっていう実感が押し寄せてくるような…うれしいなぁ…



【洋平point of view】


真っ赤になってる 可愛い

今日はこのくらいにしとこうか…


『ゆい 今日はもう遅いし、泊まってく?』

「えっ!?!?あの、わたし、用意…なにも…」

『はは 買いに行こうか』

「…はい」


『ちょっと行ったところにフォミマがあるから 

行こうか はい、手出して』

「はい…手?あ…っ」


手をつないで、歩き出した

隣りで彼女は真っ赤になりながらついてきている

はぁ…可愛い 手もちっちゃくて可愛いし…

守ってあげたくなる いや、俺が守る!


さて"あの話し"はいつ切りだそうかな…


【フォミマ】


『…これで大丈夫かな?』

「あの…チーフ…」

『……』

「あっ、洋平さん!」

『なぁに?』

「あの…お金…」

『いいのいいの 今日は俺のわがままに付き合ってもらってるんだから』

「洋平さん」

『ん?』

「真剣だからこそ、こういうのもちゃんとしたいんです…」

『うん…そうか…じゃあお言葉に甘えることにするよ

帰ろっか ゆい』

「はいっ」


フォミマのお金を払ってくれたんだけど…

お金を払ってよろこんでいる女性を初めて見た

こっちが払って当たり前だと思ってたけど


真剣だからこそちゃんとしたい、か…

この子、見た目よりもよっぽど大人だなぁ…


『ただいまー』

「お邪魔しま…」

『違うよ』

「え?」

『ゆいも ただいまでいい』

「でも…」


『だめだっ がまんできないっ!ゆいっ』

「…え?」


【唯point of view】


『もらってくれないか?…これ』

「…え?か、鍵!?」

『うん』

「いや、うんって…洋平さん、トントン拍子過ぎませんか!?」

『本当はさ もっと後で言おうと思ってたんだけどさ 一緒に住まないか?』

「…え?えーーー!?」


も、もう!?結婚を前提に、で結構お腹いっぱいですよ!?

展開が…あまりにも早くて…


『…やっぱり嫌かな』


あっ…ずるい…洋平さん、しょぼんって顔してる


「嫌じゃ…ないです…」

『良かった!じゃあ、渡しとくね!』


パーッと明るくなる顔にしてやられた感はあるけど…

こういうところもあるんだぁ

素直で、すぐ顔に出ちゃう…

普段はすごく大人なのに子どもっぽいところもあるんだなぁ…

とても可愛らしいところもあって、好き…


『ゆい?』

「はい?」

『強引だったかな…今さらだけど』

「いえいえ、うれしいです!」

『敬語、取れなさそう?』

「…あ、とれる…うん!」

『よろしい』


可愛らしい笑顔…ずっと見てられる…

洗い物をしてる洋平さんもかっこいい…

プライベートの顔だもんね…

憧れのチーフが私の彼氏…なんて…


『ゆい、風呂の準備できたけど入る?』

「ひゃう!?あ、あっ…」

『一緒でもいいけど?』

「!!!お先にっ、入らせていただきますっ!!」

『はは ゆっくり入っておいで』



はぁ…もう!洋平さんったら…


何も考えられなくて、急いで洗って出ちゃった…



今は洋平さんのお風呂の番…

なんか…どきどきしちゃうな…

こういうときって…どうしていればいいの…?


【洋平point of view】


……………!!!!


なんだかトントン拍子にあれこれ決まってしまったぞ…

こんなにうまくいって…いいのか!?


いや、言い出したのは俺なんだけど…

いろいろ言い出しすぎて引いてないよな!?


ど、どんな顔して風呂から出ればいいんだ…


自分の家なのに…

全然落ち着かないし、なんなら緊張してきたぞ…


なんでだ…

慣れてる…と言ったらおかしいが、

それなりに女性ともお付き合いしたこともあったし

家に連れてきたことだって何回かあったのに


今までとは、明らかに何もかもが違う


俺が変わった…のか…?


ゆいの前だと余裕がなくなってくる

カッコ悪い姿、見せたくないのに…


こんなとき、前の俺ならどうしていた…?


あーいやいや、

あんまり遅くなるとゆいが待ちくたびれてしまうな




はぁ…出よう


『おまた…せ』


あ…寝てる…

待たせ過ぎたか!?


いや…30分くらいか


疲れさせてしまったんだな…悪いことをした



可愛いな…寝顔…


あー可愛い、ほんとに ずっと見てられる


"パシャッ"


…待ち受けにしたら怒るかな…


そっと待ち受け画面に設定して、ゆいに布団をかけた


【唯point of view】


「…ん…」


あれ…ここ、どこ…?

…なんで、チーフが…?……あ!!!


「やだっ!!私、寝ちゃったっ」

『あ、起きた?』

「ごめんなさいっ、待ってたのに…」

『いいよいいよ、それに30分も寝てないぞ?』

「あれ…すごく、よく寝たような… お布団かけてくれたんですね ありがとうございます」

『うん 安心して眠れたと思っていいのかな

よかったよ』

「はいっ!あれ?チーフ……じゃなかった

洋平さん 何してるんです?」

『レジ表書いてたんだよ』

「あ、いつも洋平さんが書いてくれてたんですね」

『そうそう 一応3日前には用意しておきたくてね』

「…楽しそう」

『え?』

「私、こういうの好きかも…」

『やってみる?』

「いいんですか!?はい!」


この人は11時から出勤17時まで…木、金休み…

この人は水、日休み、休憩は1時間…

この人は火、土休み、休憩は1時間と30分…

レジとレジの間を30分空ける…


「できました」

『え!?早いっ どれどれ…』

「…抜けてたりしてるかもです…」

『いやいや…完璧だよ… 15分もかかってないのに』

「パズルみたいで楽しい!」

『ねぇ、これから任せていい?もちろん貼り出す前にちゃんと確認はするから』

「はいっ!やっとチーフのお役に立てるんだ!

うれしいっ」

『…』

「…?あ!洋平さんだ 私ったら」

『いや、名前に反応したんじゃなくてさ』

「え?」

『ゆいの言葉って不思議だ 元気が出るんだ』

「ほんと!?よかった…わっ?」


だ、抱きしめ…られてる… 

洋平さん、どうしたのかな… 


【洋平point of view】


あっ 思わず抱きしめてしまった…


『あっ!ごめんっ』

「いえ…洋平さん…?」

『なんでもないんだ さ、片付けてゆっくりしよ』

「…はい」


あぶないあぶない、さすがにまだ早いぞ!


大事にしたいんだ  


「洋平さーん」

『ん?』

「今気づいたんですけど、部屋着おそろいー!」

『気付くの遅いぞー』

「ふふ 新婚さんみたい!」


なっ!!!!この子は突然、何を言い出すんだ…

可愛すぎる 鼻血が出るかと思った…

ほんとに、可愛いすぎる…あー押し倒したい…

『はは あーそうだな あっ!コーヒー飲むか?』

「はい!入れるの、見てていいですか…?」

『いいぞーおいで』

「はーい」


店でも思っていたが

彼女にはこういうところがある

勝手にキッチンに入ったり、声をかけてから部屋に入ったり、勝手に物を物色しない


もしかしていいところのお嬢さんなんじゃないか?

と思うくらい、弁えているんだよな


「こうやっていれるんですねぇ」

『そうそう さ、入ったぞー』

「ありがとうございます!私が運びます!」

『うん、頼んだ!トレーあるから、これ使って』

『はーい!』


『なぁ、ゆい?』

「はい」

『もっと、自分の家みたいにしていいからな?』

「え?」

『いたかったら、ずっといてくれていいし

来たい時に来ていいから』

「ありがとう…洋平さん」

『そのための鍵だからな 遠慮しないで』

「はい…じゃあ、あの…」

『ん?』

「明日も…お泊りしていいですか?

朝、一緒に出勤してみたいな、なんて…」

『…!もちろん!いいに決まってるよ!

明日 服買いに行こうか!』

「あっじゃぁ、うちに行きませんか?

服と…大事な物を取りに行きたいから…」

『ゆいのご実家に?あ、あぁ、行こうか…

ん?大事な物?』

「あ、田辺さんがくれたカップです…えへへ」

『…俺のも使っていいからね?』

「はい!ありがとうございます」


別に田辺さんにヤキモチを妬いているわけではないぞ…


あ、その前に…

…ご実家に…ってことは…ご挨拶に…伺うってこと!?


いきなり行って

お父様に殴られたりしないよね!?

ちょっとびびってる

落ち着け、落ち着け…


こんなときこそ!

大人の、余裕…見せるときだろ!!


【翌日】


ゆいは何もいらないといったが、そういうわけにはいかないので、駅でご両親の好きそうなお菓子を

ピックアップしてもらって用意した


昨日の夜は…あまり眠れなかったが…

ゆいにはバレてないな

電車の揺れで眠ってしまいそうになる…

シャキッとしろ!俺!


「洋平さん?」

『え?ど、どうした?』

「降りる駅につきますよー」

『あ…もう着くのか…うん、行こうか』


しばらく歩いて…


「洋平さん、ここです ただいまーおかあさーん」

はいはい おかえりなさい…あら、こちらは…?

「昨日メールした洋平さんよ!

洋平さん、こちらです、どうぞー」

『あっ、はじめまして…北村と申します…

本日は突然伺いまして、すみません…

こちら、気持ちばかりですが…』

あらあらぁ…お心遣いありがとうございます

ちょっとお父さん!ゆいの彼氏さんがいらしたわよ


!!ちょっとちょっと、お母様…?いきなり彼氏、

なんて…お父様、怒らないですか!?…大丈夫かな


「洋平さん、スリッパ使ってください こっちー」

『あ、うん…お邪魔いたします…』


あー…あなたが…北村さんですか…

ゆいがいつもお世話になっております 父です 

『北村洋平と申します 昨日は突然私の家に泊まることになってしまい申し訳ありません

娘さんにはいつもお世話に…』

北村さんっ


!!突然お父様に手を握られた…


『は、はいっ』

ゆいが、いつもあなたのことを楽しそうに話していたもので…安心していたんですよ

娘のことを末永くよろしくお願いします "ぎゅっ"


手を握る力が、結構強いです、お父様…


『あっ、お父さん…こちらこそ…よろしくお願いします!』

ゆいー 早くこっちに来ないか!

北村さんを1人にして何してるんだー?

「え?なにー?」

よかったなーゆい 北村さんがよろしくしてくれると言ってるぞ!

「ちょっとお父さん!やだー変なこと言わないでー

洋平さん、うちのお父さんちょっと変なの 

ごめんなさい」

『そんなことないよ、どうしてゆいが良い子なのかわかったよ』

「そんなそんな…」

ありがたいじゃないかー!2人とも、今日はゆっくりしていけるのかい!?

「今日は洋服取りに来ただけー!

これからデートだから帰るねー」

『ちょ、ちょっとゆい…』

いいんですよぉ…若い子たちは今のうちに楽しんでおかないと…ね?ゆい 

「ねーお母さんっ!じゃあ行くから!」

『え?もう!?』/え!もう行くのかい!?


お父様とシンクロしてしまった…

寂しそうなお父様と楽しそうなお母様を残して、

ゆいの家を後にした


殴られなくてよかったけど…

優しそうなご両親だったな

あんなに暖かい家庭なら、良い子に育つわけだな



……俺の家とはまるで正反対だ


【電車内】


『それにしても…よかったのか?あんなに早く帰ってきちゃって』

「いいんですよーお父さん話し長いからー」

『なんだか寂しそうだったぞ?』

「…洋平さん、また来てくれる?」

『もちろん!』

「じゃあ大丈夫!あの、洋平さん」

『ん?』

「おうち帰ろ」

『え?どこか行くんじゃないのか?』

「荷物置いて、ゆっくりしましょ」


俺の家をおうちって言ってくれるんだな…

それにしても、ゆい、荷物多くないか?

何日か泊まってくれるんだったらうれしいけど…


"トントン""トントン"「…さん…洋平さん」

『あ…ごめん、寝ちゃってた』

「大丈夫?もうすぐ降りる駅ですよ」

『本当だ、起こしてくれてありがとう』

「無理させちゃいましたね…」

『いやいや!そんなことないから!さ、行こう』


寄り道せずに、まっすぐ家に帰ってきた


「ただいまー」

『うん、ただいま』

「さ!洋平さんはもう少し寝てください!」

『大丈夫だよ』

「昨日…眠れてないの知ってますよー?」

『え!…バレてたのか』

「えぇ、無理しちゃだめですよー」

『はは、ありがとう 大丈夫だよ』

「洋平さん、こっちに」

『ん?』

「はい、どうぞ」

『うで、まくら…?』

「うん!どうぞ」

『俺がやるから』

「だーめ!今日は、私が」

『ありがとう…じゃ、お言葉に甘えて少しだけ』


ゆいが頭を撫でてくれている

安心するなぁ 熟睡するのは一瞬だった



そのとき、夢を見たんだ

ゆいが、遠くに行く夢

大声で名前を呼んでも、振り返ってくれなかった

ゆいっ、待ってくれ…


俺を1人にしないでくれ…っ


『っ、はぁっはぁっ…ゆいっ!』

「洋平さん!?」

『あ、ゆ、ゆい…?』


心配そうに顔を覗き込んでいるゆいに抱きついた


「大丈夫、ここにいますよ」

『あ!!ごめん、つい…』

「ううん…洋平さん…大丈夫?」

『あ…あぁ…ごめん』

「いいんです…うれしいから…

でも、何かあったらなんでも言ってくださいね」

『大丈夫だよ ありがとう』

「…やっぱり頼りにならないですか?」

『え?』

「…洋平さんのお役にたてないですか?」

『ゆい…』


違うんだ…悲しそうな顔しないでくれ…


【唯point of view】


やっぱり…私では…


『ゆい…おいで』

「はい」

『ゆいがそばにいてくれるだけでいいんだ』

「…ほんと?」

『あぁ ゆいに出会えて、本当に幸せだよ』

「うれしい!ありがとう、洋平さん」

『ありがとうは、こっちのセリフなんだけどな』

「え?」


抱きしめられてる

あったかい…幸せだなぁ…


『あっ、お昼過ぎるな…何か食べようか』

「昨日買ってきたもので、何か簡単に作っちゃいましょうか」

『うんうん 食べ終わったら買い物に行こうか』

「もう、大丈夫…?」

『よく寝たから!また今度してくれな 腕枕』

「はい!」



そのあと私たちは、ご飯を食べて買い物をして、

おうちに帰ってきてゆっくりしていた


「あの…洋平さん」

『ん?どうしたー?』

「あの…ずっと、ここにいたくて…着替えとかたくさん持ってきちゃいました…」

『ゆい…ありがとう!そうか、一緒に住んでくれるのか あ、ご両親に報告しないと…』

「いえ、母に言ってきましたから!」

『いや…ゆいちゃん?お父さんにも…』

「母がうまーく伝えてくれますから大丈夫♪」

『そ、そうか?心配だから、俺電話だけでも…』

「そ、そうです…か?すみません…」

『いいんだよ 当たり前のことだから』


【洋平point of view】


俺はご実家に連絡してお父さんに

しばらくゆいさんをお預かり致します、大事にします

と、お伝えした

やはりお母さんから聞いていたらしく、

わざわざ連絡までくれるとは…安心しているよ、

君はもう私たちの子どもでもあるんだから、

なんて言ってくださったんだ…


俺、それ聞いて泣きそうになってさ…

ちょっと照れ隠しで、ゆいにいじわるしちゃったんだ


『ゆいー』

「はーい」

『風呂入ろっか』

「…わ、は、はいっ」

『…じゃ、行こ』


可愛い ドギマギしてるな あー可愛い


『はは 冗談だよ!』

「…え?」

『無理しなくていいから 先に入ってくるよ』

こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。

再編集して投稿しております。

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